ボッシュの最新ARAS|6件に1件の事故を阻止する可能性も! 慣性測定ユニットを統合した「ABSi」を発表【EICMA2024】

2024年11月5日~11月10日にイタリア・ミラノで開催される世界最大のモーターサイクルショー「EICMA(エイクマ)」において、世界最大級の自動車部品サプライヤー「BOSCH(ボッシュ)/ 本社:ドイツ」は、バイク用のブレーキシステム「スタビリティコントロール(MSC)」の次なるステップとして「ABSi」を発表。この新しいシステムは、慣性測定ユニットを統合した独自のABS機構(アンチロックブレーキシステム)。MSCとABSiを組み合わせることで複雑さを軽減。また外部測定ユニットが不要になり、ワイヤーハーネスが削減されるなどの利点を生み出している。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

MSCとABSiの組み合わせで、安全性・利便性・楽しさをUP!

EICMA2023において、小型バイク向けの「モーターサイクルスタビリティコントロール(MSC)」を発表したボッシュ。同社はMSCの採用を促進するための次なるステップとして、EICMA2023で「ABSi」を発表。

この新しいボッシュのシステムは、慣性測定ユニットを統合した独自のABS(アンチロックブレーキシステム)。MSCとABSiを組み合わせることにより、外部測定ユニットが不要になる。また必要なワイヤーハーネスが削減されるなど、複雑さを軽減している。新しいABSiの具体的な機能は下記の通り。

・緊急ブレーキアシスト(EBA) ・アダプティブクルーズコントロール ・ストップアンドゴー(ACC S&G) ・グループライドアシスト(GRA) ・ライディングディスタンスアシスト(RDA)
・後方距離警告(RDW) ・後方衝突警告(RCW)

ドイツの道路だけで6件に1件の事故を防ぐ可能性を秘めた(同社発表)、先進ライダーアシスタンスシステム「ARAS」は、事故のないライディングのビジョンを実現する上で重要な役割あり。

フロント用の新機能として、

・緊急ブレーキアシスト(EBA)
・アダプティブクルーズコントロール
・ストップアンドゴー(ACC S&G)
・グループライドアシスト(GRA)
・ライディングディスタンスアシスト(RDA)

またリア用の新機能として、

・後方距離警告(RDW)
・後方衝突警告(RCW)

を装備。これらの機能を通じ、ライディングの楽しさ高めるとともに、安全性と利便性を向上。なおMSCは2023年に市販車へ導入。ABSiの開発により、ボッシュではさらなるMSCの普及を目指している。

ボッシュの無線アップデートオンデマンド機能

自動車の分野では標準的になりつつある無線アップデートとオンデマンド機能は2024年現在、二輪車でも普及しつつある。ボッシュはこの分野でも、技術の進歩とライディングの楽しさを融合したソリューションの開発・提供を続けている。

ボッシュが開発したソフトウェアソリューションにより、ライダーは車両を購入した後でも新しい機能をインストール可能。サーキットやオフロードでの使用など、特別で高度なライディングモード。またロングツーリングでの便利な機能もオンデマンドで追加OK。

上記はライダーが所有するスマートフォンから簡単に実行可能。新しい機能やアップデートは、車両メーカーのアプリからダウンロードされ、その後、バイクに適用されるしくみだ。    

なお、コネクテッド機能とユーザーエクスペリエンスをスムーズに統合するには、ヒューマンマシンインターフェースが適切に設定され、操作しやすいことが不可欠。ボッシュでは5インチから10.25インチまで、扱いやすく、直射日光下でも優れた可読性を実現するTFTディスプレイを用意している。

 

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