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街乗りからトレッキングユースまで幅広く楽しめるタフ&クールな相棒
オフロードが好きなユーザーにとって、新型KLX230、そのローシートモデルであるKLX230Sの登場は嬉しいニュース。昨秋のジャパンモビリティショー2023にて発表されてから、心待ちにしていたファンもいることだろう。そこに突如として追加された派生モデルが、KLX230Sをベースにした「KLX230 SHERPA」というトレッキング系のデュアルパーパスモデルだ。
かつてカワサキからは「スーパーシェルパ」というトレッキングモデルが販売されていたが、国内仕様は2007年に生産を終了。今回のKLX230 SHERPAは17年ぶりにネーミングを受け継ぎ復活したモデルで、近年のアウトドアブームが商品化を後押ししたと思われる。ツーリングを楽しむライダーにとっては、長距離も苦にならないポジションや積載性の高さからアドベンチャーモデルの人気が高く、さらにアウトドア志向が強くなるほどオフロードの走破性が重視される。軽量な250ccクラスのトレッキングモデルではヤマハのセロー250が長年高い人気を誇っていたが、排ガス規制の強化に伴って2020年にて生産を終了。低シート高で本格的な走破性を誇るKLX230 SHERPAの登場は、その穴を埋める意味でも貴重な存在といえるだろう。
気軽にキャンプツーリングやトレッキングを楽しむには125ccクラスを推す人もいるが、高速道路を利用できない実情は行動範囲に直結する。限られた時間を有効に使ってツーリングを楽しみたいなら、250ccクラスのKLX230 SHERPAは優れた解答のひとつと断言できる。気の向くままにトコトコと走り、時には酷道にチャレンジし、帰りが面倒なら高速道路で一気に帰宅! キャンプに映えるアウトドアテイストの車体は、お気に入りのギアとしてバイクライフを盛り上げてくれるに違いない。
足つきの良さでオフ車のネガティブを軽減しどんな道でも走れる扱いやすさに仕上げる!
KLX230 SHERPAの魅力は、まずベースとなったKLX230Sのポテンシャルの高さにある。カワサキが培ってきたモトクロッサーのDNAを受け継ぐ時点でオフロードの走破性は高く、シート高845mmのローシートモデルでもホイールトラベルはフロント200mm/リヤ223mmを確保。最低地上高は240mmあるが、万一ヒットさせても専用装備のアルミ製スキッドプレートがフレームやエンジンを守ってくれる。
エンジンは空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒で、軽量コンパクトな車体づくりに貢献。低中回転域のパフォーマンスを重視したセッティングは扱いやすく、フラットなトルク特性はスリッピーな路面でもコントロールしやすいものだ。単気筒エンジンは振動による疲れを危惧するが、ギヤ駆動のバランサーを採用することでエンジン振動を低減。6速ミッションはオンロードからオフロードまで対応するギヤ比で、オールマイティな走りが堪能できる。
気になるのはベースとなったKLX230Sとの違いだが、おもにルックスと言い切れるだろう。最大の相違点はボディカラーとシュラウド形状が目につくポイントとなっており、顔となるヘッドライト周辺デザインの違いでもキャラクターを差別化している。細かく見れば、アルミテーパードハンドルバーや金属プレート入りのハンドガードなど、タフネスなイメージの専用装備も見逃せないポイント。価格差はあるが、自分好みにカスタムされた仕様と思えば、むしろ安く仕上がっているといえそうだ。
主要諸元・KLX230 SHERPA
全長:2,080mm
全幅:920mm
全高:1,150mm
シート高:845mm
乗車定員:2人
排気量:232cc
車両重量:134kg
エンジン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
最高出力:13kW (18ps)/8,000rpm
最大トルク:19Nm(1.9kgf・m)/6,400rpm
トランスミッション:6速リターン式
フューエルタンク:7.6L
ブレーキ:前 ディスク、後 ディスク
タイヤサイズ:前 2.75-21 45P、後 4.10-18 59P
メーカー希望小売価格(消費税10%を含む):¥638,000