空冷411cc|オン/オフ行ける、ロイヤルエンフィールドの新型モデル「ヒマラヤ」、日本発売決定!

2016年に登場(国内仕様は2020年、正規代理店のピーシーアイより発売)したロイヤルエンフィールドのHimalayan(ヒマラヤ)は、走行シーンを選ばないオンロード&オフロードの両方に適応するデュアルパーパスモデル。このモデルが、ユーロ5に適合した411ccエンジン、専用ナビシステム、オフロード走行に適した切替可能なABSなどを新たに装備し、2022年モデルとして進化した。国内仕様は正規代理店のピーシーアイより発売される。ロイヤルエンフィールド・アジア太平洋地域責任者のビマル・サムブリー氏に、新型のヒマラヤについてお話を伺った。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

ロイヤルエンフィールド Himalayan(ヒマラヤ)

Mirage Silver 70万6200円/Granite Black 72万9300円/Pine Green 72万9300円(すべて消費10%込)

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国内仕様は3カラーあり。写真はGranite Black
Pine Green
Mirage Silver

 ロイヤルエンフィールドは、1901年にイギリスでバイクの製造を開始。現存するバイクメーカーの中では、世界最古といわれるブランドとして知られる。現在、インドの⾃動⾞メーカー「Eicher Motors Limited(アイシャ―・モーターズ)」の⼀部⾨であるロイヤルエンフィールドは、ユニークで個性的なモダンクラシックモデルなど、インドを拠点にミドル級バイクのカテゴリーを創造。近年、インドのチェンナイに新たな製造工場を設けたことで、需要急増に対応した。

 過去5年間、毎年40%以上の拡大を実現したロイヤルエンフィールドは、世界のミドル級バイク市場で急成長。インドの主要都市に直営店18店舗、⼤型店940店舗、スタジオ店500店舗を展開しており、⽇本を含む世界50カ国以上にモーターサイクルを輸出。現在、東京、ジャカルタ、バンコク、メルボルン、オークランド、ソウル、シンガポール、ブラカン(フィリピン)などの大都市で店舗を展開中だ。

2016年に誕生した「ヒマラヤ」が今回、新しくなって登場

 今回新しくなって登場したHimalayan(ヒマラヤ)は、2016年に誕⽣(国内では正規代理店のピーシーアイより、2020年に発売)した、走行シーンを選ばない、オンロード&オフロードの両方に適応するデュアルパーパスモデル。ロイヤルエンフィールドが50年以上に渡ってヒマラヤ⼭脈を⾛破してきた経験からインスピレーションを得た、シンプルで⾼性能な「どこにでも⾏ける」をコンセプトに開発された。

 これまでヒマラヤは、ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカ、東南アジアを含む複数の地域でリリース。世界中でアドベンチャーツーリングというカテゴリーを切り開き、アジアで4000台以上、欧州で1万5000台以上を発売した。

 また、ヒマラヤはベストロングツアラーモデルを称える「Best LAMS Adventure Bike」も受賞。ロイヤルエンフィールドの主要モデルとして、世界中のライダーから支持されている。

ココが新しくなった!ユーロ5に適合した411ccエンジン、専用ナビシステム、オフ走行に適した切替可能なABS etc.

 新型と前モデル大きな違いは下記の3点。

1:前モデルに搭載の空冷4スト単気筒SOHC 2バルブ411ccエンジンを、排ガス規制のユーロ5に適合

2:手持ちのスマホのグーグルマップ+独自のアプリを用い、ヒマラヤに装備された専用ナビゲーションシステムに表示する「Tripper(トリッパ―)」を標準装備。スマートフォンにロイヤルエンフィールドのアプリをインストールし、バイクをペアリングするだけで使⽤可能

3:ABSは「オフロード走行モード」に切り替えることで(スイッチ1つで切り替えOK)、後輪のABSがオフになり、積極的な走りとオフロード走行時の操作性を向上

 その他、新しいカラーリング、金属製の平面プレートを採用した新設計のリアキャリア、長時間走行でも疲れにくい快適な座り心地を実現したシートなど、より多機能で汎⽤性の⾼いアドベンチャーツアラーとしてアップグレードされた。

