BMWモトラッドから最新モデルが大量登場!R1300GS、R12nineTなどの実車に触れる。|モーターサイクルショー2024

毎年春に開催されるモーターサイクルショーで、先陣を切るのが大阪。BMWモトラッドは国内未発表モデルをドイツ本国から取り寄せ、触れられる状態で展示していた。ここでは注目のNEWモデルを一気に紹介しよう。

REPORT&PHOTO●川島秀俊

人気アドベンチャーモデルがフルモデルチェンジ!スマートになったR1300GSに敵はナシ!?

アドベンチャーモデル R1300GS

昨年秋に発売されたR1300GSをはじめ、国内初公開の車両も大量に展示。大阪モーターサイクルショー2024では、またがりOKな状態で多くの車両に触れることができた。

アドベンチャーモデルのフラッグシップとして人気のR1250GSが、エンジン&車体を一新してR1300GSへフルモデルチェンジ。装備の充実とともに肥大化したボディを見直し、あらゆる面で軽量化とコンパクト化を実現している。それでも装備は充実しており、新たにライドハイトコントロールを採用することで足着き性を向上。定評のあるフロントサスペンションのテレレバーは懸架方式を見直し、より優れたハンドリングへと進化した。

展示されたのはオフロード性能を高めた「GSスポーツ」というグレード。標準モデルはハンドガードにウインカーが内蔵されるが、損傷しにくい内側に別体式ウインカーが装備される。
「GSスポーツ」は足の長い前後サスペンションを採用し、電子装備のライドハイトコントロールは非搭載。そのぶん車両価格は下がる設定だ。タイヤはメッツラーのブロックパターンを装着する。
定評のある空・水冷ボクサーツインエンジンは1300ccへ排気量を拡大し、145psへパワーアップ。ミッションレイアウトを変更して前後長を小型化し、右側シリンダーのカムチェーンも前方へ移設して左右シリンダーのオフセットをほぼなくした。
アクティブクルーズコントロールやフロントコリジョンワーニング、レーンチェンジワーニング、電動スクリーン、グリップ&シートヒーターなど、ツーリングを快適にこなす装備が満載!

新設計のシャシーを採用したR12nineT 
ネオクラシックの第二章が始まる

空・油冷ボクサーツインエンジンのテイスティな走りが楽しめるRnineTは、ネオクラシックスポーツの大人気車種。発売から10年を迎え、ついにフルモデルチェンジが実施された。展示されたR12nineTは国内初公開とのことで、発売日や価格は未定。エンジン本体は大きく変更せず、シャシーを中心に手が加えられている。気になる内容は乗り心地を重視したもので、リヤサスペンションのリンクを廃してダイレクトかつしなやかなフィーリングを追求。剛性アップというより、エンジンの素性を生かす乗り味へ正常進化したものだ。

ネオクラシックスポーツ R12nineT

展示された「Option719アルミニウム」は、その名の通りブラス加工されたアルミ製タンクが美しいモデル。レッドペイントされたフレームと合わせ、カスタムテイストをアピールできる。

アルミビレットパーツを各部に採用し、ノーマルのままでも美しさが際立つ。純正アクセサリーはもちろん、アフターパーツによるカスタムも盛り上がりそうだ。

伝統の空・油冷ボクサーツインエンジンは1169ccの排気量で109psを発揮。3つのライディングモードから好みのエンジンフィールが選択できるほか、ダイナミック・エンジンブレーキ・コントロール(DBC)によって優れた走行安定性を実現している。

低シート高でカジュアルなR12が新感覚のクルージングへ誘う

日本未発売のNEWモデルであるR12が、参考出品ながら触れられる状態で展示! クルーザータイプに近いポジションのロードスポーツとして、新たな魅力を発信してくれる。エンジンは1169ccの空・油冷ボクサーツインで、同系エンジンのR12nineTよりも低回転寄りにセッティング。アイドリング近辺からトルクフルに加速する特性だ。シート高は754mmと低いおかげで、乗り手を選ばないのが嬉しい。

日本未発売のNEWモデル R12

タイヤサイズはフロント19インチ/リヤ16インチで、まさにクルーザースタイル。空・油冷ボクサーエンジンの鼓動を聴きながら、リラックスしたツーリングが楽しめそうだ。
後方から見ると、ロードスポーツ的なスタイルに見えるという不思議なデザイン。カスタム次第では、とびきりの個性を発揮できるかもしれない。

オフロード性能を強化した完全新設計のF900GS

GSシリーズのDNAを受け継ぐモデルとして、オフロード性能を重視した完全新設計のF900GSが誕生! 車重はわずか224kgで、894cc水冷並列2気筒DOHCエンジンは105psものパワーを発揮する。ライディングポジションもオフロードライディングに最適化した設計で、ライダーに合わせたペダルの調整機構も装備。あらゆる路面を走破できる刺激的なニューカマーだ。注目の発売日は3月22日と発表されている。

