朝5時前に出発! Vストロームミーティング2024に250SXオーナーが初参加してみた。|来場者数は1,518名

スズキのスポーツアドベンチャーツアラー“Vストローム”のオーナーズミーティングが、今年も静岡県浜松市にあるスズキ本社で開催された。今年で10回目の開催となるこのイベントに、Vストローム250SXの現オーナーである筆者が日帰りで参加したので、その模様をお届けしよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●大屋雄一(OYA Yuichi)、スズキ二輪

2014年の第1回はスズキ本社の前にあるお客様駐車場にて開催

5機種8バリエーションに進化したVストロームシリーズ。会場では実際にまたがれる車両を展示していた。

今でこそ5機種/8バリエーションをラインナップするVストロームシリーズだが、国内の正規ラインナップに初めて加わったのは2013年1月であり、実はつい最近なのだ。トップバッターは650で、翌2014年6月に兄弟車の1000が続いた。そもそもVストロームは最初に1000が2001年のパリショーでデビュー。2004年に650が登場し、欧州におけるスズキの稼ぎ頭として成長した。しばらく逆輸入車という形で国内に流通していたため、ツーリング先などで見慣れた感はあったが、正規のラインナップに加わったのはほんの10年前なのである。

そして、その10年前からスズキが開催しているのが、Vストロームミーティングだ。記念すべき第1回の会場は、スズキ本社の前にあるお客様駐車場で、全国各地から300台を超えるVストロームが集結した。当時のラインナップが1000と650、そして650XTしかなかったことを考えると、これはかなりの台数と言えるだろう。その後、コロナ禍により2020年はグッズ販売のみ、2021年はオンライン配信のみという年もあったが、そうした苦難を乗り越えて、2022年からスズキ本社でのリアルイベントが復活。そして今年も無事に開催される運びとなった。

250SXのオーナーである筆者、早朝に千葉から浜松へ向けて出発!

東名高速道路の東京料金所にて。これを撮ったのが5時27分。パラパラと雨が降ってきたのでブーツカバーを装着する。

昨年12月にヤマハのツーリングセローからVストローム250SXに乗り換えた筆者。このミーティングに参加するのを楽しみにしていた一人だ。イベントは10時スタートで、駐輪場の開場は9時。それ以前の路肩での入場待ちはNGとのことなので、現地に9時半ごろ到着するように千葉県北西部にある自宅を出発する。

新東名高速に入ったころ、スマートライドディスプレイに「現地到着8:20」と表示される。このペースでは開場前に着いてしまうので、時間調整のために駿河湾沼津SAに入る。すると、二輪スペースに5台ものVストロームが! そのうちの一人、650のオーナーさんに「あなたも浜松ですか?」と話し掛けられる。この分だと早く着いちゃうので朝飯でも食べようかと、なんて会話をする。

右も左もVストロームだらけ! 意外にも発売から1年しか経っていない250SXが非常に多かった。
右端の黄色いVストSXが筆者の愛車。日中はシャツ1枚で過ごせるほど穏やかな陽気となった。

その後、VストSXと共に新東名を快調に移動し、浜松浜北ICからスズキ本社へ向かう。道中、SAを除くとVストロームを見かけた台数は10台にも満たなかったが、現場に到着したら衝撃の光景が! 駐輪場は右も左もVストロームだらけで、それはもう圧巻の一言だ。自宅からの走行距離は284.4km。ここまで走ってきた甲斐があるというものだ。

