ホンダCT125ハンターカブでガス欠するまで走る! スマホナビが熱暴走で困惑!|東海道ガス欠チャレンジ2日目

ホンダCT125ハンターカブでガス欠するまで走る! 道中、スマホが熱でやられる!|東海道ガス欠チャレンジ! [Part03]

ワイルドかわいいルックスと本気で走れる高性能、どこにでも行けるタフネスぶりで話題沸騰のホンダCT125ハンターカブ。何をやってもヘタレなAFO RIDERタカハシが満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタックに挑戦! 雨と猛暑の駿河路をゆく!!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)

[Day 2] 箱根を越えて

HONDA CT125 ハンターカブ  AFORIDER 東海道
雲間から陽光が差す大磯の松並木。この日の天気は猫の目のようにくるくる変わった。

平塚を走り出したとき分厚い雲に覆われていた空は、大磯で青空に変わった。松並木を抜け、箱根の峠道に取りつく。まともなライディングウエアを持ってないので、とりあえず長袖ならいいだろうと、ぺらんぺらんのユニクロ的ダンガリーシャツを着てきたが、夏とはいっても朝の箱根は肌寒い。

HONDA CT125 ハンターカブ
箱根ジオパークのパーキング。雨と強い日差しが繰り返す。
HONDA CT125 ハンターカブ 
オドメーターは5270km、ちょっとガソリンが減ったようだ。

箱根に入ると、一度は晴れた空がまたメソメソぐずり出し、箱根ジオパーク駐車場で雨宿りすることに。気づくとフューエルメーターの目盛りが2つ減り、4つになっていた。日本橋からの走行105km地点のことだ。

HONDA CT125 ハンターカブ
箱根をのぼり芦ノ湖へ。雨あがりの路面に木漏れ日があふれる。

芦ノ湖めざして国道1号をさらに西へ。国道1号最高地点ではフューエルメーターの目盛りはさらに減り、残り3つになった。

国道1号最高地点。標高874m、たいした高さじゃないが、それでも平地よりは寒い。
HONDA CT125 ハンターカブ
フューエルメーターの残り目盛りは3つに。日本橋からの走行118km。

峠に強いCT125ハンターカブは、雨上がりの箱根をパワフルに駆け上がる。さすがにエンジンはやや回しぎみだが、中低速トルクたっぷりだからブン回す必要はない。きつい上りのあとには必ず同じ標高差の下りがあることを思えば、多少のアップダウン程度なら、いちいち燃費を気にすることもなさそうだ。

HONDA CT125 ハンターカブ AFORIDER 東海道
これまで軽く100万回は見たことあるのに、一度も乗ったことのない芦ノ湖の遊覧船。念のため近くまで行って、通算100万1回めの鑑賞を楽しんだ。

幽霊船ぽい遊覧船がぷかぷか浮かぶ芦ノ湖に到着。湖畔のコンビニで買ったエナジーバーを缶コーヒーで流し込んで昼食をすませた。これなら食事なんてものはほぼ瞬時に済む。ツーリングライダーに限らず、なんらかの追手から逃走中の人、またはなんらかの敵と交戦中の人にも便利な時短テクなので、諸賢の中に犯罪者や軍人がいたら覚えておくといいだろう。

HONDA CT125 ハンターカブ 
CT125ハンターカブの大型キャリアはランチテーブルとして使える……とはカタログには書いてないが、事実としてちゃんと使える。それどころか家庭用食卓としても使える……とまで言いきる勇気はちょっとない。

芦ノ湖から国道1号をさらに西へ。三島スカイウォークあたりでオドメーターは5300km、フューエルメーターは残り3目盛りになった。ガソリンの減りが早くなった気がするが、それが山坂道のせいなのか、ただのメーター表示の癖なのかよくわからない。

バイパスの迷路へ

HONDA CT125 ハンターカブ  AFORIDER 東海道
国道1号わきの農道でダートラン。こんな路面でスタンディングしても意味ないが、バイクメディアは好んでこんな意味ない写真を使う。タカハシもマネしてやってみた。※障害物回避のため一時的に右側走行中。ダートでもキープレフトが原則なので念のため

静岡県富士市では、国道1号をわずかにはずれ、ちょっと寄り道。しばらくダートで遊ぶことに。ここらは古くから富士の見どころ「望嶽の地」として知られるが、晴れていたのに、なぜか富士だけに厚い雲がかかり、山頂を拝むことはできなかった。

AFORIDER 東海道
駿河湾の懐ふかく太平洋の波に洗われる蒲原海岸。バイパスを走りながら爽快な夏空とオーシャンビューが楽しめる。
AFORIDER 東海道
静岡県下の国道1号には多くのバイパスが絡みついている。唐突に現れる125cc通行不可の自動車専用道は、原付系ライダーにとってブービートラップまがいの危険な罠だ。