新しくなったヒマラヤの主要ポイント。
スマホのグーグルマップ+独自のアプリを専用ナビゲーションシステムに表示する「Tripper(トリッパ―)」を標準装備。
新型は細部も変更・進化。
外観は前モデルを踏襲しているが、細部を変更。

ヒマラヤ山脈に続き、超過酷な南極にて「ヒマラヤ」のテスト走行を敢行

ヒマラヤを2台使⽤し、約1ヶ月間に渡って「南極⾛破プロジェクト(90° SOUTH – Quest for the Pole)※注1」を敢行。

 これまでヒマラヤは、名称の由来となったヒマラヤ山脈でも走行テストを敢行してきた。創業120周年を迎えた2021年、ロイヤルインフィールドはさらあなる挑戦として、ヒマラヤを2台使⽤し、約1ヶ月間に渡り、「南極⾛破プロジェクト(90° SOUTH – Quest for the Pole)※注1」を実施。ヒマラヤ山脈を遥かに超える、さらに過酷な状況での走行テストを敢行中だ(2021年12月15日現在)。

 遠征隊は2021年11⽉26⽇、南アフリカのケープタウンを出発し、南極⼤陸のロス棚氷からレベレーツ氷河を抜け、南極点付
近のアムンゼン・スコット基地を⽬指してスタート。2台のヒマラヤは、雪や氷の上を⾛れるよう、また、南極の極限状態でも機能を発揮できるようにカスタマイズ(※注2)され、このプロジェクトに挑んでいる。

※注1:南極縦断(South Pole Traverse)と呼ばれるこのルートは、パトリオットヒルズから旅をスタートしたバイク冒険家の⾵間深志⽒が1992年に達成したルートとは異なり、当時はロス棚氷まではアクセスできていなかった。今回のロイヤルエンフィールドの挑戦は、凍った海の上から出発して極点を⽬指すという、これまでバイクが通ったことのないルートでの、世界初⼆輪⾞遠征となる。

※注2:氷や雪に覆われた南極では、スピード=速さは必要としない。過酷な南極を走るにあたり、雪上を走るためのタイヤ、オルタネーター(発電機)を強化するなど、独自のチューニングが施された。

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#90South | Team Rider Santhosh

新型「ヒマラヤ」でアドベンチャー市場のさらなる活性化を目指す

 今回の取材に対応してくれたのは、ロイヤルエンフィールド・アジア太平洋地域責任者のビマル・サムブリー氏(下記写真)。ヒマラヤの歩みとNEWモデルについて、

「ヒマラヤは、短期間で世界のアドベンチャーツーリングに新たなカテゴリーを開拓し、真のグローバルモーターサイクルとしての地位を確⽴。また、ロイヤルフィールドの主要モデルに成長。⻑年に渡り、ライディングコミュニティからのフィードバックを受けながらデザインと機能性を⼀貫して進化させ、特性を向上させてきました。

 その結果、世界中の何百万⼈というアドベンチャー好きなユーザーに共感してもらい、新たなバリエーションを増やすことができました。新たなヒマラヤの登場により、我々は世界中のアドベンチャーツーリング市場をさらに活性化できると信じています」と語った。

ロイヤルエンフィールドのアジア太平洋地域責任者、ビマル・サムブリー氏。インドのマハーラーシュトラ⼯科⼤学で機械⼯学学位、⼤学院でマーケティング・ビジネスアナリティクス(PGPBA)取得。

ロイヤルエンフィールド Himalayan(ヒマラヤ) 主要諸元

エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ
排気量:411cc
ボア×ストローク:78mm×86mm
圧縮比:9.5
最高出力:17.88kW/6,500rpm
最大トルク:32Nm/4000-4500rpm
クラッチ:湿式
ミッション:5速
燃料供給:インジェクション
エンジン始動:セルフモーター式
燃料タンク容量:15L
フロントサスペンション:テレスコピック式Φ41mmフロントフォーク(トラベル量200mm)
リアサスペンション:モノショック式スイングアーム(トラベル量180mm)
前ブレーキ:Φ300mmシングルディスク+2POTキャリパー(ABS)
後ブレーキ:Φ240mmシングルディスク+1POTキャリパー(ABS)
タイヤ:前90/90-21 後120/90-17
電装類:12V
乗車定員:2名

問い合わせ
ピーシーアイ株式会社(ロイヤルエンフィールド正規輸⼊販売会社)
http://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp/

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