
日本の眼鏡の「聖地」でもある福井県鯖江市で、工作機械、金属加工機械の開発、生産と、チタンを主材料にした自社製品の開発を行っている株式会社三輪機械が東京モーターサイクルショーに初出展。バイク用チタンパーツのブランド「titan-X moto」をアピールした。

展示されている車両はBMW R1300GS。一見すると単なる綺麗なノーマル車両だが、ホイールに注目するとスポークが青く輝いている。なんこれ、スポークをチタン製に交換してあるのだ。スチール製の純正スポークに比べると約40%もの軽量化になるという。ホイールの軽量化によってハンドリングが軽くなり、特にR1300GSのような重心の高いアドベンチャーモデルは劇的に扱いやすくなるだろう。これだけ軽い素材となると強度も気になるところだが、このスポークは眼鏡用に開発された柔軟性に富むチタン合金を使用し、眼鏡フレームの加工技術を応用した、回転しながら叩いて変形させる回転冷間鍛造(スウェージング)加工により、耐久性に加えばね弾性も生かされている。先行して開発された自転車用のチタンスポークは、自転車産業振興協会技術研究所による評価試験で、引張強度が鋼材製・ステンレス製と同等以上、繰り返し曲げ強度は3倍以上という結果が得られた。錆に強く海水などの厳しい条件でも錆びることはなく、いつまでも美しい輝きをキープする。


スポークのカラーはチタンらしいこのブルーのほか、表面処理の方法によりグレーや無色にも加工できる。ドレスアップ効果の高いカラーだけでなく、さりげなく性能アップしたいというユーザーにも応えることができる。購入は前後ホイールを取り外して三輪機械に送り、スポークを組み込んで返送してくれる。BMW R1300GSの場合、価格は前後セットで約30万円。決して安くはないが、バネした重量の軽量化は非常に効果が大きいが技術的には難しく、これだけの軽量化が望めるアイテムは少ない。しかもチタン素材に特殊な鍛造加工を施しているためコストがかかり、本来はこの価格でも難しいのだとか。三輪機械はこのチタン加工の技術を多くの人に知ってもらいたいという思いで製造しているのだとか。多くのライダーにこのハンドリングの軽さを体験してほしいので、今後もイベント等の参加も考えているそうだ。