引っ越しのトラックに普通の自転車(ママチャリ)やバイクは積載OK?引っ越し業者に聞いてみました

筆者の周辺には就職や進学が決まり「来春からは◯△で新生活!」なんて人もちらほら。読者の中には「引っ越し先に自転車や原付バイクを輸送したいんだけど……」と考えている人もいるはず。引っ越しのトラックには、折り畳みや分解のできない普通の自転車(ママチャリ)や小型の原付バイクは荷物の1つとして積載可能なのか? 引っ越し業者に聞いてみました。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

引っ越しの繁忙期は3月~4月上旬。それ以外の平日は引っ越し料金も下降

引っ越しの繁忙期であり、引っ越し料金がもっとも高いのは、入学、入社、配置転換による人事移動、賃貸物件の更新時など、人が動く3月~4月上旬。この時期は引っ越しの予約が取りづらい上に、需要の増大で値段も跳ね上がるのが特徴だ。

なお繁忙期の3月~4月上旬以外。また土曜・日曜以外の平日は、全般的に引っ越し料金が下がる傾向にある。「引っ越し料金を節約したい」という人は、繁忙期以外の平日に狙いを定めたいところ。

引っ越し料金をさらに節約したい人におすすめなのが、とにかく荷物を減らすこと。段ボール箱の数はもちろん、重たくて大きな荷物を減らすことで、作業員の人数や手間も削減。また運搬するトラックのサイズも小型化でき、コスト削減=見積金額を減らすことができる。

後部に電動昇降式のパワーゲートを装備したトラック。同車は重量のある荷物が大量に発生しがちなファミリー向けの引っ越しに出陣する場合が多い。

基本的に自転車(ママチャリ)はOK。ただし50ccの原付バイクはNG

引っ越しで気になるのが、積載NGとなるモノ。人間(トラックの助手席への乗車)、ペットなどの動物、腐りやすい肉や魚などの生物、ガソリンや灯油などの可燃物、爆発物、遺体や遺骨などは当然ながらNG(これは常識。文字数の都合上、その理由は省く)。

常識・非常識の境界線だと思われるのが、折り畳み式や分解式でない普通の自転車(ママチャリ等)や50ccの原付バイク。いくつかの引っ越し業者に聞いてみたところ……。

サイズに規定のある「単身引越パック」などを除き、基本的に自転車は積載部に余裕があれば、荷物と一緒にトラックへ積み込み可能(チェーン部に養生を行う等、油による他荷物の汚れ防止措置を実施するのが理想的)。

とある引っ越し業者では、折り畳み式や分解式でない自転車は、段ボールのように重ね積みできないため、一番最後(ほぼ満載になった積載部の後端)に立て掛けて積み込み、ロープやタイダウンベルトで固定することが多いという。

なお、50ccの原付を含む、すべてのバイクはトラックへの積み込みがNG。引っ越し業者がNGとした理由は、

・ガソリン、エンジンオイル、ディスクブレーキオイル等の揮発や漏れにより荷台内に汚れや臭いが発生。また引火の恐れがある

・ラダーレール(バイクを荷台に乗せるための簡易ブリッジ)もなく、後部に電動昇降式のパワーゲートを装備していないトラックは、重量のあるバイクを荷台に搭載するのに手間と人手が必要

・多くのトラックはバイクを固定するための専用ツールや専用装備(強固なタイダウンベルトやバイクの固定に耐えうる頑丈なフック等)を導入していないので、コンテナ内で転倒する可能性が高い

・引っ越し用トラックでのバイクの輸送は規定外(現在、バイクの輸送は専門業者に依頼するのが一般的)。従ってもしも転倒して破損した場合、補償外となる

上記の理由から、今回取材した多くの業者が、「50ccの原付を含むバイクの輸送は、破損補償が適用されるバイク専用輸送の利用をお願いしています」と回答。

ただし一部の業者は、「ガソリンやエンジンオイルなど、油種類を使わない小型の電動バイクや電動キックボード。またガソリンやエンジンオイルなどの油種類を完全に抜いた小型バイクの場合、お客様の梱包次第では“荷物扱い”として積載可能となる場合あります」とのこと。このあたりの判断は、各業者によるさじ加減となる模様なので、見積時に相談してみることをおすすめする。

ハンドルを取り外し、ガソリンやエンジンオイルを完全に抜き取り、緩衝材で梱包し、トラック輸送を試みたモンキーバハ。この時の様子は下記ページを参照。

なお、大手の引越し業者の中には“オプション”として、提携しているバイク輸送会社が運搬してくれるケースもあり。この場合、別途バイクの運搬を依頼する手間が省けるのがポイント。

ただしオプションとして引っ越し業者にバイク輸送を依頼する場合、輸送料金にプラスして仲介手数料が発生。そのため、運搬にかかる料金が割高になる傾向があるので要注意。

バイク輸送費をできるだけ抑えたいという場合は、リーズナブルな「ポスト to ポスト(輸送拠点~輸送拠点)」のプランを備えた、バイク輸送専門業者に別途依頼してみるのもおすすめだ。

引っ越しや通販などのバイク輸送は、下記ページにて詳しくレポートしています!

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