3月22日から24日まで東京ビッグサイトで開催れた第51回東京モーターサイクルショーに出展していたiRCのブースには、ハードエンデューロのレジェンド・高橋博選手のレース車両や、最新のオフロードタイヤが展示され、オフロードに力を入れているiRCらしい展示になっていた。また、バイク付きとして知られる声優・難波祐香さんを迎えたトークショーも3日間連続で開催され、iRCのGP-410を装着した愛車のセローも展示されるなど、オフロードタイヤを中心に、iRCの魅力を発信していた。
そんな中で気になったのは、ブースの一番前に展示してあったオンロードのハイグリップタイヤ。参考出品とされていたiZ-S S99というこのタイヤ、カブ用のタイヤなのだという。カブ用のタイヤなんて珍しくもないというかもしれないが、実は国内メーカーの日本向けタイヤで、スーパーカブ用のオンロード・ハイグリップタイヤは意外と少ない。というのも、スーパーカブシリーズは17インチの80/90、古いタイプのカブは2.25、2.50という細いサイズで、他に採用している車種が少なく、各タイヤメーカーのラインナップも耐久性の高いビジネス用がほとんど。これまではモペッド用にラインナップのある海外メーカーのタイヤを選択する必要があった。クロスカブやハンターカブの登場により人気も高まり、タイヤのラインナップが増えたものの、オフロードよりのタイヤが多く、オンロード用のハイグリップはほとんどなかった。
ただし、東南アジアではアンダーボーンのいわゆる「カブ系」のバイクが多く、タイヤの種類も豊富。カブのカスタムを楽しむユーザーはこうしたタイヤを選択してきたが、手に入れにくいのが難点だった。そんな状態だったカブのタイヤ事情に、嬉しいニュースとなったのが、iZS S99の発売というわけ。レースが盛んなタイで開発されたこのタイヤは、すでにタイ国内では販売が開始されている。スタンダードタイヤでは不満だったカブオーナーやカスタマイズを楽しむユーザーには朗報。2025年の発売が楽しみだ。