アプリリアのフラッグシップモデル、65°V型4気筒1,100cc搭載の「RSV4/RSV4ファクトリー」 2025年モデルを発表|EICMA2024

「RSV4」は水冷4ストロークV型4気筒DOHC 4バルブ1099ccエンジンを搭載したアプリリアのフラッグシップモデル。写真はオーリンズ製の電子制御セミアクティブ・スマートEC2.0サスペンションを標準装備した「RSV4ファクトリー」。
2024年11月5日~11月10日にイタリア・ミラノで開催された世界最大のモーターサイクルショー「EICMA(エイクマ)」。同イベントではイタリアのバイクブランド「アプリリア」が水冷4ストローク1,099ccエンジンを搭載し、フルカウルを採用したスーパースポーツモデル「RSV4」と「RSV4ファクトリー」の2025年モデルを発表した。 ※両車とも2024年現在、国内では未発売
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

アプリリア RSV4(2025年モデル)

「RSV4」は水冷4ストロークV型4気筒DOHC 4バルブ1,099ccエンジンを搭載したアプリリアのフラッグシップモデル。
ポイズン・イエロー

アプリリア RSV4ファクトリー(2025年モデル)

オーリンズ製の電子制御セミアクティブ・スマートEC2.0サスペンションを標準装備した「RSV4ファクトリー」。
ダーク・クラーケン

2012年に登場したRSV4は、現在でもアプリリアのフラッグシップとして君臨するスーパースポーツモデル。スーパーバイク世界選手権のレギュレーションに合わせ、初代の排気量は999.6ccに設定。2019年に排気量を1,078ccへと拡大し、モデル名を「RSV4 1100」に変更。2021年、排気量を1,099ccにアップさせ、再び名称を「RSV4」とした。

“ファクトリー”版は、ファクトリー仕様(ワークス仕様)という位置づけの上級モデル。オーリンズ製の電子制御セミアクティブサスペンションを標準装備するなど、“究極のサーキット走行”を目指してチューニングされている。

新しい2025年モデルのRSV4ファクトリー。
2024年モデルのRSV4ファクトリー。
RSV4 Factory | “Speed White” Limited Edition in action! ※2024年モデル
aprilia RSV4 my ’22 究極のスーパーバイク | Max Biaggi編 ※2022年モデル

新型の2025年モデルは、両車ともカウル類、エンジン、電子制御に大幅な変更を実施。2025年モデルでは、薄いメインウイングがヘッドライト下から左右に伸び、サブウイングが上部後方からエンドプレートでメインウイングに繋がる、まるでMotoGPマシンのような大胆なレイアウトに変更。

MotoGPでの走行データをもとに開発されたこの新しいウイングは、強力なダウンフォースを生み出す複雑な造形が特徴。アップデートされたフェアリングは、空気抵抗の低減とウイリーの抑制を実現した。

前モデルと同系の水冷4ストローク65°V型4気筒DOHC 4バルブ1,099ccエンジンは、欧州での排気ガス規制「ユーロ5+(プラス)」に適合。このエンジンに、内径Φ52mmの新型スロットルボディを組み合わせ。また排気システムを最適化することで、最高出力を217ps/13,000rpmから220ps/13,100rpmに向上。最大トルクは125N・m/10,800rpmを発揮する。

新型は予測精度を高めた、高度な電子制御システムを各種導入。6軸慣性ユニット、コーナリングABS、トラクションコントロール、ライドバイワイヤ式の電子スロットル、ウイリーコントロール、エンジンブレーキ制御、エンジンマップなどの組み合わせにより、コントロール性能を一層アップさせ、正確なライディングを可能にしている。

新型にはスロットルを閉じたりクラッチを使用せずとも、超高速のギアチェンジを実現する電子ギアボックスを採用。ダウンシフト機能も搭載されており、クラッチを接続せずにダウンシフト。またスロットルを開いた状態でもダウンシフトが可能。

ブレンボ製のフロントブレーキキャリパーは、既存のStylemaから、軽量かつポテンシャルの高いHypureキャリパーに変更され、制動力とブレーキング時の安定性を向上。

RSV4の上級グレードであるRSV4ファクトリーは、コーナーごとに設定変更が可能な、オーリンズ製の電子制御セミアクティブ・スマートEC2.0サスペンション。またローンチコントロールやピットリミッターなど、サーキット走行専用のサポート機能を導入。コーナリング時にコーナーの内側を照らす補助ヘッドライトも標準装備された。

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