ヤマハ・シグナス グリファス……357,500円

カラーリングは写真のブルーイッシュグレーソリッド4(グレー)のほかに、ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)、ブラックメタリックX(ブラック)、ホワイトメタリック1(ホワイト)を用意。さらに2022年2月24日にはWGP 60th Anniversaryとしてシルキーホワイト(ホワイト)を1,000台限定で368,500円にて販売する。
2021年6月28日に発売された最新型NMAX ABSは368,500円。シグナス グリファスと同様に可変バルブ機構VVA採用のブルーコアエンジンを搭載するほか、トラコン、アイドリングストップ、前後ABS、スマートキー、スマホ専用アプリ対応機能などを盛り込む。

低振動かつメカノイズの少ない、上品なブルーコアエンジン

XMAXを彷彿させる逆スラントヘッドライトを採用。車名変更は覚悟の証だろう。

一回り大きくなった? というのが偽らざる第一印象だ。それもそのはず、全長と全高は前後13インチホイールを履くNMAX ABSと同値となり、シート高は前作のシグナスXよりも10mmアップしている。車重は6kg増えているが、これはエンジンの水冷化と、パワーアップに対する各部の強化による影響だろう。
ややマンネリ気味だったシグナスXシリーズから一転、250ccのXMAXを彷彿させる逆スラントヘッドライトを採り入れた外観は、なかなかに存在感がある。加えて、試乗したグレーはフロントカウルからフェンダーにかけて縦方向にロゴが入っており、ここにもXMAXとの共通性を見出せる。ステップスルーデザインを堅持しつつも大胆にスタイリングを刷新してきたことに、ヤマハの並々ならぬ気合いが見え隠れする。
まずはエンジンから。ブルーコアと名付けられた124cc水冷SOHC4バルブ単気筒は、2016年にNMAX、2018年にトリシティ125が搭載してきたという歴史があり、2021年にトラコンとアイドリングストップを追加した最新型NMAXも含めて、いずれも好印象だった。特徴的なのは可変バルブVVAで、これは6,000rpmを境に吸気カムをローとハイに切り替えるというものだ。また、NMAXと同様に始動モーターとジェネレーターを一体化したSMG(スマートモータージェネレーター)を採用しており、将来的にはアイドリングストップが追加される可能性は大きい。
エンジンを始動し、まず驚かされるのは圧倒的な静粛性だ。キュルルルッという一般的なセルモーターの作動音がほとんどせず、しかもアイドリングは非常に静か。センタースタンドをかけてバイクからほんの少し離れると、本当にかかっているのか不安になるほどだ。おまけに、シートに座っていても微振動やメカノイズはほとんど伝わってこない。空冷時代の前作は良く言えば元気がいい、悪く言えば騒々しい印象があったので、これは非常に好ましい進化と言えるだろう。
スロットルを徐々に開けて発進する。遠心クラッチがつながる瞬間だけわずかに駆動系から振動が伝わるが、それ以降は非常にスムーズで静かだ。スムーズに感じさせる要因として振動が少ないことはもちろんだが、それ以外にスロットルのオンオフにおけるリヤの上下動がほとんどないことも挙げられる。これはユニットスイングのマウントの設計が優秀な証拠だ。
およそ50km/h、6,000rpmに差し掛かるとメーターパネルの左上に「VVA」のアイコンが表示され、ローカムからハイカムへと切り替わる。とはいっても加速フィールは低速域から極めてシームレスで、上り勾配のきついワインディングロードも意外なほどストレスなく走ることができる。スロットルレスポンスは右手の動きに対して適度に忠実で、エンブレもコントロールしやすい。トラコンは非採用だが、その必要性を強く感じることはほとんどなかった。

