ホンダ・リード125の進化したエンジンを堪能!2022 通勤スクーター試乗Pt.2【動画・モトチャンプTV】

通勤・通学に使うバイクとしてベストな選択は原付2種スクーター。でも大きく豪華になったPCXやシグナスグリファスは不要だと考えるなら、ホンダ・リード125やヤマハ・アクシスZの2択だろう。前回紹介したヤマハ・アクシスZの試乗記事に続いて、今回は最大のライバルであるホンダ・リード125を紹介しよう。

通勤・通学に使うなら原付2種スクーターが最強なことは、誰しも疑う余地がないことだろう。それも大きく豪華になったホンダPCXやヤマハ・シグナスグリファスなどではなく、ホンダならリード125、ヤマハならアクシスZにとどめを刺す。リードとアクシスZはともに2022年、マイナーチェンジを受けて新しい排出ガス規制に適合した。同時に装備や機能についても若干の変更が加えられている。より魅力的になった2台だから新たな通勤・通学スクーターを考えている人には筆頭候補であることだろう。ではどちらを選ぶべきかのヒントになる情報をお届けしよう。

アクシスZ同様に編集長のチャボ(右)とMCシモがお届けしている。

前回の記事では「2022最新通勤スクーター試乗Pt.1」としてヤマハ・アクシスZの情報をお届けした。この記事はユーチューブで無料配信している「モトチャンプTV」で公開している動画からの抜粋で、新型となったアクシスZがどれだけ魅力的になったのか、気になる新車価格はいくらアップしたのかなどをお届けした。そこで今回は続編となる「2022最新通勤スクーター試乗Pt.2 ホンダ・リード125」を振り返ることで、新しくなったリード125がどれだけ進化したのかを確認してみたい。

新型ホンダ・リード125の特徴

新型はスマートキーを採用した。

新型になったリード125最大の特徴は平成32年排出ガス規制に適合させるため、eSPと呼ばれた環境型エンジンを刷新したことだ。従来から水冷4スト単気筒SOHCだったeSPエンジンだが、今回の新型では従来の2バルブ仕様からSOHCのまま4バルブ仕様となるeSP +へと大きく進化した。この進化により最高出力は11psで変わらないものの、最大トルクが11N・mから12N・mへとアップしている。より環境性能をアップさせるとともにトルクアップまで果たしていることが特筆すべき点だ。さらに新型ではスマートキーを新採用した。これにより利便性という意味で大きな進化を遂げたといえよう。スマートキーを身につけていればマシンの近くに寄るだけでエンジン始動から給油口・シートオープナーまで使える。イグニッションキーよりコスト高な装備だといえるだろう。

前後異径タイヤによりクイックなハンドリングを実現。

リード125としては従来型から変わらなかった点として、フロント12インチ・リヤ10インチの前後異径タイヤを継続して採用していることにも触れておきたい。前輪を12インチとすることで落ち着いた挙動と優れたハンドリングを実現しつつ、通勤や通学時の混雑した状況で威力を発揮するリヤ10インチで小回りの効く旋回性を備えている。動画で実際に駐車場をグルリと旋回させている際は、まさしく通勤・通学スクーターの面目躍如といったところだ。

圧倒的な広さを誇るシート下スペース。
これだけのモノが積載可能だ。

ジェットヘルメットが2個収納可能なアクシスZに比べてシート下スペースはどうだろう。リード125は37リッターの大容量を備えているがジェットヘルメットだとしても2個は無理。だが、B4サイズのバッグが入るほか、ヘルメットホルダーを2つ備えているためアクシスZと比べて圧倒的に不利とはいえない状況だ。通勤・通学スクーターなのだから、ヘルメットは1個入れば十分というユーザーが多いことを受けてのサイズといえそうだ。

