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ソロキャンプにも人気! 長距離ツーリングや積載性に優れた「アドベンチャー」とは?
アドベンチャーとは、ラリー向けのレース用マシンなどをイメージしたジャンルを指す。一般的なアドベンチャーモデルの特徴は、縦長の大型フロントスクリーン、大径ホイールを採用。車種によっては前後の足周りを伸ばして伸縮ストロークに余裕を持たせ、最低地上高は高めに設定されている。
悪路も難なく走れるスペックは、このカテゴリーの魅力の一つで、メーカーのオフィシャルフォトなどでもなかなか過激な道を走行しているシーンが散見されるが、実際のところはこれほど本格的な使い方をせずとも、その魅力を大いに感じることができる。
先述のフロントスクリーンは長距離移動を大いに快適にしてくれるし、トップケース&パニアケースの積載があらかじめ考慮された車体設計もアドベンチャーの特徴。ツアラーとしての性能も備えており、ロングツーリング、キャンプ、アウトドア、レジャーに重宝するのである。
アドベンチャーはマラソンの中継車にも使用。その理由は?
強靭な足周りを備えたアドベンチャーの中には、タンデムシートが広く2人乗りのしやすさもモデルも多い。アドベンチャーのタンデム性の高さと安定感の良さ=積載性の高さと安定感の良さは、近年、マラソン中継でも評価されている模様。具体的には、後部座席にカメラマンを乗せて走る中継バイクが、ビッグスクーターからアドベンチャーにチェンジしているのだ。
2021年夏に開催された「2020 TOKYOオリンピック」のマラソン中継では、BMW R1200GSアドベンチャーの後部座席に乗り、大きなテレビカメラを右肩に抱えたカメラマンが、ファインダーを覗きながら、まるで曲芸のように「立ったままの状態」で長時間に渡り、先頭集団を撮影していた。
マラソンはオリンピックのフィナーレを飾る、全世界が見守る競技。中継時にバイクから滑落するなど、絶対に許されない。スタートからゴールまでの2時間強を中継するにあたり、中継担当者やカメラマンは、恐らく様々なタイプのバイクを試してみたはず。
その結果、カメラマンにとって、もっとも疲れにくくて撮影しやすく、しかも安定し、カメラのアングルも良好だったのがアドベンチャーだったと予測。特に「2020 TOKYOオリンピック」のマラソン中継では、アドベンチャーの後部座席から撮影するカメラが、走る選手を「一瞬、カメラ目線」にさせるほど接近。実に鮮明で、リアルな映像を捕えていたのが印象的だった。
そう考えれば、アドベンチャーとは、広いタンデムシートはもちろん、ビッグスクーターよりもサスペンションやホイールなどの足周りが吟味された「繊細なつくり」であることが理解できる。
オフロードや未舗装路の走破性に優れたモデルもあり!
一部のアドベンチャーは、アスファルトの舗装路に加え、林道や山道など未舗装路の走行も想定。オフロードモデル同様、もしくはオフロードモデルに近い足周りに設定されたマシンもあり、走行シーンを選ばないのが特徴。
なお、「クロスオーバー」と銘打ったホンダのVFR800XやNC750X。また、スズキのVストローム650XT ABSやVストローム650 ABS、ヤマハ TRACER9 GTは、アドベンチャーの外観ながら、基本的に足周りやタイヤはロード用としており、“ハードな”林道や山道など、凹凸の激しい未舗装路の走行を想定していない。頻繁に悪路を走行する場合は、ヤマハ Ténéré(テネレ)700など、未舗装路対応モデルがおすすめだ。
650~900ccクラスは、リッターモデル(1000ccクラス超)ほどヘビーではなく、400ccクラスや250ccクラスよりも余裕のパワーと怒涛のトルクが堪能できる。“ちょうどいいサイズの車格とパワー”を獲得した650~900ccクラスは、荷物をフルに搭載した状態でも、余裕の走りを発揮してくれるため、長距離を走るソロキャンパーにも支持されている。
ここでは価格が高い順に、新車で購入できる650~900ccクラスのアドベンチャーモデルを紹介しよう。一口に「アドベンチャー」といえど、各車ごとに異なる個性が盛り込まれている。
ツーリング、スポーツラン、“軽め”の林道もイケる、マルチな1台
ホンダ VFR800X 排気量:781cc 車両重量:246kg 最高出力:107馬力 悪路走破性:☆☆
街乗りやツーリングに特化したロードスポーツモデル「VFR800F」をベースに開発。外装に加え、足周りが大幅に変更され、オフロードでの走破性を向上させた。
エンジンはホンダ・ロードスポーツの最高峰としても名を馳せた、伝統の水冷4ストロークDOHC4バルブV型4気筒。エンジン回転数に応じてバルブ数を切り換える、ホンダ独自のバルブ制御機構「HYPER VTEC」を採用。低中回転域では2バルブとすることで、高速巡航時の燃費性能に貢献しながら、トルクとレスポンスをアップ。
VFR800Fに比べ、フロントサスペンションのストロークは25mm、VFR伝統の片持ち式プロアームを採用したリヤのアクスルトラベルは28mm延長。最低地上高は135mmから165mmへと30mm拡大し、十分なロードクリアランスを確保。