ステージでは設計者やゲストのトークショーで盛り上がる

ここからは、画像とキャプションでイベントの模様を紹介しよう。

スズキ株式会社の鈴木俊宏代表取締役社長による開会宣言。彼が手にしているのは、Vストロームミーティングの10周年を記念したカップで、これはMCを務めたノア・セレンさん(二輪ジャーナリストであり陶芸家という顔も持つ)が製作したものだ。
開会宣言後、最初に行われるのがこの集合記念撮影だ。来場者数は1,518名で、前回比103%とのこと。一方、来場二輪車は1,173台で、こちらは前回比93%と微減している。これは雨予報が影響したのかもしれない。なお、遠方から来場しているVストオーナーの中には、この記念撮影が終わったらすぐに会場を後にする人も。
11時10分から行われたVストロームの設計者トークショー。登壇したのはチーフエンジニアの加藤幸生さん、アシスタントチーフエンジニアの東郷隼也さん、デザイナーの小川和孝さんの3名。左はMCのノア・セレンさん。
ゲストトークショーに登壇したのは賀曽利隆さんと、道祖神の前社長である菊地優さん。50年来のお付き合いというから驚きだ。
賀曽利隆さんの現在の愛車はこのVストローム250SXだ。
全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスに参戦しているレーシングライダーの津田拓也さんがゲストとして登壇。彼の愛車であるVストローム250が展示されていた。
第1回から行われているメッセージスナップ撮影。背景とメッセージボードのバナーは毎年異なり、今年は10周年記念バージョンだ。
筆者もちゃっかり撮ってもらう。撮影されたスナップはVストロームミーティングの公式サイトにアップされるというから楽しみだ。
Vストロームミーティングのオリジナルグッズ一覧。公式オンラインストアで先行販売されるもの以外に、当日のみ購入できる商品があり、開場と同時に長蛇の列が。
10周年を記念したイベントオリジナルTシャツは3500円。
筆者はアクリルキーホルダーのガチャにチャレンジ。2000円使って待望の250SXをゲット!
Vストロームミーティング限定の瓦せんべいも販売。6枚入り550円、18枚入り800円という手ごろな価格と運びやすいサイズゆえか、午後には早くも完売となっていた。
写真のキジマをはじめ、タナックス、デイトナ、ダートフリーク、ダンロップタイヤ、南海部品、エリーパワー、スズキ二輪、スズキビジネスなど9社が出展。どのブースも大盛況だった。
先日、プレス向けの試乗会が行われたばかりで、まだ発売時期や価格などは未定となっているe-POがさりげなく展示されていた。Vストロームとは異なるジャンルだが、ここにも人だかりが。
こんな個性豊かなカスタマイズを見られるのもこうしたイベントならでは。1,000台オーバーなので、駐輪場を歩いているだけでも無限に時間が溶けていく。
VストSXに自作のステーで小さなハードケースを装着した強者が! 裏側のノブを緩めると簡単に外せるというのが素晴らしい。他にもフロントフォークを延長して最低地上高を稼いだりと、だいぶ手が入った1台だ。
今年の来場者第1号はこの黒いVストローム650。イナズマ400から乗り換えたというこのオーナー氏、新車から一度もエンジンを開けずに47万km(!)を突破。3年前には廃車寸前の大事故に遭うも、75万円かけて復活させたという。「まったく飽きないですし、走るほどに体に馴染んでくるバイクですね」というコメントが印象的だった。
駐輪場をフラフラと歩いていたら鈴木社長がやってきた。来場者と積極的にコミュニケーションを取り、記念撮影にも気軽に応じていた。
イベントを締め括るじゃんけん大会。出展者が用意した景品がなかなかに豪華だった。
スズキ株式会社・田中強二輪事業本部長による閉会宣言。「新しいVストロームが出たら、ぜひそちらも」というニュアンスの発言が飛び出し、会場が大いに盛り上がる。

どうにか天候が崩れることなく、予定どおりにイベントは終了

ゲストやスズキ社員が来場者を見送る。VストSXにまたがっているのは筆者だ。

途中、ポツポツと雨が落ちてきたものの本降りにはならず、予定どおり14時でイベントは終了した。Vストオーナーに知り合いがいない筆者だが、それでもカスタマイズの内容についていろいろと質問できたり、駐輪場を歩いていたら自作のステッカーを突然もらえたりと、非常に有意義な時間を過ごすことができた。来年はさらに広い会場での開催を予定しているとのことで、場所が発表され次第お伝えしたいと思う。なお、Vストローム以外での来場もOKであり、オーナー以外も楽しめるイベントなので、皆さんもぜひ次回は足を運んでみてほしい。

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…