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バイクに使えわれているメッキパーツの代表選手は、なんといってもマフラーだろう。高性能なものだとステンレスやカーボン、はたまたチタンだったりするので手間はかからないが、古くて庶民的なモデルだと通常はスチール素材にメッキがかけられているもの。だから雨が当たるような保管場所だと、アッという間にサビが発生する。マフラーが錆びているとなかなか目立つので、バイク自体が傷んでいるようにも見えてしまう。
そこでちょっと前の記事で100均グッズによるマフラーのサビ落としを試してみた。100均グッズでも根気良く作業すればサビは落とせることが判明したが、モノによってはメッキ表面を傷つけてしまうこともあるので要注意。
キレイになったマフラーを見るのは嬉しいものだが、果たしてこの輝きがいつまで保つものか不安でもある。というのも保管場所によっては1週間くらいでサビが再発するからだ。以前の記事から時間が経ってしまったが何もしなかったわけではなく、その後の経過を見たかったため。あ、何もしてないのと同じか…。
クロームメッキ保護・サビ防止剤を試す!
何もしなかったのにはワケがある。キレイにしたマフラーへデイトナ製クロームメッキ保護・サビ防止剤(2,178円・税込)を部分的に使用して、使用していない部分とどれくらい差が出るのか試したかったからだ。この製品はメッキ面の目視できない微細な穴を塞いで、長期的に防錆効果を発揮するというもの。塗布面をコンパウンドで磨くと保護防錆効果が落ちるそうなので、使用する際には十分注意してほしい。
今回は実験なので、マフラー全体に塗布せず、部分的に塗布してみたい。簡単にマスキングしてマフラー先端だけを露出させ、そこへクロームメッキ保護・サビ防止剤をスプレーする。乾燥してしまえば保護・防錆効果を期待できるのだ。果たしてその結果や、いかに?
塗布後3週間が経過した結果
実験に供したのは筆者が所有するホンダ・スーパーカブC50。6ボルト・燃料タンク別体の古いモデルだが、マフラーは社外品に交換されている。保管場所は屋根の下だからサビの発生が穏やかなので3週間ほど様子をみたのだ。こうして見ると塗布面とそうでない面に違いはないように思える。
マフラーに近づいてよくよく観察すると、やはりサビが見つかった。まだ小さく数も少ないが、確実にサビの猛威にさらされている。時間が経つにつれ、その数はどんどん増えていくことだろう。
ではクロームメッキ保護・サビ防止剤を塗布した先端部はどうだろう。近寄ってみると、期待通りでサビがどこにも発生していない! マフラーの上から4/5くらいまでは塗布してあるが、前回の作業で下側は磨ききれていないので、悪しからず。またクロームメッキ保護・サビ防止剤も塗布していないのでサビがあることにはある。けれど、塗布していない面との差が3週間で確認できた。これは効果がありそうだ!
本当はダメだけど! アルミにも試してみた。
クロームメッキ保護・サビ防止剤はクロームメッキ以外に使用できない(樹脂メッキなど)と注意書きがあるので、本来ならメッキ部以外に使ってはいけないけれど興味は尽きない。ということで、これまた以前に連載していた【ベスパレストア計画】で使ったベスパP125Xの部品でも試してみることにした。けれど、これは推奨できない方法であるため、試すなら自己責任でお願いしたい。
ベスパP125Xのキックアームはメッキではなくアルミ製。そのため経年により粉を吹いたような状態(実はこれもサビと同じ現象)になり、放置していると汚れがどんどん付着する。いくらキックアームを磨いても、放置すれば再発するのはメッキパーツと同じこと。ということで試してみることにした。
ベスパにキックアームを取り付け、レストアが終わったのが2021年7月中旬。ちょうど今から4ヶ月ほど前のことだ。それからほぼ屋根の下で放置していたから、その後の状況をみるには絶好(?)のコンディション。というわけで確認すると、これがまたキレイなこと! クロームメッキ保護・サビ防止剤を塗布した頃とほぼ同じコンディションを保っていた。個人的にはメッキだけでなくアルミパーツにも効果アリと感じた実験だった。