ボディサイズに対して広い後席のカローラクロス!それより広いティグアン

両車のボディサイズはほぼ同じであり、後席の居住性も近いものとなる。厳密には全長で100mm、全高で55mmほどティグアンの方が大柄で、後席空間もそれに応じてティグアンの方が広い。

5名乗車時の荷室空間はカローラクロスの445Lに対してティグアンが652Lと広く、背もたれを畳んだ状態でも951Lと1650Lと大きな差がある。荷室容量に大きな差があるのは、格納した後席背もたれと荷室床面との間に大きな段差ができるカローラクロスの荷室形状によるものだろう。

カローラクロスの荷室の段差は「ラゲージアクティブボックス」オプションを装着すれば解消可能だ。対するティグアンは標準でラゲージボードが2段可変式となっており、後席を格納するだけでフラットに近い荷室となる。

荷室スペースはどちらも十分であり一般的な使用環境であれば困ることはないはずだ。ただし、ティグアンは荷室側から後席背もたれを倒せるスイッチが備わる点でカローラクロスに対して一歩リードしている。

トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4455mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1400kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)

フォルクスワーゲン ティグアン eTSI Active
ボディサイズ=全長4545mm×全幅1840mm×全高1655mm
ホイールベース=2680mm
車両重量=1600kg
タイヤサイズ=215/65R17

新型カローラクロスは燃費性能に優れた1.8Lハイブリッドに1本化

カローラクロスはマイナーチェンジで2.0Lガソリンモデルが消滅し、1.8Lのハイブリッドモデルのみのラインナップとなった。エンジンおよびモータースペックに変更はなく、引き続き最高出力98psのエンジンと95ps/185Nmのモーターを状況に応じて使い分けて効率良く走る。

対するティグアンの「eTSI」は、250Nmの大トルクを1500rpmから発揮する1.5Lの直列4気筒ターボエンジンに、最大トルク56Nmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド(MHEV)だ。

両車のWLTCモード平均燃費はカローラクロスが26.4km/L(Zグレード)、ティグアンは15.6km/L(eTSI Active)となる。

絶対的な燃費性能ではカローラクロスに劣るものの、ティグアンは低負荷走行時に気筒休止やエンジンコースティング走行を多用することで優れた高速燃費をマークしている。デュアルクラッチトランスミッション(DCT)で起こりがちな発進時のギクシャクした挙動も、モーターアシストが緩和してくれるため街乗りや渋滞路でも不満は出ないだろう。

新型カローラクロスは、E-Fourモデルに「SNOW EXTRAモード」が追加されたことも大きなトピックだ。これまでは必要な時にのみリアモーターが駆動していたのに対し、「SNOW EXTRAモード」選択中は常に後輪も駆動するように制御され雪道などでの安定性を引き上げるのに一役買う。

ティグアンにもフルタイム4WDモデルがラインナップするが、2.0Lディーゼルとの組み合わせのみとなっており、価格は「eTSI」より約80万円も高額だ。

トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1797cc
最高出力=98ps/5200rpm
最大トルク=142Nm/3600rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

フォルクスワーゲン ティグアン eTSI Active
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=150ps/5000-6000rpm
最大トルク=250Nm/1500-3500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=2WD(FF)

カローラクロスにもっとも近いSUVはディグアン!高い価格だけが難点

カローラクロスの最上級グレードとなる「ハイブリッドZ」の価格は343万円だ。対するティグアンは、最廉価グレードの「eTSI Active」を選んでもカロークロスより遥かに高額な487万1000円となる。

手頃なボディサイズで比較的安価なカローラクロスと競合する車種はB/C/Dセグメント内に多く存在するが、同程度のボディサイズで同等の後席空間を持つクルマは多くない。ティグアンは高価であるものの、カローラクロスとディメンションがよく似た数少ないクルマとなる。

しかもティグアンは、最廉価グレードを選んでも快適装備はカローラクロスと同等であるうえ、2段ラゲージボードや荷室にAC100Vコンセントなど日本車のような装備や配慮が各所に見られる。加えて、先代よりシェイプアップされた優美なスタイリングと上質なインテリアもティグアンの魅力だ。

カローラクロスの適度なボディサイズや高い使い勝手を維持したまま、もう少しだけ広い後席と上質感が欲しいならティグアンが最有力候補となるだろう。

車両本体価格