連載

モトチャンプCH.

昔からのバイク乗りであればアジア生産のモデルに対して「安いだけ」「低品質」「遅い」などネガティブな印象を持っている人も多いかもしれない。ところが現在ではホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキといった日本メーカーの新車にアジア生産が多いことでわかるよう、現地での生産技術は飛躍的に高まり品質についても国内モデルと遜色なくレベルにまで向上している。肝心のデザインや性能についても同様で、もはや生産国で品質に差が出るような時代ではない。だからモトチャンプでもアジアンバイク=アジバイと呼び何度もクローズアップしてきた。

カスタム感に溢れるホンダCB190SS。

今回紹介するホンダCB190SSについては中国・五羊ホンダが生産するネイキッドモデルで、そのスタイルを見ただけでカスタム感満点の存在感ある印象だ。写真を見ただけでアジア生産だとわかるようなことはなく、むしろ市販車をカスタムしたのかと勘違いしそうなレベル。とても格好いいと思わないだろうか。

今回も輸入元であるバイク館の新井さんに解説してもらっている。

CB190SSはホンダディーラーで取り扱っているわけではなく、前回紹介した「WINNER-X150」同様にバイク館が独自に輸入・販売をしているモデル。今回の記事もユーチューブで無料配信しているモトチャンプTVの中から「アジアンバイク一気乗りPart3 CB190SS 183ccの驚くパワー、気持ちいい一体感」という動画をダイジェストにまとめたもの。「WINNER-X150」の記事同様に編集長のチャボ、ジャーナリストのケニー佐川に加え、バイク館の新井さんに同席してもらいCB190SSの解説をお願いしている。

CB190SSの装備を確認

エンジンは184cc空冷単気筒SOHCだ。

CB190SSは排気量183ccの空冷単気筒SOHCエンジンを搭載している。最高出力は16.89ps/8000rpmを発生する。すでに国内モデルの中型車で空冷単気筒を採用するのはホンダGB350くらいで、絶滅危惧種でもある。ただ空冷単気筒には他のエンジン形式で味わえないパルス感や自然な吹け上がりなどが楽しめる。

大きめな燃料タンクの容量は余裕の15.3L。
前後ディスクブレーキとスポークホイール仕様。
大型タコメーターがスポーティ。

CB190SSのスタイルで個性的と感じる部分が燃料タンクだろう。上面にチェッカー柄のストライプが貼られ、どこかノスタルジックな雰囲気を備えたタンクで、その容量は15.3L。長距離ツーリングにも不安ないサイズとなっている。また足元のワイヤースポークホイールもクラシカルな雰囲気だが、前後ともにディスクブレーキを装備するのは最新モデルらしいところ。タイヤサイズは前110/70-17、後140/70-17でスポーツモデルらしいサイズと言える。またメーターは指針式タコメーターがメインでデジタル式スピードメーターが脇役といった配置になっている。

ブラウンのシートがカスタム感を演出。
軽い車体と足つき性の良いシートで無理のないライポジ。

標準装備のブラウンシートはタックロール風の柄が施され、ライダーの位置が絞られつつ、タンデム側は安定感あるサイズを備えている。形状が個性的でどこかカスタムバイクのようでもある。ただ、またがると抜群の足付き性で、長身なケニー佐川だと両膝が曲がる余裕っぷり。車両重量が145kgしかないため抜群の足付き性とあいまり、ライダーの体格を選ばない。小柄なライダーや女性にもおすすめできるポイントだ。

タコメーターの側面にUSBポートを装備。
灯火類はフルLED。

大型タコメーターがスポーティだと表現したが、その側面にはカバーに隠されたUSBポートが装備されている。この位置だとハンドル周りに装備することが多いスマホまでの距離が短くて済むため、長いコードが邪魔になることもない。また灯火類はフルLED仕様とされ、上下2分割タイプのヘッドライトはハイビーム時に上下が点灯、ロービーム時に下側だけが点灯する。

ケニー佐川の試乗インプレッション

ウエットコンディションながらケニー佐川がサーキットインプレッション。

今回はコースがヘビーウエットだったためフルバンクさせるような走りはできなかったが、ジャーナリストのケニー佐川が全開で試乗している。まず印象的なのが自然なライポジを得られるハンドル形状で、運転中のケニー佐川を見ても姿勢のどこにも無理がないとお分かりいただけるだろう。無理のないライポジは自由度が高く疲労も少ないため、思うように体重移動ができるはず。試乗を終えたケニー佐川は前後17インチタイヤを装備しているが、キャスターのためか古い18インチタイヤのモデルに近い操作性だとアピール。ヒラヒラと旋回するというより、ライダーの入力によりバイクが曲がっていく印象なのだ。これは昭和の時代からバイクに乗る世代だと嬉しく感じるところかもしれない。

空冷単気筒らしいパルス感のあるサウンドを奏でる。

車体だけでなくエンジンからも昔ながらのイメージが感じられた。空冷単気筒ならではの柔らかなパルス感が伝わってくるのだ。水冷エンジンの硬質さとはまるで異なる味わいでライダーを包み込むような良さがある。またカスタムパーツのような質感・デザインのマフラーからは元気なサウンドが飛び出し「ザ・シングル」と表現するのがピッタリ。編集長のチャボはアクセルを開けていくと軽量な車体とももに回転が伸びていくのが好印象だと語る。端的には「ビギナーでも扱えるパワーだが、ベテランが乗っても刺激的」なエンジンというところ。

お値段は? どこで買えるの?

カラーは全4色から選べる。

スタイルだけでなく乗っても楽しめるCB190SS。250ccクラスの国産車が値上がり傾向であることに対し、CB190SSの新車価格は40万9000円(税込)と破格の安さ。これはホンダディーラーではなくバイク館が独自に輸入販売することでできた設定なのだ。バイク館は全国に62店舗を構えるため、最寄りの店舗を検索すればきっと近くに見つけられることだろう。またWINNER-X150でも紹介したように、62店舗のどこで買ってもエンジン・フレーム・電気関係の2年間走行距離無制限補償が受けられる。さらにツーリング中にトラブルが発生しても、最寄りのバイク館でサポートが受けられる。全店舗ではないものの、一部店舗では試乗車も用意されているので、買う前に乗りたいなら、こちらも検索してみてほしい。

184ccってちょうどいい排気量。ツーリングに最適な軽二輪クロスオーバー、ホンダ・CB200X試乗記

2021年8月にホンダインディアが発表したクロスオーバーモデル・CB200X。これを輸入販売しているバイク館のメディア向け試乗会で短時間ながらテストすることができた。2020年末に発表されたネイキッドモデル・ホーネット2.0の派生車で、エンジンは中国の五羊ホンダが生産しているCB190Xの184.4cc空冷SOHC2バルブ単気筒と同系だ。NC750Xや400Xに通じる都会的なスタイリングのCB200X、これは期待しかない! REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) 取材協力●バイク館イエローハット、三共自動車教習所

https://motor-fan.jp/bikes/article/63473/

連載 モトチャンプCH.

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