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どうして今、リード125なのか?
原付2種スクーターについては過去に何度も記事にして紹介してきた。ユーチューブで動画を無料配信している「モトチャンプTV」でも同様に、何度も原付2種スクーターは取り上げている。モーターファンBIKESでもダイジェスト版を記事にしているのでご覧になった方も多いのではないだろうか。なのになぜ、今リード125を取り上げるのか。実は過去の記事でも新エンジンを搭載したリード125について「ホンダ・リード125の進化したエンジンを堪能! 2022通勤スクーター試乗Pt.2」として紹介している。
前回の記事に不足があったわけではないのだが、今回はモトチャンプ編集長のチャボが改めて原付2種スクーターから選ぶとしたら何にするか考えた。確かにPCXはスタイル抜群だが自分であえて買うならリード125ではないか?との結論にいたったのだ。するとその意見にジャーナリストのケニー佐川も同意。手頃なサイズと価格、充実した装備、新型4バルブエンジンなどを備えるリード125は、まさにベストバイではないかと意見が交換され、今回の企画に繋がったのだ。
リード125の良い点として真っ先に挙げられるのがステップスルーであること。スクーターらしいスタイルであり、乗降性の高さはピカイチ。気軽に乗れて気軽に停められるから、まさに街中を走るには最適なスタイルだといえる。ただしセンターフレームを備えるPCXなどは非常に高いスポーツ性を備えている。そんな使い方にリード125は敵わないものの、では何を選ぶかと聞かれたら実用性の高いリード125になるのだ。
続いて魅力的なのがエンジン。PCXに先行採用されたeSP+エンジンは水冷単気筒で吸排気バルブを4本備える。燃焼効率が高くなるため、124ccの排気量から11ps/8750rpmの最高出力と1.2kgf・m/5250rpmの最大トルクを発生する。車両重量が116kgでしかない車体には十分すぎる性能であり、WMTCモードでの燃費は1リッター当たり49kmにもなる。さらに言えばエンジンのフィーリングが素晴らしく、音や振動が抑え込まれながら高回転まで気持ちよく回る。
高い実用性と充実装備が魅力的
もちろん実用性の高さも天下一品。リヤに10インチの小径タイヤを採用したことで実現した広いシート下スペースは、実に容量37リッター。ヘルメットが縦に2つ並べて収納できるほどで、チャボも語っているが一人ならキャンプにも行けそうなほどの収納力を備える。日常的な買い物でも不安なく使えることだろう。
装備も充実している。キーレスエントリーやアイドリングストップを採用するほか、スマホの充電などに欠かせないUSBポートを標準装備。さらにポケットにはフタが備わるので中に入れたモノが落下する心配も不要。これ以上何が必要?と言わんばかりの充実ぶりなのだ。
面白いのは給油口の開き方。キー操作すると給油口のフタがパカッと左へスライドするようにして開く。おそらくステップの邪魔にならないよう配慮されているのだろう。こうした部分にも専用感があって親しみを持てるかもしれない。そして価格。現在はキャンディノーブルレッド、パールジャスミンホワイト、ポセイドンブラックメタリックが32万4500円(税込)、マットギャラクシーブラックメタリックが33万円(税込)となっている。30万円台前半でこれだけ装備が充実した125ccスクーターが買えるのだから、やはり魅力的なのだ。
ケニー佐川の試乗インプレッション
魅力あふれるリード125を実際に走らせるとどう感じるのだろう。試乗ライダーはご存知ケニー佐川。自身にとっては学生時代から続くロングセラーモデルであり、馴染み深くもある存在。長い間モデルチェンジを繰り返して生産され続けているため、現行モデルは熟成に熟成を重ねたと言っていい。気になるのはリヤが10インチと小径タイヤを採用していることだが、積載性の良さを考えたら納得の部分。直進性は褒められこそすれ欠点らしいところは見当たらない。まさにザ・スクーターといった乗り味なのだ。
シートとリヤキャリアが計算され尽くした形状をしているため、積載性はここでも見事。それはシートがフラットだということでもある。そのシートは座ると自然に手を伸ばした位置にハンドルがあり、必然的に礼儀正しいライポジになる。これは見晴らしの良さにもつながり、安全運転に貢献してくれる。さらに言えば自然なポジションであるため腰への負担も少ない。ストッパーが後ろにあり寝そべるようなスクーターも過去に存在したが、意外と腰が疲れるもの。その点、リード125はライダーの身体に負担をかけない設計だ。
リヤ10インチタイヤということで小回りの良さは相変わらず。コーナリング中の安定性も良く、10インチタイヤから連想する落ち着きのなさはまるで感じられない。さらに前後連動のコンビブレーキの出来も良好。試乗した結論を一言で表現すれば「125スクーターの王道」。実用性の高さだけでなくスポーティさも感じられ、乗り味には上質感さえ漂う、まさに正統派。エンジンを回して行っても音や振動が気になることもなく、気持ちの良い伸びを感じられる。試乗後にチャボとのやり取りでも「ちょうどいい」を連発。まさに失敗しないスクーター選びといえるだろう。