ZR-V、どんなクルマか?

2023 Honda ZR-V(北米モデルEX-L)
2023 Honda ZR-V(北米モデルEX-L)

まず、ZR-Vとはどんなクルマか? ホンダのSUVは小さい方から
ヴェゼル(欧州名 HR-V)
CR-V
PASSPORT
(北米向け)
PILOT(北米向け)
そしてアキュラブランドで
MDX
RDX

が存在する。
新登場するZR-Vは、ヴェゼルとCR-Vの間を埋めるSUVとなる。ちなみに、日本、中国ではZR-V、北米ではHR-Vを名乗ることになる。

新型ホンダ「HR-V」が米国で登場! 若い世代に向けたアクティブなスタイル。日本では「ZR-V」としてe:HEVモデルが年内発売予定!

米国ホンダより、新型「HR-V」の詳細が発表された。より若い世代層に向けたアクティブな装備を多く搭載し、クリーンでスタイリッシュなスタイルを実現。グレードは「LX」、「EX-L」、「Sport」の3タイプが用意され、「EX-L」モデルがより高級志向のモデルになっている。日本市場へも「ZR-V」としてe:HEVモデルが年内の発売が予定されている。

https://motor-fan.jp/mf/article/61690/

まずは外観を見てみよう。

ボディサイズはヴェゼル、CR-Vと比べるとどうなる?

ボディサイズは、「ヴェゼルとCR-Vの間」ということになる。細かく見ていこう。

上がヴェゼル、下がZR-V

VEZEL
全長×全幅×全高:4330mm×1790mm×1590mm
ホイールベール:2610mm
ZR-V
全長×全幅×全高:4567mm×1839mm×1620mm
ホイールベール:2654mm

ZR-Vは北米仕様のサイズ(inch表示)をmmに換算したものだ。ヴェゼルは日本仕様のサイズだ。ホイールベースで44mm、全長で237mm、ZR-Vの方が長い。一回り、というよりは一回り半ほど大きい。ボディサイドの比較でもわかるように、デザインテイストも大きく異なる。また、ヴェゼルはフィットベースだが、ZR-Vはシビックベースとなる。リヤサスペンションの形式はヴェゼルがTBA(トーションビームアクスル)なのに対して、ZR-Vはマルチリンクとなる。

シビック・ベースのホンダ北米HR-V 日本のヴェゼルとデザインはこんなに違う!

北米ホンダは、2代目HR-Vを発表した。発売は今夏の予定だ。初代北米のHR-Vは、日本のヴェゼルとほぼ同じモデルだったが、2代目のデザインは、ヴェゼルから大きく路線を変えている。それもそのはず、北米新型HR-Vは、ベースをフィットからシビックへと変更しているのだ。

https://motor-fan.jp/mf/article/49564/
上がヴェゼル、中がZR-V、下がCR-V

今度はCR-Vとの比較だ。
CR-V
全長×全幅×全高:4605mm×1855mm×1680mm
ホイールベール:2660mm

CR-Vと比べるとZR-Vは全長は38mm短くホイールベースで6mm短い。数字で見るとわかるように、じつはCR-VとZR-Vのサイズはさほど変わらない。これまた「一回り小さい」というより「半回り小さい」くらいだ。それでもZR-Vの方がコンパクトに見えるのは、ホイールベースが長くリヤオーバーハングが短いこと、そしてCピラーが少しZR-Vの方が寝ているからだろう。
Cピラーの角度はヴェゼルに近い。
それにしても、ヴェゼルとZR-VとCR-Vでデザインテイストが違う。シビック、ヴェゼルで共通したデザインテイストだったのだが、ZR-Vはまた少し異質である。

ヴェゼル
CR-V Hybrid
新型ZR-V

ZR-Vはシビックがベースだ。シビックと比べてみよう。

上がシビック、下がZR-V

ホンダ・シビック
全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1415mm
ホイールベース:2735mm
シビックベースだが、ホイールベースは81mmもZR-Vは短い。全長はほぼ同じだから、だいぶプロポーションが違う。また、シビックともデザインテイストが大きく異なることが見てとれる。

では、ZR-Vのライバルとサイズを比べてみよう。

ZR-V
全長×全幅×全高:4567mm×1839mm×1620mm
ホイールベール:2654mm
トヨタ・カローラクロス
全長×全幅×全高:4490mm×1825mm×1620mm
ホイールベール:2640mm
マツダCX-30
全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1540mm
ホイールベール:2655mm
となる。カローラクロスやマツダCX-30よりZR-Vは一回り大きい。
トヨタRAV4
全長×全幅×全高:4600mm×1855mm×1685mm
ホイールベール:2690mm
RAV4と比べると一回り小さい。もしかしたら、ZR-Vが「ベストサイズ」として受け入れられるかもしれない。

パワートレーンは
ヴェゼル:1.5ℓ直4+CVT/1.5ℓ直4+e:HEV
CR-V:1.5ℓ直4ターボ+CVT/2.0ℓ直4+e:HEV

なのに対して、
ZR-V:2.0ℓ直4+CVT(北米仕様)
となっている。日本仕様は当然、シビックe:HEVと同じく2.0ℓ直4+e:HEVが設定されるだろう。

インテリアは?

2023 Honda HR-V Sport

インテリアを見てみよう。
これがZR-Vのインテリアである。これもヴェゼル、CR-Vと比べてみよう。

上がヴェゼルのインテリア、下がZR-V

エクステリアデザインと違ってインテリアはヴェゼルとZR-Zのテイストは共通しているように見える。

上がZR-V、下がCR-V

CR-Vのインテリアは、やはり一世代前のデザインテイストだ。

上がZR-V、下がシビック

ZR-Vはシビックベースだとインテリアからもわかる。シフト周りが違うのは、ZR-Vがコンベのガソリン仕様なのに対して、シビックがe:HEVだからだ。

ホンダはCR-Vの国内販売を終了する方針だ。となると、ヴェゼルとZR-Vという2モデルでラインアップを構成することになる。現行CR-Vは、サイズ(とデザイン?)、価格のバランスでヒットモデルとはいえない状況だ。

ZR-Vのサイズは国内にジャストフィットしそうだ。パワートレーンもシビックと同じe:HEVが載れば競争力は高い。あとは価格設定。うまくはまればヒットしそうな予感がする。早く登場してほしいSUVだ。期待して待とう。