荷物積載時でもよく動くサスペンションとアップハンドルの組み合わせは、“適度な”ダート走行の安定感も良好。後方に体重をかけられるポジションも相まって、安心感も高い。ライダーの好みや体格に合わせ、シート高は2通り(835mm、815mm)の選択が可能。
メーカー | 本田技研工業(HONDA) |
モデル名 | ホンダ VFR800X |
全長×全幅×全高 | 2,190mm×870mm×1,385mm |
軸間距離 | 1,475mm |
最低地上高 | 165mm |
シート高 | 835/815mm |
キャスター/トレール | 26° 30′/103mm |
最小回転半径 | 2.8m |
車両重量 | 246kg |
エンジン | 水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ |
排気量 | 781cc |
最高出力 | 79kW(107ps)/10,250rpm |
最大トルク | 77N・m(7.9kgf・m)/8,500rpm |
内径×行程 | 72.0mm×48.0mm |
圧縮比 | 11.8 : 1 |
燃料タンク容量 | 20L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 27.4km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 19.2km/L |
タイヤ(前後) | 前 120/70ZR17M/C(58W) 後 180/55ZR17M/C(73W) |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダイヤモンド(アルミツインチューブ) |
価格 | 1,500,400円 |
公式サイト | 本田技研工業(HONDA)公式サイト |
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軽量フレームに、MT-09用の怒涛の120馬力!DOHC3気筒888ccエンジン搭載
ヤマハ TRACER9 GT 排気量:888cc 車両重量:220kg 最高出力:120馬力 悪路走破性:☆
舗装路での超距離走行、勾配の激しい峠道などでのパワフルさ、積載性の高さ、積載時の走行安定性に主眼を置いて設計されたアドベンチャーツアラー。120馬力を発揮する、ロードスポーツモデル「MT-09」にも搭載の水冷4ストロークDOHC3気筒4バルブ888ccエンジンを搭載。ボア×ストロークは、高回転域でパワーを稼ぐ、スポーティな78.0mm×62.0mmのショートストローク型に設定。放熱性に優れるダイレクトメッキシリンダー、馬力ロスを低減するオフセットシリンダー、YCC-T(電子制御スロットル)など、最新の機構を備えているのがポイント。
新設計の軽量フレームは、直進安定性と操縦性を両立させるため、縦・横・捩り剛性のバランスを最適化。フレームに合わせ、新たに新設計したロング型スイングアームは、アルミパネルを溶接したボックス構造により、高剛性と軽量化を両立。
車両挙動のきめ細かな制御を支える「IMU」、KYB製電子制御サスペンション、クイックシフター、D-MODE(走行モード切替システム)、クルーズコントロールシステムなど、最新の電子制御システムも装備。
レバー操作で簡単に高さ調整(5mm単位で10段階)できる大型のフロントスクリーン、ダンパー内蔵型のサイドケース取り付け用ステーなど、アドベンチャーとして相応しい機能も導入済み。
メーカー | ヤマハ発動機(YAMAHA) |
モデル名 | ヤマハ TRACER9 GT |
全長×全幅×全高 | 2,175mm×885mm×1,430mm |
軸間距離 | 1,500mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 825/810mm |
キャスター/トレール | 25°00′/108mm |
最小回転半径 | – |
車両重量 | 220kg |
エンジン | 水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ |
排気量 | 888cc |
最高出力 | 88kW(120ps)/10,000rpm |
最大トルク | 93N・m(9.5kgf・m)/7,000rpm |
内径×行程 | 78.0mm×62.0mm |
圧縮比 | 11.5 : 1 |
燃料タンク容量 | 18L(無鉛プレミアムガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 30.5km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 20.4km/L |
タイヤ(前後) | 前 120/70ZR17M/C(58W) 後 180/55ZR17M/C(73W) |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダイヤモンド |
価格 | 1,452,000円 |
公式サイト | ヤマハ発動機(YAMAHA)公式サイト |
スクーター的なスタイリングが特徴。フラットダート走行も得意!
