【第25回カフェカブミーティングin青山】新・旧どちらをベースにする? 2台揃ってカスタムされたクロスカブ110が必見!

カブユーザーが毎年楽しみにしてきたカフェカブミーティングin青山。3年ぶりの開催とあって各地から様々なカスタムカブが集まってきたなかには、今大注目のクロスカブが数多く見られた。すでに3世代あるクロスカブのうち、いずれをベースにしてもカスタムが楽しめそう。そこで今回は先代モデルと新型、2台のカスタム例を見てみよう。

REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)

オフロードもしっかり走れるカスタマイズ!

2018年式がベースのクロスカブ110。
ロングシートに合わせたキャリアにボックスが似合う。

まず紹介したいのが旧型になってしまった2018年式のクロスカブ110。もともとオフロード、林道を走る機会が多いという58歳のオーナーが手を加えたマシンで外観からは判別しづらいのだが、実はフロントフォークをZETAのオフロードサスペンションに変更してある。ルックスは純正からそれほど変化しないものの、ストローク量が増えるとともに全長が3cmほどアップする。バネレートも純正より高くなるためダートでの接地性が上がり底付きしづらくなるのだ。実際に林道を走った経験から「オフ車同等とまで行きませんが、楽に走れるようになります」とのこと。

カスタム感を演出するアップタイプのマフラー。
オフロードを走るなら必須のアンダーガード。

外観からはSP武川製のアップマフラーが目を引くけれど、それも林道走行を考慮して選んだものなのだ。また、このマフラーの根元を見ればエキゾーストパイプが貫通するようにしてアンダーガードが装着されている。あつらえたような位置に穴が空いているので専用品かと思えば、そうではない。B&BオフロードからCRF110F用として販売されているスキッドプレートなのだ。製品にはエキゾーストが通る穴は空いていないので加工が必要になるが、参考になる装着例だろう。

リヤサスペンションの変更で乗りやすさを追求。

フロントフォークをZETAのキットに変更しているから、もちろんリヤサスペンションも変更されている。これもクロスカブ用の製品ではなくMDIサスペンションのTLR用だとか。全長や取り付け部の形状から選ばれたそうだが、そのままでは林道を走る程度だと固すぎるのでコイルスプリングだけ柔らかいものに変更して装着している。オーナーは「なんちゃって林道仕様」と語るけれど、なんちゃってではなくしっかり走れる林道仕様になっているようだ。

ツーリング時にあると便利なセンターキャリア。
ポジションの自由度が上がるロングシート。

利便性を考えて通称「ベトキャリ」ことセンターキャリヤを装着。ポジションが変更できるようにロングシートへ変更しつつ、オフ車用のシートカバーをかぶせてグリップ性を向上させている。このシートに合わせたリヤキャリアを選び、ネット通販で買ったボックスを載せている。林道を巡るツーリングが楽しくなりそうな1台に仕上がっているのだ。

出来立てほやほやの新型クロスカブに、レッグシールドを装着!

2022年式で最新のクロスカブ110。
もちろんフロントにディスクブレーキを装備している。

もう1台のクロスカブは今年新型に切り替わったばかりのフロント・ディスクブレーキ装備のモデル。52歳のオーナーは4輪関係のお仕事をされているが、スーパーカブを取り扱い始めたところ自らカブにハマッてしまった。だから新型に切り替わったスーパーカブ110、クロスカブ110には興味津々だったところ、たまたま行ったショップで翌月入荷するとの話を聞きつけ即決してしまったという衝動買いの1台なのだ。この姿を見て?と思われることだろう。カブシリーズながらレッグシールドがないことが特徴のクロスカブなのに、何の違和感もなくレッグシールドが付いている。オーナーは「スーパークロスカブ」と命名されたそうだが、JA59スーパーカブ用のレッグシールドを装着してあるのだ。そのため後付け感がなく調和している。

大型スクリーンで疲労度を軽減。
実はJA59スーパーカブ用レッグシールド。
マルチバーやスマホホルダーを追加したハンドルまわり。

出たばかりの新型車でスタイルを変更するには抵抗があるかもしれないが、純正部品によるカスタムであれば違和感なく仕上がり、かつ戻したければ元のスタイルにいつでも戻せるのが利点だろう。カブシリーズは数多くのバージョンがあるため、流用カスタムが楽しくなるバイクといえる。スタイルで特徴的なのが大型スクリーンで、デイトナ製のRSを選ばれている。スタイルばかりでなくツーリング時に疲労度がまるで違うため、一度使うと元に戻れなくなるサイズだろう。さらにハンドルまわりにはキタコ製マルチバーやスマホホルダーを取り付け、利便性を高めている。それもこれも「走るカブ」だからことのアイテムだ。

シートにカバーをかぶせてイメージと通気性を向上。
サイドに革製バッグを吊り下げた。

装着率が意外と高かったのがSP武川製のシートカバー。カフェカブミーティングin青山が開催されたのは10月のことだが、まだまだ気温が高くなることもある。通気性を確保して快適なライディングが可能になるシートカバーなので、まだまだ外せない季節だということだろう。唯一、バイク用ではないものとして、キャリアのサイドに革製のバッグを取り付けられていた。普段使ってきたバッグが傷んできたと感じるなら、こうしてバイク用にしてしまうのもアリだ。使い続けてきたものなら傷がついても惜しくないし、ファッション性だって高くなる。まさに一石二鳥のアイテムだろう。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…