ホンダ・スーパーカブ110に試乗|ハンドリングはなかなか良い、バンク角はやや浅め。

ホンダ・スーパーカブ110
ホンダ・スーパーカブ110
2009年にスーパーカブ90の後継として誕生したスーパーカブ110。2012年に生産拠点が中国に移管され、角型ヘッドライトへとデザインを変更するも、2017年のモデルチェンジの際に再び熊本製作所で作られるようになった。シリーズで最もベーシックなスーパーカブの魅力に迫ろう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ライディングポジション&足着き性(175cm/66kg)

ハンドルが近く、全体的にコンパクトなライディングポジション。シートは座面が広くて座り心地が良く、レッグシールドは風雨や泥跳ねから下半身を守ってくれる有益な装備だ。
シート高は735mmで、派生モデルのクロスカブ110よりも49mm低い。ご覧のとおり足着き性は優秀で、またがったままでの押し引きも楽チンだ。ステップは非可倒式となっている。

ディテール解説

ピストンオイルジェットやローラーロッカーアーム、オフセットシリンダーなどを採用した109cc空冷SOHC2バルブ単気筒。2017年モデルからオイルフィルターがカートリッジ式に。
つま先側を踏むとシフトアップ、かかと側でシフトダウンする伝統のシーソー式チェンジペダル。遠心シュー式クラッチを採用しているため、左手によるクラッチ操作は不要だ。
フロントサスは90時代のボトムリンク式から110ではテレスコピックフォークへ。ブレーキは前後ともドラム式で、フロントはφ130mm、リヤはφ110m。ABSや前後連動式は非採用。
四角断面パイプのスイングアームにタンデムステップが取り付けられる。フルカバードのチェーンケースは110で鉄から樹脂製へ。2017年モデルでチェーンをサイズアップした。
メーターは指針式の速度計と燃料計、そして積算計のみというシンプルな構成。速度計の内側にある数字はシフトチェンジの目安だ。バックライトがLEDのため視認性は悪くない。
スーパーカブのウインカースイッチは伝統的に右側(クロスカブ50や50/110プロなど)にあるのだが、この110は一般的なプッシュキャンセル式のスイッチを左側に設けている。
2009~2011年モデルもヘッドライトは丸型だったが、それよりも小径化され、LEDを採用。
テールランプの形状は2020年に二輪車灯火類基準に関する法規対応品にアップデートされている。
シートは工具なしで開けることが可能で、その下にある燃料キャップはキーロック式だ。
乗車定員は2名だがタンデムシートはなし。また、リアキャリアは最大積載量の表記なし。

スーパーカブ110主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BJ-JA44
全長(mm) 1,860
全幅(mm) 695
全高(mm) 1,040
軸距(mm) 1,205
最低地上高(mm) 135
シート高(mm) 735
車両重量(kg) 99
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L)
 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 62.0(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値(クラス) 67.0(クラス1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 1.9
エンジン型式 JA10E
エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm³) 109
内径×行程(mm) 50.0×55.6
圧縮比 9.0:1
最高出力(kW[PS]/rpm) 5.9[8.0]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 8.5[0.87]/5,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式(キック式併設)
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 4.3
クラッチ形式 湿式多板ダイヤフラムスプリング式
変速機形式 常時噛合式4段リターン
変速比
 1速 2.615
 2速 1.555
 3速 1.136
 4速 0.916
減速比(1次/2次) 4.058/2.500
キャスター角(度) 26° 30´
トレール量(mm) 73
タイヤ
 前 70/90-17M/C 38P
 後 80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式
 前/後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式
 前 テレスコピック式
 後 スイングアーム式
フレーム形式 バックボーン

製造国 日本

キーワードで検索する

著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…