連載

モトチャンプCH.

2022年6月に発売されたヤマハXフォースはマジェスティSに代わる155ccクラスのスポーツスクーター。水冷単気筒155ccエンジンはNMAXと共通で、前後に13インチタイヤを装備する。生産国である台湾では前モデルが2016年から発売されていたが、日本国内へは2世代目からの導入となった。アグレッシブなスタイルが与えられたことで、スポーツライディングへの期待が高まる1台。とはいえ世界的に新車供給が滞っていることから、乗りたくてもまだ乗れていない人も多いことだろう。そこでモトチャンプTVで公開されている動画から、Xフォースがどんなマシンなのか紹介しよう。

主要諸元をおさらい。
編集長のチャボ(右)とジャーナリストのノア・セレンがお届け。

動画はモトチャンプTVのスクーターコーナーにある「新型スクーター YAMAHA X FORCE 速攻試乗!」というタイトルだ。動画の冒頭でスペックが紹介されている。サイズはマジェスティSより小ぶりでホイールベースも短い。搭載されるエンジンの出力はマジェスティSとほぼ同等なので、15kgほど軽い車体には十分な性能だろう。では実際乗るとどうなのか、今回はジャーナリストのノア・セレンが試乗してインプレッションを語ってくれている。

二人とも高評価したのがフラットなフロア。
自然と伏せて走ってしまうライポジになる。

まず注目したいのがフラットなフロア。155ccエンジンを採用して高速道路が走れるモデルながら、やはりスクーターにはフラットなフロアでいてほしい。これは編集長のチャボともに一致した意見で、乗り降りがしやすく気軽な乗り物であるスクーターならセンタートンネルはないことが一番。またノア・セレンらしい意見も飛び出し、厳密には違法だがフラットなフロアだから荷物を載せやすい点にも触れている。決して勧められる行為ではないので参考意見として受け取ろう。チャボのヒヤヒヤした表情も見もの。またポジションについてはモタード的なハンドルバー形状とあいまり、前輪荷重を意識するようなライポジになる。さらにシートがフラットでストッパーがない形状となっているため、大柄な人でも窮屈さを感じない。これにはシートとフロアの距離が広がったことが要因になっているようだ。

USBポートの下は500mℓのペットボトルが入るポケット。
給油口の位置が高く下に障害物がないため給油時に便利。

ユーティリティとしてはイグニッションスイッチの脇にUSBポートが配置され、その下のポケットには500ミリサイズのペットボトルが収納可能。フタがないため信号待ちなどのシーンで気軽に水分を補給できることだろう。ノア・セレンが注目したのが、その反対側にある給油口の位置。高い位置にあるため、無理な体勢とならないことで腰を痛めることがない。なおかつ給油口の下に障害物がないから、セルフで給油する時にノズルを一度上に向けられることに着目している。日頃から気軽に乗るスクーターだけに、日常的な使い勝手の良さはとても大事なポイント。その点、Xフォースは非常に良く考えられた設計といえそうだ。

フルフェイスヘルメットが入るシート下スペース。

シート下スペースはマジェスティSより明らかに使い勝手が良いポイント。というのもXフォースはリヤサスペンションにツインショックを採用したため、中央に突起がなく左右対称のスペースになっているからだ。容量的には23.2リッターを確保してあり、上下逆にすればフルフェイスヘルメットを収納することが可能。さらに余裕があるため、ETCユニットを置けるだけのスペースとなっている。面白いのはシートの裏側で、4カ所ほどツメが装備されているのでネットなどを使う際に活躍してくれそうだ。

視認性の高いデジタルメーター。

5.1インチのワイド液晶を採用するデジタルメーターは視認性が高く、速度表示の数字が縦に潰れたような印象でノア・セレン曰く「可愛いデザイン」とのこと。速度計の右にはトラクションコントロールのオンオフ表示があるので、乗り方によって切り替えて使いたい。またABSランプが点灯しているように、前後輪に独立して作用するABSが標準装備されている。安全かつ安心してライディングできるマシンでもあるのだ。

マジェスティSのようにスポーティな走りもこなせる。

実際に走らせると、共通のエンジンを搭載するNMAXのような上質さが際立っている。トルクフルな出力特性のため、高回転域を多用するマジェスティSなどに比べてジェントルな印象なのだ。そのエンジンにはVVA(可変バルブ機構)やSMG(スマートモータージェネレーター)が採用されている。VVAが作動するのは6000回転前後の領域からだが、明確に出力特性が変わるわけではなく自然な印象で高回転域のパワーに貢献している。だからといって大人しいエンジンではない。しっかりと鼓動感ある排気音や力強さを感じさせてくれるが、ライダーのお尻へ振動となって伝わることがない。これが相まって上質なマシンであると感じさせてくれるのだ。

NMAXと同じ155ccエンジンはVVAやSMGを採用。
40万円を切る新車価格。

動画ではバーハンドルを採用したことでスマホホルダーが使いやすい、樽型グリップが可愛らしいなどと続く。最後にもう一つノア・セレンが注目したポイントとして、タンデムバーの下にネジ穴が用意されていることに触れている。普通には見えない位置とすることでキャリアやボックスステーを固定しやすくしているのだ。あえて見えない位置にするのがヤマハらしくと評価している。注目のXフォース、新車価格は39万6000円(税込)で40万円を切る設定。マジェスティSより1万6500円ほど高くなったわけだが、マジェスティSに負けないくらいにスポーティな乗り味でありつつNMAXのような上質さも備えている。2台の良いとこ取りであり、お買い得感ある新型モデルといえそうだ。

ヤマハXフォースか、それともホンダPCX160か。細部を見比べながら、じっくりと試乗してみた。

2022年6月、ヤマハからリリースされた軽二輪スクーターのXフォース ABS。155ccの新世代ブルーコアエンジンは可変バルブ機構VVAを採用し、これを原付二種のシグナス グリファスをベースとした鋼管フレームに搭載する。この新顔であるXフォースを、軽二輪スクーター界でトップの販売台数を誇るホンダ・PCX160と対決させてみた。果たして結果やいかに。 REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

https://motor-fan.jp/bikes/article/53435/

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