スズキ GSX-S125ABSでガス欠するまで延々と走ったその後。 東京・日本橋から京都をめざす東海道ガス欠チャレンジ第6弾![5日目]

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
どないするタカハシ♪ GSX-S125ABSを駆って、東京・日本橋から京都をめざし、徳川家康を追う。満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタック、のびまくり四日市名物とDOHCの謎を解く!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
四日市名物、なが餅を売る笹井屋。【WEBサイト】

ガス欠は昨日もう済ませたので、この先は急ぐこともない。宿でのんびり寝坊して、ふらりと四日市の街に繰り出した。東海道をタンクがカラになるまで走らされたあげく、ご褒美ひとつないんじゃヤル気も失せる。なので、さしもの鬼編集ヒゲ山田モジャオも「ガス欠地点では、うまいもんを(経費で)食っていい」という好条件をつけてくれている。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 なが餅
四日市名物、なが餅 笹井屋の「なが餅」。7本入りで700円とリーズナブルな価格設定、なのに激ウマだ。

今朝タカハシがいただくのは、なが餅 笹井屋のなが餅。1本71kcal、たんぱく質1.2g、脂質0.2g、炭水化物16.2g(いずれも推定値)のスペックを誇り、美味と栄養を兼ね備えたおやつだが、賞味期限はきわめて短い。なので残念ながら、数年間音信不通の友人や、遠洋マグロ漁船の乗組員、南極越冬隊員への土産には適さない。

餅は手に入れたものの、店先で食い散らかすわけにもいかない。せっかくだからそれらしいスポットで食おうと、近くにあった家康ゆかりの思案橋(しあんばし)へと向かった。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 思案橋
これが思案橋。なが餅はみょんみょん伸びて柔らかいのに、粗い舌触りがザラリとうまい。

「思案橋」と呼ばれてはいても、現存するのはリアル橋じゃなく、橋の形をしたモニュメントだ。1582年(天正10)年、大阪・堺で本能寺の変を知った家康は、すぐさま伊賀をこえて四日市まで逃げ延びた。本拠地・浜松に帰るため、海路を行こうか陸路を行こうかとこの橋の上で思案にくれ、けっきょく海路を選んで生還したという。

なが餅を食い終わったら、四日市にもう用はない。さっさと東京に帰ろう。が、東京はざっくり450kmの彼方だ。東海道(国道1号系)で来た道を戻るか、中山道&甲州街道(国道19号、20号系)を信州まわりで帰るか。タカハシも家康なみにこの橋で思案にくれてみたかったが、悩むまでもなく瞬時に答えが出た。
渋滞と交通規制と排ガスにまみれ、のたうち回ってよちよち走る東海道と、ほとんど信号のない爽やかなワインディングが続く中山道など、比較するまでもない。残りの餅をザックに突っ込み、四日市に別れを告げると信濃路へとスロットルを開けた。

驚異の水冷DOHC4バルブ

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
GSX-S125のパワーユニットは、最高出力15PSを10500回転で発生。最大トルク1.1kg・mを8500回転で生み出す。全域で十分なトルクが出るが、とくに9000回転以上ではスロットルレスポンスがカリッとソリッドになり、ガチのスポーツライドが楽しめる。

GSX-S125に搭載された水冷DOHC 4バルブエンジンは、高回転域までスコーンと回る。125クラスにDOHC 4バルブなんて贅沢の極みだが、なかにはかんじんのDOHCだの4バルブだのがわからない人もいるだろう。

4ストロークエンジンには、ガソリンを吸い込む吸気バルブと、排ガスを吐き出す排気バルブが必要だ。このバルブを開け閉めするカムシャフトを1本で済ませるスタンダードタイプがSOHC(OHC)で、吸気用と排気用の2本ついてるゴージャスタイプがDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)。さらに吸排気バルブがそれぞれ2個ずつ計4個ついた4バルブは、超ゴージャスなエンジンということになる。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 DOHC SOHC
DOHCは、なんとなくイイ感じに吸排気バルブの位置とかを設定でき、なんとなくイイ感じに空気が流れ、なんとなくイイ感じにパワーが出るらしい。しらんけど♪

DOHCエンジンは高回転域までよく回り、がっつりパワーが出る。GSX-S125の0→60km/h加速は、タカハシの(脳内)計測で5秒フラットという素晴らしい(脳内)タイムだった。
が、このエンジンの真の素晴らしさは、数値に表れる加速力よりも、加速フィーリングにある。スルッスルのシルキーな加速にヅルンと脳が溶け、もともとただのアホだったヤツが本格的なアホタワケになれるほど気持ちいい高回転域の伸び感。そこにクオーンと粋なエキゾーストノートの演出もつく。クラス最強のシビれる加速感だ。

まとまりのいいブレーキ&足まわり

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ABS付きの油圧式シングルディスクブレーキを装備。ペタルタイプのディスクは、前290mm、後187mmだ。

ブレーキは前後とも油圧式シングルディスクでABSがついている。全力でフロントブレーキ・レバーを握るとABSが作動するが、目立つキックバックはない。リアはABS作動時に軽くタイヤがホップするような挙動をみせるが違和感なく踏み込める。
エンジンの突出ぶりに比べると、足回りにはさほどの突出感がないが、ちょっと攻めるくらいなら腰砕けにならず、きっちり粘って路面をとらえ続けるイイ足だ。しっとりした操縦性もあいまって、誰もが安心して深いリーンアングルへ持ち込める。

足つき性の記事にご用心

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良好な足つき性に貢献するGSX-S125の激薄シート。ぺたんこの見た目からは想像しづらいが、じつは500km近い長距離走行でもライダーに苦痛を感じさせない快適設計だ。

身長165cmのタカハシだと、GSX-S125の足つき性は……なんてことが、よくバイクのインプレ記事に書いてある。が、そんなカス記事に騙されてはいけない。たとえ同じ身長でも、タカハシのように驚異の座高を誇るライダーや、それとは逆に、座高が物足りない哀れなライダーもいるからだ。
これまでも短足の自覚だけはうっすらあったが、今回きっちり冷徹に計測してみると、タカハシの股下高は69cmと判明。そしてこの股下高と日本人の平均股下比率(男性は45%)で算出した標準的な身長、つまりタカハシの「実効バイク身長」は、たった153cmだった……。

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実効身長153cmのタカハシでも、GSX-S125なら足先だけはしっかり着く。日本人成人女性の平均身長は、どの年代でもおおむね156cm以上だから、大半の日本人男女の足がちゃんと届くことになる。

昨今のネットでは、超きれいなモデルとか、超むかつくイケメンとかが、わざとらしくナイスなスタイルをひけらかし、「身長170cmのライダーなら余裕の足つき♪」などと自慢げにバイクにまたがったクソかっこいいクソ写真をクソ載せ散らかしているが、もしあなたの身長が同じだったとしても、脚の長さは(たぶん)クソ違う。いわば彼らは悪質な股下詐欺師たちだ。なにしろ日本人女性ファッションモデルの平均股下比率は驚異の50%にもおよぶのである!(←マジ)

もしほんとうにバイクの足つき性を知りたいなら、かっこいいライダーの写真に目を奪われるのはキッパリやめ、ぐっと脚が短く、かつ正直に股下申告をしているAFOタカハシの写真だけを見て、その記事だけを信じよう。そもそも人間は、上ばかり見ず、下を見て生きるほうが幸せであり、その無欲こそが天下泰平を成し得る尊い心なのじゃ。(By 徳川家康)(←嘘)

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 地図
■東海道ガス欠チャレンジMAP/スズキ GSX125ABS

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AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…