ホンダ X-ADV 排気量:745cc 車両重量:236kg 最高出力:58馬力 悪路走破性:☆☆
クラッチレバー操作を省いたホンダ自慢のDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を、スクーター型のボディに組み込んだ近未来型コミューター。エンジンは力強いトルク特性で燃費性能に優れる、水冷4ストローク直列2気筒OHC 4バルブ745cc。最高出力は58馬力とやや控えめ。
フレームはスチール製パイプの構成とした、新設計のダイヤモンド形式を採用。各部の板厚を最適化することにより、フレーム単体で約1kgの軽量化を実現。58馬力のエンジン出力に対応させつつ、より一層軽快な運動性能を獲得している。
シート下のラゲッジスペース容量は、前モデルのフレーム形状を見直すことで22Lに拡大。ラゲッジスペース内には荷物の確認に便利なラゲッジライトとUSBソケットを標準装備し、日常での使い勝手を向上。
減衰力調整機能付きのΦ41mm倒立型フロントフォーク、プロリンク式スイングアーム、アドベンチャーテイスト溢れるアルミ製スポークホイール(ステンレススポーク採用のチューブレスタイヤ仕様)、ブロックパターンタイヤを採用し、舗装路はもちろん、荒れた舗装路やフラットダート(凹凸の少ない未舗装路)での軽快な走りも実現。
メーカー | 本田技研工業(HONDA) |
モデル名 | ホンダ X-ADV |
全長×全幅×全高 | 2,200mm×940mm×1,340mm |
軸間距離 | 1,580mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 790mm |
キャスター/トレール | 27゜00′/104mm |
最小回転半径 | 2.8m |
車両重量 | 236kg |
エンジン | 水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ |
排気量 | 745cc |
最高出力 | 43kW(58ps)/6,750rpm |
最大トルク | 69N・m(7.0kgf・m)/4,750rpm |
内径×行程 | 77.0mm×80.0mm |
圧縮比 | 10.7 : 1 |
燃料タンク容量 | 13L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 42.5km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 27.7km/L |
タイヤ(前後) | 前 120/70R17M/C(58W) 後 160/60R15M/C(67H) |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダイヤモンド |
価格 | 1,320,000円 |
公式サイト | 本田技研工業(HONDA)公式サイト |
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優れたオフロード走破性とツーリング機能を獲得
ヤマハ Ténéré(テネレ)700 排気量:688cc 車両重量:205kg 最高出力:72馬力 悪路走破性:☆☆☆
Ténéré(テネレ)700は、乗車姿勢自由度に優れた車体、高い耐久性や整備性、荷物積載時の高い適応力など、オフロードの走破性とツーリングでのユーティリティ性を高次元でバランスさせた、生粋のアドベンチャーモデル。
低中回転域での豊かなトルクと、高回転域の伸びやかさが特徴のエンジンは、水冷4ストローク直列2気筒DOHC 4バルブ270度クランクの688cc。72馬力のエンジン特性に合わせ、2次減速比を最適化し、本格的なオフロードライディングと日常的な市街地走行での扱いやすさを両立している。
Φ43mm径&ストローク210mmの倒立型フロントサスペンションは、優れたフロント接地感とショック吸収性を引き出すセッティング。新設計のリンク式モノクロスサスペンション、オン・オフ切替え可能なABS標準装備の前後ディスクブレーキ、軽量スポークホイール、ピレリ製の前後タイヤなど、足周りも充実。
エアクリーナーボックスは吸気ダクトの向きを進行方向とし、後輪からの砂埃等の吸い込みを抑制するなど十分な吸気容量を確保。オフロードで高い走破性を発揮する機能が随所に盛り込まれている。
メーカー | ヤマハ発動機(YAMAHA) |
モデル名 | ヤマハ Ténéré700 |
全長×全幅×全高 | 2,370mm×905mm×1,455mm |
軸間距離 | 1,595mm |
最低地上高 | 240mm |
シート高 | 875mm |
キャスター/トレール | 27°00′/105mm |
最小回転半径 | – |
車両重量 | 205kg |
エンジン | 水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ |
排気量 | 688cc |
最高出力 | 53kW(72ps)/9,000rpm |
最大トルク | 67N・m(6.8kgf・m)/6,500rpm |
内径×行程 | 80.0mm×68.5mm |
圧縮比 | 11.5 : 1 |
燃料タンク容量 | 16L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 35.0km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 24.0km/L |
タイヤ(前後) | 前 90/90-21M/C 54V(チューブタイプ) 後 150/70 R18M/C 70V(チューブタイプ) |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダブルクレードル |
価格 | 1,265,000円 |
公式サイト | ヤマハ発動機(YAMAHA)公式サイト |
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街中、高速道路、長距離ツーリング、峠、フラットダートもOK。コスパも良好!
