排気量250ccの水冷Vツインエンジン。乗り味が気になってしまう存在です。モダン系ボバー、ヒョースン・GV250S-EVO シュプリーム試乗記

2024年3月の東京モーターサイクルショーで初公開され、10月に発売が予定されているネオレトロボバー、ヒョースンの「GV250S-EVO シュプリーム」に一足早く試乗することができた。GV250Sボバーをベースに、フロントフォークを倒立化&フル液晶メーターを導入した上位モデルであり、価格は4万4000円アップに抑えられる。250cc水冷Vツインの乗り味やいかに!

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヒョースンモーター・ジャパン(https://www.saku-corp.jp/hyosung/index.html)

ディテール解説

エンジンは水冷SOHC4バルブ60度V型2気筒。ボア径はGV300Sと同じφ58.0mmで、ストロークを56.0mmから47.0mmに変更して排気量を295.9cc→248.4ccとしている。シリンダーにはMONOブロック(メッキレス高シリコン含有アルミ材)を採用。トランスミッションはGV125Sボバーの5段に対して6段とされる。
エアクリーナーボックスはシリンダーヘッドの右側にあり、工具不要で簡単にカバーが脱着可能だ。なお、シリンダーヘッド左側のケースにはホーンが収められている。
このシュプリームにおける最大のトピックが、φ41mm倒立式フロントフォークの採用だ。特徴的なフェンダーステーにはヒョースンの鋳出し文字がある。フロントキャリパーは対向式4ピストンで、GV125Sボバーの前後連動式に対してABSを選択する。
リヤキャリパーは対向式2ピストン。ブレーキディスク径はフロントがφ270mm、リヤがφ250mmだ。
リヤショックは5段階のプリロード調整が可能だ。フレームはセミダブルクレードルで、シートレールは別体式。スイングアームに使われるパイプは丸断面となっている。
ブラックで統一されたコックピット。メインキーは燃料タンクの左前方にあり、ハンドルロックは別体となっている。
ややフォワード気味に位置するステップ。バンク角は十分以上に確保されている。
フル液晶メーターの採用もシュプリームのトピックだ。アナログ風のタコメーターはバーグラフ式ではなく、針が移動するというユニークなもの。
ダイヤカットを施した表皮が特徴的なシートは、左右のボルト2本を緩めると取り外せる。
シュプリームは全ての灯火類をLED化。バータイプのウインカーはシーケンシャル式だ。
テールランプも形状はそのままにLED化している。

GV250S-EVO Supreme 主要諸元

エンジン形式 水冷4ストローク60°Vツイン
バルブ方式 SOHC 8バルブ
総排気量 248.4cc
ボア×ストローク 58.0mm×47.0mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 18.8kW(25.6ps)/9,500rpm
最大トルク 20.0Nm(2.04kgf.m)/7,000rpm
燃料供給方式 フューエルインジェクション
始動方式 エレクトリックスターター
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.4ℓ
使用燃料 レギュラーガソリン
クラッチ形式 湿式多板
トランスミッション形式 6段リターン
ファイナルドライブ チェーン(520)
1次/2次減速比 2.63/3.71
ギアレシオ 2.46/1.56/1.19/1.00/0.88/0.77
フレーム形式 ダブルクレードル
キャスター/トレール 29°/97mm
サスペンション
 フロント:テレスコピックフォーク(φ41mm倒立フォーク)
 リア:スイングアーム(ツインショック)
ブレーキ
 フロント:φ270mmシングルディスク/対向4POTキャリパー(ABS)
 リア:φ250mmシングルディスク/対向2POTキャリパー(ABS)

タイヤサイズ
 フロント:120/80-16
 リア:150/80-15
全長×全幅×全高 2,080mm×750mm×1,100mm
ホイールベース 1,425mm
最低地上高 175mm
シート高 710mm
車両総重量 172kg
燃料タンク容量 12.5ℓ
乗車定員 2名
カラー マットブラック
メーカー希望小売価格 687,500円(消費税抜625,000円)

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…