フラットなフロアだがアクシスZより狭いかもしれない。

フラットなフロアを採用するのはアクシスZ同様で、リード125の変わらぬ美点。面積を計測したわけではないが、見たところアクシスZより若干幅が狭い印象とMCシモ。ただ、シート下付近のフットエリアはアクシスZより大きくできているため、ポジションの自由度は大きく変わらないことだろう。またレッグ内側の黒いパーツが樹脂そのままではない点が高級感を生み出しているというのがMCシモの意見。

トップケースを使いたい人にうれしいネジ穴加工がされている。

チャボとしてはリヤキャリアにも注目している。キャリアの平らな面には4個の穴が空いているのだ。これはトップケースを固定する際にとても重要なことで、ケースのベースを固定しやすくする装備といえるだろう。キャリア自体は握りやすい形状をしているため、初心者でも安心してタンデムシートに座れそうだ。

ポケット内に最新のUSBタイプCポートを用意。

イグニッションスイッチと反対側にはフロントインナーボックスが装備されている。小物やペットボトルを収納可能だから、シート下を使うほどではない場合に便利な装備だ。また内部にはUSBポートが用意されていることは変わらないが、ポートが最新のタイプCに進化した。USBタイプCはまだまだ普及しているとは言い難いが、最新モデルであり、かつグローバルな視点で考えるならタイプCにすべきだろう。

試乗インプレッション

電子制御式ACGスターターの採用により静かなエンジンスタート!
アイドリングストップから再始動までの動作がスムーズ。

アクシスZ同様に、今回もMCシモがリード125の試乗を担当している。まずエンジンスタートはアクシスZ同様、非常に静か。これはスターターモーターを廃止して発電機(ジェネレーター)にスターター機能を持たせた電子制御式ACGスターターを採用したためだ。モーター音を発することなくエンジンが始動するため、周囲への配慮や時間や場所を問わずにエンジンが掛けられるのはありがたいこと。また新型リード125では変わらずにアイドリングストップ機能を継承しているが、そのマナーが大幅に進化した。停止時からスロットルをわずかに開けるだけで音も振動もなくエンジンはスタートする。再始動のタイミングも絶妙で、ライダーの予想に反した動きをしない点がとても良い評価となっている。

高回転で元気なエンジンはスポーティ感にあふれる。

走り始めると、中〜高回転域でのパワフルさをMCシモは絶賛。最高出力は従来型から変わっていないが、回転フィールやトルク特性によりパワフルさを感じやすくなっているのだ。かといって低速域でモタつくようなことはなく、低回転からしっかりトルクが出ている。スタートからストレスなく速度を乗せていけるうえに高回転域ではスポーティと呼べるほど楽しいエンジンになっているのだ。高回転でスロットルをオンオフした際にはフロントフォークが浮くような感じさえあり、通勤・通学スクーターなのにスポーツ心をくすぐってくれる。ところが燃費性能はWMTCモードでリッターあたり49km/Lを達成しているので、経済性まで両立している。不満点としてはMCシモにとってライポジが合わなかったようだ。身長が162センチあるかないかと自称する小柄な体格だと、ステップボードとシートに合わせるとハンドルが遠くなる。逆にハンドルで合わせると足とお尻のポジションがしっくりこないというのだ。身長170センチ以上なら問題なさそうだと同175センチのチャボが語っているので、小柄な人は実車でライポジを確認してみることをオススメする。

総評

新型リード125の新車価格は32万4500円(税込)から。

動画の最後で新車価格について触れている。新型はカラーリングにより価格が異なり、今回紹介したパールジャスミンホワイトだと32万4500円(税込)と安価。逆にマットテクノシルバーメタリックの場合には33万円(税込)となり、従来型から8800円の価格アップとなる。元々アクシスZより高価な設定だったリード125だが、エンジンが4バルブになったうえスマートキーや電子制御式ACGスターターまで装備して8800円しか上がらなかった。これは大いに評価すべき点だろうし、進行役の二人とも「お買い得でしょう」と納得。価格勝負ならアクシスZだが、上質感やスポーティさで選ぶならリード125だろう。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…