F900GS

従来のF800GSからフルモデルチェンジとなったF900GS。樹脂製タンクを採用するなど、徹底した軽量化とオフロード性能を重視した設計でGSシリーズ随一の走破性を獲得する。
スリムに設計されたリヤセクションは、軽量化を重視しつつもトップケースなどの装着が可能。アクラポビッチ製のサイレンサーを標準装備し、軽量化に貢献する。
水冷DOHCツインエンジンは、ドライサンプ方式を採用してコンパクト化を実現。
105ps/8500rpmのパワーだけでなく、ワイドなトルク特性も魅力的だ。最大トルク93Nm/6750rpmとなっている。
小ぶりながら、GSらしいノーズデザインを採用。スクリーンはエンデューロユースに最適化したサイズとなっている。

排気量アップしたF800GSでパワフルな走りを満喫

扱いやすいミドルアドベンチャーのF750GSが、排気量アップしたF800GSとして3月22日に発売される。大阪モーターサイクルショー2024にていち早く公開されたが、ほぼ従来モデルと同じ外観からかあまり目立たず、さり気なくNEWモデルの中に埋もれていた。実際のところ、基本スペックは熟成された完成度だけに、エンジンパワー&トルクのみの向上で必要十分! お手頃価格で購入できるBMWのGSシリーズだけに、アドベンチャーモデルの中では貴重な存在だ。

ミドルアドベンチャー F800GS

外観は従来モデルを踏襲しつつ、エンジンのみ排気量を894ccに拡大してパワーアップ。豊かなトルクで乗りやすいミドルアドベンチャーモデルだ。
BMWらしいスポーティなカラーリングのレーシング・ブルー・メタリック。シート高は815mmで、意外と足着き性は良い。
ドライサンプ方式の水冷DOHCツインエンジンは、上位モデルのF900GSと同系統なのでパフォーマンス的にはお買い得かも。

スーパースポーツの心臓を持つS1000XRがパワー&快適性アップのマイナーチェンジ!

999cc油・水冷の直4エンジンを搭載するS1000XRが、エンジンパワーを170psにアップ! カウル形状も見直して空力性能を高め、スポーツツアラーとしての魅力を向上させた。従来モデルはスポーティで硬めのシートだったが、長距離ツーリングに配慮してシート形状や厚さを改善。乗り心地もソフトになり、グランドツアラーとして格段に進化している。国内発売日や価格は未定。

スポーツツアラー 1000XR

スーパースポーツと同じ999cc直列4気筒エンジンを搭載し、快適ポジションのツアラーながらスポーティな走りが楽しめるS1000XR。アドベンチャーモデルのGSシリーズよりハードなサスセッティングで、オンロードでの楽しさに優れている。
パニアケースやトップケースの装着を考慮しており、スーパースポーツでは不可能な積載能力を発揮。スポーティなグランドツアラーとして独特の存在感を放っている。
エンジン特性は、長距離走行での扱いやすさとスポーツ性を高次元にバランス。
シフトアシストProを搭載し、イージーなシフト操作によって疲労軽減にも貢献する。
シート形状を変更しつつ、厚手のクッション素材で快適性をアップ。
シート高は850mmと、やや高めになる。
LEDヘッドライトと新設計のインテーク・ダクトで、イメージチェンジを果たしたフェイスデザイン。
フェンダー先端のフロントスポイラーはボディ同色にペイントされる。

排気量200cc相当のEVモデルCE02のある未来は、もうすぐソコに!

大阪モーターサイクルショー2024のBMWモトラッドブースで、ひときわ高く展示されていたCE02。まだプロトタイプのEVオートマチックモデルだが、ほぼこの内容で年内リリースを目指している。気になるスペックは、定格出力8psで最高出力は15psと馬力は控えめだが、モーターの特性を生かしたトルクは55Nm/1000rpmと強烈! 最高速度は95km/h、登録は200cc扱いで高速道路に乗れることから、ETC車載器を標準装備している。航続距離は満充電で90km走れ、シティコミューターとしては十分。家庭用100Vで充電でき、ゼロから満充電までは4時間かかるが、つぎ足し充電なら2~3時間が目安という。

CE02

フロント14インチ/リヤ15インチタイヤで安定した走りを実現するCE02。おしゃれなルックス、EVならではの静かな走りで、最先端のモビリティを実感できそうだ。
後輪への駆動伝達は、メンテナンスフリーの歯付きベルトを採用。静かなEVの特性にマッチする選択だ。
登録は200cc相当のAT車なので、AT限定の普通二輪免許で乗れる。満充電での航続距離は90km。
街乗りやショートツーリング用途に限定されるものの、経済的でガソリン給油から解放されるのは魅力的だ。

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