ついに100万円の大台に乗ったNC750CX・DCT。元NC750Sオーナーが羨望するほどのコンビニエントなバイクである|試乗記

P2_NC750Xのプラットフォーム
燃費性能に優れる水冷パラツインを搭載し、通常の燃料タンクの位置をラゲッジボックスとしたクロスオーバーモデルがホンダ・NC750Xだ。2025年型はスタイリングを変更するとともに、一部装備を充実させて登場。元NC750Sオーナーである筆者がDCT仕様を試乗した。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

NC750Xのスチール製ダイヤモンドフレーム。レイアウトがかなり特殊であることが分かるだろう。ホイールトラベル量は前後とも120mmだ。
ブレーキディスクはフロントφ296mm、リヤφ240mm。下側にあるワイヤー作動のキャリパーはパーキングブレーキ用だ。エアバルブは2016年にL型のアルミ鍛造品となり、最新モデルでも引き続き採用している。
リヤサスペンションはボトムリンク式のモノショックで、プリロードを7段階に調整可能。標準位置は最弱から3段目で、調整に必要なピンスパナ&ホルダーは車載工具に含まれる。
ブラックで統一されたコックピット。スクリーンは固定式だが、純正アクセサリーで77mm延長&5段階に高さを調整できるアジャスタブルスクリーン(6万7100円)を用意する。
5.0インチTFTフルカラー液晶メーターを新採用。スマホとの連携機能“Honda RoadSync(ホンダ・ロードシンク)”を搭載している。ブルートゥース接続されたインカムによる音声操作も可能だ。
スマホとペアリングする際に呼び出す画面。慣れてしまえばメーターの操作は簡単だ。
スイッチボックスは、同じく2025年モデルでHonda RoadSyncを採用したX-ADVに似ているが、NC750Xはクルーズコントロールを備えておらず、パーキングブレーキのレバーもハンドル左側にある。X-ADVのパーキングブレーキレバーは片手で解除できるのに対し、NC750Xは両手を必要とするので面倒に感じた。
タンデムシートの下に給油口あり。指定ガソリンは無鉛レギュラーだ。ワイヤーと組み合わせて使うタイプのヘルメットホルダーも備えられている。
容量23Lのラゲッジボックス。サイズや形状にもよるがフルフェイスのヘルメットも収納可能だ。この中にETC2.0車載器が設置されている。
灯火類はオールLEDだ。ヘッドライトはビーム到達距離を維持しながら、より広い配光を実現。さらにバンク時の配光特性も見直している。
コンパクトながら十分な光量を確保したテールランプ。急ブレーキの際にウインカーを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルを搭載する。

ホンダ NC750X Dual Clutch Transmission 主要諸元

車名・型式 ホンダ・8BL-RH23
全長(mm) 2,210
全幅(mm) 845
全高(mm) 1,330
軸距(mm) 1,530
最低地上高(mm) 140
シート高(mm) 800
車両重量(kg) 226
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L) 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 43.0(60)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(クラス) 26.5(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 3.0
エンジン型式 RH21E
エンジン種類 水冷4ストロークSOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(cm³) 745
内径×行程(mm) 77.0×80.0
圧縮比 10.7:1
最高出力(kW [PS] /rpm) 43[58]/6,750
最大トルク(N・m [kgf・m] /rpm) 69[7.0]/4,750
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 電子式6段変速(DCT)
変速比
 1速 2.666
 2速 1.904
 3速 1.454
 4速 1.178
 5速 0.967
 6速 0.815
減速比(1次/2次) 1.921/2.411
キャスター角(度) 27゜00′
トレール量(mm) 110
タイヤ 前 120/70ZR17M/C(58W)
    後 160/60ZR17M/C(69W)
ブレーキ形式 前 油圧式ダブルディスク
       後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式
     後 スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…