ホースを10本積載した状態でも隊員の負荷を軽減して
迅速に火災現場まで移動可能

ホースカーとは、消防車から火災現場までホースを延長・運搬するための資機材。消火用ホースは1本約8kg。ホースが多くなれば重量も重く運搬が困難になる。手引きホースカーにアシスト機能を追加することで、ホースを10本積載した状態でも、隊員の負荷を軽減し迅速に火災現場まで移動が可能となる。

「クロスクイッカー」の最大のポイントであるハンドルを曳くだけのアシスト機構は、電動アシスト自転車「PAS」の技術を応用。曳く力と速度をコントローラーが検知し、状況に合わせた最適なアシストが行われる。また曳くだけで操作ができるため、誰でも直観的に操縦が可能だ。

富士市消防本部中央消防署大渕分署への納入時、実施に隊員の方に操縦していただいた際も、「容易に操作ができる」「坂道を走行しても軽い」「坂道も一人で登れる」など、アシストの力を実感したとの声があがった。

富士市消防本部はこのようにコメントしている。
「富士市消防本部では、今後隊員の高齢化が見込まれます。山間部が多い地域でもあるため電動アシストホースカーは今後の活動に必須になると思い導入をしました。女性隊員(現在10名が在籍)の活躍も増え、女性の活躍も必要と感じています。また、今回の消防車に積載する資機材はなるべく静岡県内製、地元富士の企業のもので資材選定しており、地元企業を応援する取り組みも行っています」
ヤマハモーターエンジニアリングの消防事業は今年で40周年を迎え、新たに消防ブランド「X(クロス)」を立ち上げた。同社はこれからも、消防隊員の頼れる相棒となる製品作りに取り組んでいく。