「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」などと東海道の難所をうたったのは昔の話。原付&原二ライダーにとって、東海道最大の難所は国道1号周辺に張りめぐらされたバイパス群だ。
静岡県下の国道1号バイパスは、部分的に125cc以下通行禁止になっていて、うっかり進入すると、とんだ懲罰をくらう。しかも走れるかどうかは分岐直前に現れる標識を見るまでわからず、したくもない違反をさせられるケースもある。
バイパスを管理する静岡国道事務所は、いずれ改善すると言ってるが、いずれなんてケチなことはいわず、明日とか1時間後とか、なんなら今すぐこの瞬間からでも、スカッと全線通れるようにして、一刻も早く安全・円滑な交通の確保につとめてもらいたい。

HONDA CT125 ハンターカブ
日本橋からの走行距離192km地点、フューエルメーターは残り2目盛りに。

静清バイパスにも125ccでは通れない区間があり、いやおうなしに静岡市街に降ろされた。フューエルメーターは、そこで早くも残り1目盛りに。これじゃもうガス欠するなとビビりながら走っていたが、いつの間にか持ち直し、気づくと残り2目盛りに戻っていた。メーターの表示は車体の姿勢によってずいぶん揺れ動くようだ。

静岡市葵区まで走ったところで目盛りは再び残り1つに。さらに静岡市を西に抜ける頃、ピコピコ点滅、いよいよガス欠警告が始まった。日本橋からの走行距離211km地点のことだ。

駿河路は猛暑と雨

真夏の日差しは焼け付くばかり、猛暑で頭がくらくらする。それだけなら我慢するが、スマホの画面が真っ黒に落ち、「高温のためやけどの危険があります。アプリの使用を中止し、充電はやめてください」とかいう恐ろしい表示が現れた。スマホのナビがないと、知らない道は走れない。

イラスト AFORIDER 高橋克也
「AFO関西人スマホを水冷化する」の図♪

手近なハンバーガー屋に飛び込むと、乱暴なのは承知のうえで、チュンチュンに熱くなったスマホに水道水をじゃーじゃーかけて強制冷却。スマホの熱は落ち着いたが、このまま炎天下を走り続ければ、スマホどころかライダーまで危険にさらされる。立て続けにコーラをがぶ飲みし、乗員もきっちり冷却してからまた西へと走り出した。

HONDA CT125 ハンターカブ
AFORIDER 東海道
カンカン照りの直後には土砂降り。大気が不安定だとライダーのご機嫌も不安定になる。

静岡市の西のはずれ、丸子(まりこ)めざして走り出した直後、いきなり空が暗くなると、ばらばらと雨が降り出し、またたく間に視界もけむる本降りに。コンビニの軒先で雨宿りを強いられた。

HONDA CT125 ハンターカブ  東海道
丸子宿の名店、丁子屋(ちょうじや)へ。慶長元年から続く老舗で、広重の絵にも登場する。
東海道 丁子屋 丸子
丸子宿の「まりこ」は古くは「鞠子」と書いた。趣ある店構えも名代の味のうち。

雨上がりを待って走り出し、丸子へ。ここは東海道の宿場のひとつ、丁子屋というとろろ汁を食わせる店があり、江戸時代からの名物になっている。あわよくばそのとろろ汁でメシを済ませようと思っていたが、あいにく定休日だった。

間の宿に雨が降る

丸子からさらに西、旧街道へと分け入ると、宇津ノ谷の集落に行きあたる。東海道には、五十三次として知られる正規の宿場間に、「間の宿(あいのしゅく)」と呼ばれる非正規の宿場っぽい場所があり、旅人の不便をまかなっていた。この集落もその名残だ。

HONDA CT125 ハンターカブ 
AFORIDER 東海道 宇津ノ谷
驟雨に濡れた宇津ノ谷の家並。西への行軍も今日はこれまで。

またも降り出した雨はみるみる強まり、ひなびた家々を暮色に染めてゆく。ここから東海道を西に進めば距離は稼げるが、あいにくこのルート上には、しばらく現代の宿がない。西に進むのはあきらめ、レインコートを着込むと、今夜の安宿を求めて静岡市街へ引き返した。

HONDA CT125 ハンターカブ
日本橋からの走行距離230km、本日走行153km、フューエルメーターはラストワンが点滅中だ。
HONDA CT125 ハンターカブ  
AFORIDER 東海道
汚れた荷を解き、ビジホの部屋へ直行。すでにボロボロのライダーと比べると、CT125ハンターカブはむかつくほど元気だ。
イラストマップ 東海道 東京~静岡
[東海道ガス欠チャレンジ/CT125ハンターカブ/東京~静岡イラストマップ]

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著者プロフィール

AFO RIDER タカハシ 近影

AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…