製作期間はオドロキの半年!! モンキーミーティングで初お目見え!
taku8さんがスーパーカブC50を手に入れたのは約2年前のこと。手に入れたといっても、あったのはフレームと書類だけだったという。そこで、もともと持っていたスーパーC110のエンジンと組み合わせることでカスタムをスタート。
フレームとエンジンしかないので、せっかくなら大胆なカスタムをしようと思い立ったそうだ。
そうして完成したのが、ここに紹介する1台である。カスタムコンセプトは、そのカラーリングが示す通り、1950年代末から1960年代に世界中のレースを戦ったホンダ・RCシリーズである。
真っ赤な車体と銀のビキニカウルが鮮烈で、カウルの施されたオレンジイエローのラインなど、芸が細かい。また、あえてフルカウルではなく、カブのフレームとエンジンをむき出しにしている点にも注目。モノサス化されたリヤショックが、このマシンが只者ではないことを物語っている。
これだけの大改造が施されているのだ、きっと時間がかかったんだろうと思いきや……カスタム期間は約半年とのこと。ただし、完成した頃はコロナ禍真っ只中でお披露目の機会がなかった。しかしこの春、モンキーミーティングが開催されたことで、「やっと日の目を見せられた」とtaku8さんは笑顔を見せる。
実際にミーティング会場では、このC50は一際注目を集めていた。
その理由はやはり、リヤのモノサスをはじめとした豪奢な足周りにあるだろう。
リヤショックに注目が集まりがちだが、シグナスX用ショックをカウル内側に隠したフロントも見逃せない。さらに太足化された前後ホイールがマシンの存在感をさらに高めている。
ちなみにリヤショックはエイプ用である。
「一応サスストローク等の計算はしています」とtaku8さん。しかし続けて「ディメンションや強度的な問題もありますからね。まぁ、謎も多いバイクなんで、最高速アタックとかはできないです。あくまで見た目重視ですね」と苦笑する。
使い方はもっぱら近所の街乗りだそうだ。
サスペンションとともに気になるのが極太のホイールだろう。前後ともにRCB製汎用リムをチョイスしている。
フロントはそのままでは入らないため、フロントフォークにワイド加工を施した。
リヤはハブのスポーク用の穴を拡大して、角度を変えるなどの大加工を行なったという。しかし、ペイントによって違和感はゼロ。圧巻のリヤビューを生み出している。
しかし、これらはそこまで大変ではなかったとtaku8さんは言う。一番苦労したのはワンオフで製作したアルミタンクだそうだ。
「エンジンはF.I.のC110なので、燃料ポンプは必要なんです。はじめは別体式で、タンクの外につけたんですが、シートに厚みが出てしまうんです。そこでフレームとシートがなるべくツライチになるように、タンク内にポンプを仕込みました」
ちなみに、シートは現在作っている途中だが、今のレーサーっぽい仕様も気に入っているとのこと。「かっこいいので、このままでもいいかな」と思っているそうだ。
他にも、車体を美しく見せるために、ハーネスの処理には苦労したという。
エンジンはC110をストックのまま搭載。フルオーバーホールはしているが、チューニングパーツはあえて入れていない。
それでもベースが50ccなので、十分なパワーアップといえるだろう。ウエットブラストとパウダーコートによって、見た目は美しく仕上げられている。
まだまだブラッシュアップが必要なため、近所を走るくらいだというtaku8さんのC50。しかし、ぜひ足周りのセッティングや強度を詰めて、今後はツーリングなども楽しんでもらいたい。
このバイクでいろんなところを走ったら、絶対楽しそうだから!