スズキ Vストローム650 XT ABS【650 ABS】 排気量:645cc 車両重量:215kg【212kg】 最高出力:69馬力 悪路走破性:☆☆
街中や高速道路、峠、林道や山岳路などのフラットダート(凹凸の少ない未舗装路)まで、長距離ツーリングを快適に楽しむことができる、スズキのスポーツアドベンチャーツアラー。Vストロームシリーズ共通イメージのスタイリングと、縦型2灯ヘッドライトが大きな特徴。
69馬力を発揮する、排気量645ccの水冷4ストローク・90°VツインDOHC4バルブエンジンは、低回転域での鼓動感、中回転域の力強い立ち上がりから高回転域までのスムーズな出力特性を実現。
シリンダーヘッドは1気筒あたり2本のスパークプラグを持つ、スズキデュアルスパークテクノロジーを採用。スパークプラグは、高着火性ニッケルスパークプラグを採用。高い燃焼効率により、スムーズな出力特性と高い燃費性能と排出ガス低減に貢献。
正立型フロントフォークは、大型荷物を積んだ長距離走行、タイトなコーナーが続くワインディングにも対応。剛性感とスムーズな作動フィーリングを両立したリヤサスペンションは、路面追従性の高いリンク式モノショックを採用。
リヤショックは無段階調整の伸び側ダンピングアジャスターを装備。また、タンデム時や大きな荷物の積載時にスプリングプリロードを最適にする、工具不要の油圧式プリロードアジャスターも導入済み。
ホイールはフロント19インチ、リヤ17インチに設定。軽快なワイヤースポークホイールを採用した「Vストローム650 XT ABS」と、10本スポークの軽量キャストホイールを採用した「Vストローム650 ABS」の2種類あり。
メーカー | スズキ(SUZUKI) |
モデル名 | スズキ Vストローム650XT ABS 【Vストローム650 ABS】 |
全長×全幅×全高 | 2,275mm×910mm【835mm】×1,405mm |
軸間距離 | 1,560mm |
最低地上高 | 170mm |
シート高 | 835mm |
キャスター/トレール | 26゜ / 110mm |
最小回転半径 | 2.7m |
車両重量 | 215kg【212kg】 |
エンジン | 水冷4ストローク90°V型2気筒DOHC4バルブ |
排気量 | 645cc |
最高出力 | 53kW(69ps)/8,800rpm |
最大トルク | 61N・m(6.2kgf・m)/6,500rpm |
内径×行程 | 81.0mm × 62.6mm |
圧縮比 | 11.2 : 1 |
燃料タンク容量 | 20L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 35.5km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 24.2km/L |
タイヤ(前後) | 前 110/80R19 M/C 59V 後 150/70R17 M/C 69V |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダイヤモンド |
価格 | 968,000円【924,000円】 |
公式サイト | スズキ(SUZUKI)公式サイト |
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アクティブなアドベンルックが魅力的!パワーは控え目な58馬力
ホンダ NC750X 排気量:745cc 車両重量:214kg 最高出力:58馬力 悪路走破性:☆
ロングツーリングなど冒険心を駆り立てる、アドベンチャースタイルのクロスロードモデル。左右のシグネチャーランプと組み合わされたロービームと、ガーニッシュを挟んでその下方に独立させたハイビームによる特徴的な光源配置により、フロント周りの存在感を遺憾なくアピール。
控え目な58馬力のエンジンは、「X-ADV(上記参照)」に採用の、軽量コンパクトな水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ745cc。新設計ピストン採用をはじめとする軽量化と吸排気系の見直しにより、前モデルよりも燃費性能&出力を向上。
軽量化を実現した新設計ダイヤモンドフレーム、7段階のプリロード調整機構付きリヤサスペンション、タイヤのロックを回避するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を標準装備したディスクブレーキなど、舗装路を走るための足周りも充実。リヤ左右に設置するパニアケース、トップボックスなど、ロングツーリングに重宝するアクセサリーも充実。
スタンダードなMT仕様に加え、クラッチレバー操作を省いたDCT仕様もラインナップ(99万円)。DCT仕様は状況に応じ、適切なシフトアップ&ダウンを自動的に行う「ATモード」に加え、シフトスイッチにより任意に変速できる「MTモード」を設定。減速時には自動的にブリッピングを行うことで回転数を調整し、シフトダウンに伴うショックを低減してくれる。なおDCT仕様は大型二輪・AT限定で乗車可能。
