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カタログ値6.3PS! という割には速くない。
JOGアプリオを選んだ理由の一つがカタログ値6.3PS(6.21HP)の最高出力。ファーストインプレッションでは、軽い! 出足もビュッ! 狭い路地での右左折も苦にならず、エンジン音&排気音も大きくないからご満悦! ……だったのですが、いざ住宅街を飛び出して、幹線道路を走ってみると今度は印象が一転。それほど速くはないように感じる。スロットルを開けるとエンジンはスムーズに回るし、駆動系も変なひっかかりなんかもなく変速してくれるんだけれど。
原付一種(50cc)の制限速度は30km/hなので、まあ十分な速度は出ているのだが、かつての記憶では2スト50ccはもっと速い乗り物だったような……。
じつはこのアプリオは、早々にパワーアップチューンを行う予定。なので、その前にシャシーダイナモで、基礎的なポテンシャルを測っておくことにした。
今回協力してくれたのは、埼玉県越谷市に店舗を構える老舗のバイクショップ、エムファクトリー 。シャシーダイナモのブランドの一つ「ダイノスター」のアジア地区総発売元/日本輸入販売元でもある。
さっそくアプリオをダイナモに掛ける。結果は最高出力3.0HP。メーカーカタログ値である6.3PS(6.21HP)の半分と大きく乖離している。
エムファクトリー代表の三保田さんに話を聞く。
今回のパワーチェックに全面的に協力してくれた、エムファクトリー代表の三保田さん。 「バイクメーカーがカタログに記載してる最高出力・最大トルクの数値は、クランク軸からエンジンそのものの性能を計測するエンジンダイナモメーターが用いています。それに対し、一般的に用いられる後輪出力による計測は、駆動系を介してダイナモのローラーを回すので、ロスが発生します。メーカーカタログ値よりも小さな数値になるのが一般的です。
スクーターの場合はVベルトを介して動力を伝達しているので、よりロスが大きくなる傾向にあります
今回のダイナモを使ったパワーチェックは、メーカーの数値と比較するのではなく、自身のバイクが整備やチューニングに対して、どう変化したかを可視化する手段として活用するのが良いと思います」
ただし、今回の最高出力3.3HPという小さな数値に対しては、三保田さんも「車体に何らかの要因がありそう。20年近く前の車両なので、消耗部品の程度をチェックしたら良いと思います。私見ではマフラーのエキパイの潰れが気になりますが。」と話す。
今後はこの結果を基準値に、ボアアップしたりとチューニングに手を入れて、最高出力の変化をお届けしていく予定ですが、まずは次回! 「あまり速くない」の現状をどのように解消するか(しかもあまりお金を掛けずに)、トライしてみます。
パワーチェックはエムファクトリー が全面協力!
バイクの販売、整備を手がける老舗のバイクショップ。ライディング時のバイクのホールド性を高めるタンクパッド「ストンプグリップ」の輸入販売元、今回のパワーチェックで使用したダイノスターの輸入販売元でもある。