2022年現在、多くのモデルに普及しつつある「ABS（Antilock Brake System）」。またスポーツ性の高い大型ロードモデルは、「IMU（Inertial Measurement Unit＝慣性計測装置）」が検出した慣性力によって車両状態を推定。旋回時にスリップを抑えるコーナリングABSや、急制動時の後輪リフトを抑えるアンチリフト機構を実現している。
今回、ディスクブレーキキャリパーのブランド「NISSIN（ニッシン）」を展開する日立Astemoは、次世代ABS（Antilock Brake System）となる「AMC1（Astemo Motorcycle 1）」を公開。
AMC1とは、IMUをABSユニットに内蔵することで、車両搭載性とレイアウト性を向上し、ケーブル類の簡素化を実現。これにより低コスト化が可能となり、多くのモデルにABSを適用しやすい環境を築いている。
2022年現在、IMUは多くの大型スポーツモデルに搭載。ABSだけでなく、トラクションコントロール、ウィリーコントロール、電子制御サスペンションなどの制御にも活用中だ。
日立Astemoでは、IMU未搭載のミニバイクやミドルバイク等においても、ABSの高機能化へのニーズが高いと判断。IMU内蔵のABSユニット開発に至った。
内蔵するIMUは、ヨー、ピッチ、ロール3軸の角速度を検出するジャイロセンサーと、前後、左右、上下方向の加速度を検出する3軸加速度センサーで構成される6軸センサーを装備。これは現在の二輪車における最高位品となる。
AMC1はABSユニットにIMUを内蔵しつつ、限りなくコンパクトな外観に設計済み。車両への導入に対し、まったく支障がないのが大きなポイントだ。