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今日は何の日?

■ハッチバックにモデルチェンジして登場した3代目インプレッサ

2007(平成19)年6月5日、スバル「インプレッサ」が7年ぶりのモデルチェンジで3代目に移行。まず発売されたのは、それまでのスポーツワゴンに代わる5ドアハッチバックだった。世界戦略車としてスポーツワゴンの代りとなったハッチバックを中心に位置付け、セダンは翌2008年10月にデビューした。

スバル3代目インプレッサ
2007年デビューした3代目「インプレッサ・ハッチバック」

レオーネの後継、レガシィの弟分として登場したインプレッサ

初代「インプレッサ・スポーツワゴン」
1992年にデビューした初代「インプレッサ・スポーツワゴン」

インプレッサは、「レオーネ」の後継として、また「レガシィ」よりひと回り小さい弟分として1992年にデビューした。ボディタイプは、サッシュレスの落ち着いた雰囲気の4ドアセダンとコンパクトなラゲッジを持つ5ドアのスポーツワゴンの2種だが、セダンにはトップグレードとして高性能ターボエンジンを搭載したWRXが設定された。

エンジンは、すべて水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L DOHCターボ(EJ20型)を筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の4機種で構成。駆動方式は、MTにはビスカスLSD付センターデフ式4WD、ATにはトルクスリップ式4WDを組み合わせ、1.6Lと1.5Lの下位モデルにはFFも用意された。

初代「インプレッサセダンWRX」
初代「インプレッサセダンWRX」

落ち着いた雰囲気のセダンとスポーツワゴンは女性を含めた若者層から、ターボエンジンを搭載したWRXは走り好きの若者から人気を獲得した。

一方でインプレッサは、さらなるイメージアップのため1993年にインプレッサWRXベースのラリーマシンで世界最高峰のWRCへ挑戦。WRXはすぐに実力を発揮し、WRCで1995年から3年間マニュファクチャラーズタイトルを獲得するという、日本初の偉業を成し遂げ、インプレッサWRXは日本を代表するスポーツモデルへと駆け上がった。

ハッチバックを設定してイメージチェンジを図った3代目インプレッサ

2代目「インプレッサ」
2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ」。前期型の丸目が特徴
2002年の2代目インプレッサのマイナーチェンジバージョン
2002年2代目インプレッサのマイナーチェンジバージョン

2000年、初めてのモデルチェンジで丸目、涙目、鷹目などのフロントマスクが特徴のバリエーション豊かな2代目を経て、2007年6月のこの日に3代目に移行した。

スバル3代目インプレッサ
スバル3代目インプレッサ
スバル3代目インプレッサ
2007年デビューした3代目「インプレッサ・ハッチバック」

3代目は、初代と2代目に設定されていたスポーツワゴンに代わって、まず5ドアハッチバックが投入された。ハッチバックをメインにして、セダンは翌2008年10月に「インプレッサアネシス」を名乗ってデビューした。

3代目「インプレッサアネシス(セダン)」
2008年にデビューした3代目「インプレッサアネシス(セダン)」

ハッチバックのボディは、先代より大きく3ナンバーとなり、ホイールベースが90mm延長されて室内スペースが大幅に拡大された。スタイリングは、フード前端からリアまで流れるようなボディラインとボディサイドに走るエッジのきいたキャラクターライン、短目のリアによってスポーティさをアピール。インテリアについては、シート表皮に手触りが良く、滑りにくいファブリック素材を使用し、乗り心地と快適性も改善された。

3代目「インプレッサ・ハッチバック]のリアビュー
3代目「インプレッサ・ハッチバック]のリアビュー

エンジンは、もちろん水平対向エンジンの最高出力110ps/最大トルク14.7kgmを発揮する1.5L 4気筒DOHC、ラインアップの中心となる140ps/19.0kgmの2.0L 4気筒SOHC、セダンのトップグレードに250ps/34.0kgmの2.0L 4気筒DOHCインタークーラーターボの3機種を設定。 トランスミッションは、スポーツシフト付き電子制御4速ATと5速MTが組み合わされ、駆動方式はFFと4WDが用意された。

3代目インプレッサに搭載された3種エンジン
3代目インプレッサに搭載された3種エンジン。左から、EL15型(1.5L DOHC)、EJ20型(2.0L SOHC NA)、EJ20型(2.0L DOHCターボ)

その他にも、新開発のシャシーやフロントクロスメンバーの断面形状のボックス化などで剛性を上げて優れた操安性を実現。さらに水平対向エンジンの搭載位置を下げることにより低重心化して走行性能がさらに向上した。

3代目「インプレッサ・ハッチバック」のコクピット
3代目「インプレッサ・ハッチバック」のコクピット
3代目「インプレッサ・ハッチバック」のシンメトリカルAWD(水平対向エンジン+4WDシステム)
3代目「インプレッサ・ハッチバック」のシンメトリカルAWD(水平対向エンジン+4WDシステム)

走行性能と居住性が飛躍的に向上して人気を獲得した3代目インプレッサの車両価格は、メインの2.0Lモデルが194.25万円、そのターボモデルが246.75万~259.35万円に設定された。

2007年10月に3代目インプレッサ5ドアハッチバックのWRX STIが追加された(画像左端)
2007年10月に3代目インプレッサ5ドアハッチバックのWRX STIが追加された(画像左端)

その後セダンは国内販売を終え、ハッチバックのみの設定に

インプレッサは、2011年に4代目へ移行。5ドアハッチバックは、「インプレッサスポーツ」、4ドアセダンのインプレッサアネシスは「インプレッサG4」と名乗った。アイサイトを初めて搭載し、さらに2015年にはハイブリッド(e-BOXER)車を投入して人気を獲得した。

2016年には、5代目が登場。「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を初採用して走行性能がさらに向上し、歩行者保護エアバックを標準装備したことがトピックである。セダンG4は、この5代目が最後となり、2022年12月に国内販売を終了した。

2023年にデビューした6代目(現行)「インプレッサ」
2023年にデビューした6代目(現行)「インプレッサ」

そして2023年4月にデビューした現行6代目のハッチバックのインプレッサスポーツは、単独ネーム「インプレッサ」へと名称を変更し、このインプレッサのみの設定となった。現行モデルは、水平対向ガソリン車とハイブリッドe-BOXERで構成され、歴代インプレッサのスポーティさと走行性能、先進の安全装備などを引き継ぎ、根強い人気を獲得している。

初代インプレッサ
初代インプレッサ
2代目インプレッサ
2代目インプレッサ
3代目インプレッサ
3代目インプレッサ
4代目インプレッサ
4代目インプレッサ

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3代目インプレッサはわずか4年の短命モデルだったが、その間にWRC撤退、スポーツワゴンがハッチバックに変更、またインプレッサWRX(4代目以降は、WRXの単独ネームに)や名機EJ20ターボエンジンの採用が3代目で最後となるなど、インプレッサにとって3代目が大きな転換期となった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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