急成長する中国のタイヤブランドTIMSUNから、ミドルクラス用のハイグリップタイヤが発売予定。東京モーターサイクルショー2024で見つけた気になるもの

急速に進化している中国のパーツメーカー。すでに安かろう悪かろうだった過渡期は過ぎ去り、高品質な製品を生み出すメーカーも多くなった。モーターサイクル用タイヤのTIMSUNも製品の品質とともにバリエーションも大幅に増えている注目のメーカーだ。
ミスターティムソンを同じグリーンのKawasaki Ninja400に、最新のハイグリップタイヤを装着して展示。

3月22日から24日まで、東京ビッグサイトにて開催された東京モーターサイクルショー2024に、中国のモーターサイクル・タイヤメーカー「TIMSUN(ティムソン)」が出展。ヤモリをモチーフにした「ミスターティムソン」が大きく掲げたれたブースには、スクーターからミドルクラス用のハイグリップタイヤまで、多くのタイヤが展示された。

独自のコンパウンドにより、グリップ性能とコントロール性能を向上しながら耐久性もアップ。

「中国製」といえば格安だけど粗悪品、などと言われたのは一昔前の話。近年では技術が急速に向上し、粗悪なコピー品を作っていた会社もかなり淘汰されている。スマホやパソコン、電気自動車を見ればその進化がわかるだろう。話をタイヤに戻すと、中国製に限らず、安価な粗悪タイヤには再生ゴムが使われていることが多く、耐久性はもちろん、グリップも非常に低いモノが多い。タイヤにとって最も重要な性能を犠牲にした製品が流通していることも事実だ。TIMSUNはバージンゴムだけを使用し、カーカスやビードなどの構造にもこだわり、現在では40カ国に輸出されているグローバルブランド。DOTなどの欧米の規格に加え、日本のJIS規格の認証も取得して、国産メーカーが純正タイヤとして採用するほどだ。

直線基調の攻めたトレッドパターンもスポーツ車にマッチする。

今回の東京モーターサイクルショーでは、今秋発売予定のプレミアムスポーツバイアスタイヤ「TS750 GECKO(ゲッコー)」を発売に先行して展示。独自開発によるコンパウンドは雨天での安全性や制動性能を極限まで高め、高いグリップ性能とハンドリング性能を発揮。さらに耐久性もプラスしているという。攻めたトレッドデザインもGOOD。適合車種は主にミドルクラスが対象となり、フロントは100/80〜120/70リヤは130/70〜150/70というラインナップになりそう。詳細はHPで確認してほしい。販売価格に関しても、かなりコスパが良いものになりそうだ。

こちらも国内未発売のTS990。ミドルクラスのクルーザー向け。

 TIMSUNタイヤはスクーターや小排気量モデル用のタイヤがメインで、スポーツタイヤも250cc前後のミドルクラス用が中心。カブ用の本格オフロードタイヤや、クラシック用の特殊サイズのタイヤなど、他メーカーにはないラインナップも面白い。まだまだ発展途上ではあるものの、今後も注目のブランドであることは間違いない。

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