メーカー | 本田技研工業(HONDA) |
モデル名 | ホンダ NC750X |
全長×全幅×全高 | 2,210mm×845mm×1,330mm |
軸間距離 | 1,525mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 800mm |
キャスター/トレール | 27゜00′/110mm |
最小回転半径 | 3.0m |
車両重量 | 214kg |
エンジン | 水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ |
排気量 | 745cc |
最高出力 | 43kW(58ps)/6,750rpm |
最大トルク | 69N・m(7.0kgf・m)/4,750rpm |
内径×行程 | 77.0mm×80.0mm |
圧縮比 | 10.7 : 1 |
燃料タンク容量 | 14L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
ミッション | 6速 |
燃料消費率・定地燃費値 | 43.0km/L(60km/h) |
燃料消費率・WMTCモード値 | 28.6km/L |
タイヤ(前後) | 前 120/70ZR17M/C(58W) 後 160/60ZR17M/C(69W) |
ブレーキ(前後) | 前 油圧式ダブルディスク 後 油圧式シングルディスク |
フレーム | ダイヤモンド |
価格 | 924,000円 |
公式サイト | 本田技研工業(HONDA)公式サイト |
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上記モデルの主要スペック・まとめ
バイク名 | 排気量 | 車両重量 | 最高出力 | ※パワーウエイトレシオ | 悪路走破性 | 価格 |
ホンダ VFR800X | 781cc | 246kg | 107ps/10,250rpm | 2.29 | ☆☆ | 150万400円 |
ヤマハ TRACER9 GT | 888cc | 220kg | 120ps/10,000rpm | 1.83 | ☆ | 145万2000円 |
ホンダ X-ADV | 745cc | 236kg | 58ps/6,750rpm | 4.06 | ☆☆ | 132万円 |
ヤマハ Ténéré700 | 688cc | 205kg | 72ps/9,000rpm | 2.84 | ☆☆☆ | 126万5000円 |
スズキ Vストローム650 XT ABS | 645cc | 215kg | 69ps/8,800rpm | 3.11 | ☆☆ | 96万8000円 |
スズキ Vストローム650 ABS | 645cc | 212kg | 69ps/8,800rpm | 3.11 | ☆☆ | 92万4000円 |
ホンダ NC750X | 745cc | 214kg | 58ps/6,750rpm | 3.68 | ☆ | 92万4000円 |
どのモデルも200kg超のヘビーな重量だが、街乗りのしやすさ、ロングツーリングでの快適性、高い積載性、重量物を積んだ時やタンデム時の安定性の良さなどに主眼を置き、設計されているのがポイント。ただし最高出力や悪路走破性は異なる。
650~900ccアドベンチャーの最高出力は、58~120馬力まで実に幅広い。特にヤマハ TRACER9 GTは、最高出力が超ハイパワーな120馬力で、しかもパワーウエイトレシオが1.83というロードスポーツ並の数値。650~900ccアドベンチャーの中では、群を抜いたポテンシャルを発揮する(ただし悪路走破性は高くない)。
このクラスのアドベンチャーは、価格が92万円台~150万円台と、非常に価格帯が広いのが特徴。また、フラットダート(激しい凹凸のない未舗装路)以上の悪路を走破しやすいモデルも多数。予算や用途に合わせ、自由に選べるのが嬉しいところだ。
必要な免許は「大型自動二輪」
大型二輪免許 難易度★★☆ 取得可能な年齢:18歳
大型自動二輪免許は、排気量400ccを超えるバイク、もしくは定格出力が20kWを超えるバイクに乗車できるライセンス。排気量や定格出力を問わず、すべてのバイクに乗車できる、バイク免許の最高峰だ。
大型自動二輪免許には、「小型限定普通二輪免許」や「普通二輪」と同じく、スクーターに加え、ビッグバイクに採用の最新システム『DCT(Dual Clutch Transmission)』など、左手による手動式クラッチ操作なしの車両(排気量の制限なし)のみ運転可能な『AT限定』。また、すべてのバイク(排気量の制限なし)を運転できる『限定なし』の2種類あり。詳しくは下記参照。