フェアレディZ

昭和44年(1969年)に登場した日産 フェアレディZ(S30型)は、日本のスポーツカーとしてのスタート地点であり、日本車が世界に向けた挑戦状とも言える存在でした。それまで、日本のスポーツカーはどこか小規模で、限定的な市場をターゲットにしていましたが、フェアレディZは違っていました。北米市場を強く意識し、アメリカのスポーツカー文化を正しく理解して開発され、本格派でありながらも広く一般層にアピールするスポーツカーとなったのです。

搭載されたのは、直列6気筒エンジンで、最初は2.0Lと2.4Lのバリエーションを持ち、昭和44年の発売当初から、たちまち人気車種となりました。さらに、ロングノーズ&ショートデッキ、クーペスタイルのボディは、適度なサイズ感と優れた操縦性を備えており、当時としては極上とも言えるドライビングプレジャーを提供しました。

このフェアレディZの、特にアメリカ市場での成功は、その後の日本のスポーツカーの発展の礎となっただけでなく、アメリカ市場における日本車の高評価を定めることになったと言っても過言ではないでしょう。名実ともに、名車としての地位を確立したモデルであり、現代に至るまで日本のスポーツカーのアイコン的存在と言えます。

フェアレディ240Z G