ライダーの操縦に忠実なハンドリングでウェットも恐くない

新型フレーム、フロントフォークの減衰特性最適化、1サイズずつ太くなったタイヤなどが走りを現代的なものに。

このシグナス グリファス、アンダーボーン型のフレームは新設計で、タイヤは前後とも1サイズずつワイドになっている。ブレーキはフロントディスク径がφ245mm、リヤは30mm大径化してφ230mmに。生産国の台湾ではABS仕様も選べるが、日本仕様は左レバーで前後が連動するユニファイドブレーキシステムが標準となる。
前作のシグナスXは、12インチという小径ホイールと短いホイールベースによってクイックに曲がれるが、直立を保とうとする力が強くて若干クセがあるという印象が強く残っている。これに対して新型のシグナス グリファスは、ホイールベースが延長されてNMAXと同値になったものの、倒し込みや切り返しの手応えがスムーズになり、格段に扱いやすくなった。操縦に対してどこまでも忠実で、寝かせた分だけ素直に向きを変えるという性格はヤマハらしいハンドリングであり、あまりの楽しさに気が付けば都下の有名なワイディングロードまで足を伸ばしてしまったほど。
さて、そのワインディングは、折からの冷え込みに加えて日陰はウェットという、あまり好ましくないコンディションではあったが、車体から伝わる接地感が高いために恐怖心は少なかった。ステップスルーデザインのため、大きなギャップを通過するとステアリングヘッド付近が揺れる症状が出るが、とはいえシグナスX時代からはずいぶんと減った印象だ。ブレーキについては、路面が濡れている下り勾配などリヤだけ作動させたい場面でフロントも利いてしまうという恐さがあるのと、前後連動式なのでリヤディスク大径化の恩恵が分かりづらいのはネックだが、コントロール性に関しては好印象。将来的にはABSが選べるようになることを望む。
前後12インチホイールやステップスルーといったキーワードを受け継ぎつつも、時代のニーズに合わせて上質に進化したシグナス グリファス。今回は取り急ぎ駆け足で試乗インプレッションをお届けした。詳細については近日中に公開予定なのでお楽しみに。

ライディングポジション&足着き性(175cm/66kg)

座面はやや前傾しており、フロアボードは高め。膝のすぐ上にハンドルグリップがあることからも分かるように、全体的にコンパクトなライディングポジションだ。NMAXのように足を前方へ伸ばせないのと、Uターンなどでハンドルを大きく切るとイン側の手が太ももに干渉するのはシグナスXのころから変わらない。
シート高はシグナスXから10mmアップして785mmに。NMAX比で20mmも高いが、できるだけシートの前方に座れば足着き性はご覧のとおり。シート高が上がったことでフロアボードに足を置いたときの膝の曲がりがわずかに緩くなったような印象を受けた。

シグナス グリファス 主要諸元

認定型式/原動機打刻型式 8BJ-SEJ4J/E33UE
全長/全幅/全高 1,935mm/690mm/1,160mm
シート高 785mm
軸間距離 1,340mm
最低地上高 125mm
車両重量 125kg
燃料消費率1 国土交通省届出値 定地燃費値2 48.6km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値*3 44.5km/L(クラス1)1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 124cm3
内径×行程 52.0mm×58.7mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 9.0kW(12ps)/8,000rpm
最大トルク 11N・m(1.1kgf・m)/6,000rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.00L
燃料タンク容量 6.1L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V、6.5Ah(10HR)/GT7B-4
1次減速比/2次減速比 1.000/10.208 (56/16×35/12)
クラッチ形式 乾式、遠心、シュー
変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比 2.384~0.749:無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
キャスター/トレール 26°30′/90mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70-12 51L(チューブレス)/130/70-12 56L(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED/LED
乗車定員 2名
ホンダ・CT125ハンターカブを味見した感想。いくつか挙げてみた。

ハンターカブのコンセプトを継承して現代によみがえったCT125は、発表と同時に予約が殺到し、いまも納車待ちのユーザーが何千人と控えている大人気モデルだ。アウトドアテイストいっぱいのCT125は果たしてどんな走りを提供してくれるのか、期待に胸を膨らませてツーリングに出てみた。 REPORT●栗栖国安(KURISU Kuniyasu) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) ※2020年に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/14815/
排気量125ccの原付二種なのに車重は180kg。|ガチムチ系本格クルーザー、レオンアート・PILDER 125試乗

1985年にスペインで会社設立後、2004年に現在のブランドが立ち上げられたLEONARTモーターサイクル。原2小排気量バイクとして革新的なインパクトと満足度を提供すべく、個性的な製品開発を目指すと言う。その中で最上級の仕上がりを誇るフラッグシップモデルがPILDER 125である。 REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) 取材協力●ウイングフット株式会社(https://leonartmotors.jp/) ※2020年9月9日に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/14448/
【2021年】250ccバイクおすすめ17選|人気国内モデルを一覧紹介!

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https://motor-fan.jp/bikes/article/8145/
【気になる一台】51PSフルパワー! インドネシア仕様のカワサキNinja ZX-25Rに乗った。

先日国内リリースされたばかりのNinja ZX-25Rにとって、気になる存在が国内仕様より一割以上パワフルなインドネシア本国モデルである。ラム圧加圧時には51psを発揮する。おそらく国内で一般に流通することはないだろうが、じつは並行輸入車がレンタルバイクとして借りられる。モーターファンBIKES取材班は、取り扱いを開始したばかりの「和光2りんかん」に出向き試乗してみた。 REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) 取材協力●和光2りんかん ※2020年10月27日に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/12810/