



後席が広いフォレスターと荷室が広いCX-60
ボディサイズはCX-60の方が全長と全幅が大きいが、後席空間は頭上空間、膝周り空間ともにフォレスターの方がわずかに広く確保されている。
荷室寸法はフォレスターが長さ928mm×幅1100×高さ887mmであるのに対し、CX-60は長さ約975mm×幅1130mm×高さ約817mmとわずかに広く、ボディサイズの違いが荷室面積に強く反映されている。後席を畳んだ際の最大荷室床面長はフォレスターが1790mmでCX-60が1600mmだ。
どちらも前席を前へスライドさせれば1900mmほどの荷室長が確保できるため車中泊にも難なく使えるだろう。後席用のエアコン吹き出し口と、荷室から後席を倒せるスイッチは両車に備わっているため、快適性や利便性もおおむね同等と言えそうだ。
スバル フォレスター SPORT
ボディサイズ=全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1640kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)
マツダ CX-60 25S Sパッケージ
ボディサイズ=全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm
ホイールベース=2870mm
車両重量=1690kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
フォレスターの1.8Lターボはスポーティ!CX-60のガソリンモデルは実用重視


新型フォレスターに搭載される1.8Lターボエンジンは先代からのキャリーオーバーとなるが、車体の遮音や静粛性の向上により先代よりも上質な乗り味を示す。
発進の転がり出しはハイブリッドモデルの「S.HEV」に劣るものの、過給圧がかかりはじめれば300Nmの大トルクでストレスのない伸びやかな加速性能を発揮することから「SPORT」グレードはもっともフォレスターらしいグレードと言えるだろう。
CX-60に搭載されるガソリンエンジンは、フォレスターのターボエンジンにはスペックでこそ劣るものの、排気量が大きな自然吸気エンジンであるため、転がりだしから高回転まで安定した動力性能を発揮する。
またCX-60のガソリンモデルは、6気筒ディーゼルモデルと比べて100kg以上軽量でありクルマの鼻先も非常に軽い。ただしハンドリング自体はスポーティな雰囲気ではなく、あくまで短距離移動に適さないディーゼルモデルをカバーするためのグレードと言えそうだ。
WLTCモード平均燃費はフォレスターが13.6km/L(SPORT)であるのに対し、CX-60(25S)はFRとなる2WDが14.1km/Lで、4WDモデルは13.0km/Lだ。なお、フォレスターのターボエンジンはレギュラーガソリン仕様となる。ターボと自然吸気の特性の違いにより速度域に応じた燃費差は生じるが、ほとんど無視できるほどの違いでしかない。
スバル フォレスター SPORT
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1795cc
最高出力=177ps/5200-5600rpm
最大トルク=300Nm/1600-3600rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=4WD
マツダ CX-60 25S Sパッケージ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=2488cc
最高出力=188ps/6000rpm
最大トルク=250Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=2WD(FR)
質の高い走りを求めるならフォレスターのガソリンモデルが最適


フォレスターの最廉価グレード「SPORT」の価格404万8000円。それに対してCX-60「25S Sパッケージ」の方が圧倒的に安く、2WDが326万7000円で4WDを選んでも349万2500円だ。ただしCX-60のSパッケージグレードは、ハンズフリーバックドアやシートヒーター&ステアリングヒーターなどの快適装備が削られている。
新型フォレスターの価格は高いが、最廉価グレードでも装備は充実しておりコストパフォーマンスは決して悪くない。CX-60は、ひとつ上のグレードとなるLパッケージを選べばフォレスターとおおむね同等の装備となる。しかし価格も横並びとなるため選ぶメリットが薄れてしまう点は留意したい。
日常で気軽に使えるミドルサイズSUVが欲しいなら、ターボでもディーゼルでもないCX-60のガソリンモデルが向くだろう。フォレスターのガソリンモデルは、先代までと同様に高い利便性と水平対向エンジン&シンメトリカルAWDによる質の高い走りを求めるユーザーに最適だ。
車両本体価格
スバル フォレスター SPORT:404万8000円
マツダ CX-60 25S Sパッケージ:326万7000円