連載

モトチャンプCH.

ミニマムなサイズであるにもかかわらず本格的な走行性能を備えていることで人気のホンダ・グロム。走行性能を表すように戦闘的なスタイルだったことも魅力だが、2021年にフルモデルチェンジされて印象を大きく変えた。ボディパネルを着せ替え可能な設計としたことでシンプルながら魅力あるスタイルに生まれ変わったのだ。また走りの良さで定評あるグロムにとり、大きな話題が5速ミッションを採用したことだろう。よりクロスしたギア比になったことでスポーツ走行時の楽しさや速さが期待できるし、ミッションに合わせてエンジンも新設計されている。ここまで大きく変わると旧型と比較してみたくなるもの。そこでモトチャンプは新旧グロムをサーキットに持ち込みテストしている。今回はその模様をお届けしよう。

ケニー佐川(左)とモトチャンプ編集長のチャボがお届け。

紹介するのはユーチューブで無料配信されている動画チャンネル「モトチャンプTV」の中から、新型車研究所というコーナーにある「新旧グロム サーキット比較インプレッション」というプログラム。モトチャンプTVではすっかりお馴染みの編集長チャボとジャーナリストのケニー佐川がお届けしているが、今回はさらにサプライズゲストを招いている。

元ホンダワークスライダー登場!

なんと今回はホンダの元ワークスライダーにして日本人初のスーパーバイク優勝経験を持つ武田雄一さんがゲストライダーとして参加しているのだ。グロムをサーキットでテストするには最適な人物の登場ということで、新型グロムの真の姿を的確に語ってくれることだろう。それでは動画を見てみよう。

3人のトークはズバリ走りの変化から始まる。

武田さんを交えたトークでは、いきなり新型グロムの走りが大きく変わり違うジャンルのバイクのようになったと語られ始める。新型と旧型の違いは誰が乗っても感じられるほどに大きなもので、5速ミッションとなったことでサーキットでの走り方が俄然良くなったというのだ。これは武田・佐川両氏ともに意見が揃い、おそらく誰もが感じるポイントになっているようだ。

スタイル上でも操作面でも印象が異なるシート(写真は旧型)。

またライディングスタイルに大きな違いとなって表れたのがシート形状。スタイル面でも大きく違うポイントだが、実際に乗車してサーキットなどを本気で攻めると新旧ではまるで違うというのだ。上画像は旧型グロムのシートだが、見るからにホールド性が良さそうな反面、後ろ寄りに座りたくても高さがあるため難しい。これはスポーツ走行時に大きなハンデとなるそうで、新型のフラットなシートは好きなポジションに変えられるから本気の走りには有利なのだ。

旧型のライポジ。
新型のライポジ。

武田さんにまたがってもらいライポジを比較してみると、確かに新型のシートだと自由度が高いことがわかる。旧型のシートはホールド性こそ良いものの、体格によってはポジションを変えることが難しくなってしまうのだ。こんなところからも冒頭に述べられたような「ジャンルの違うバイクのようだ」という表現に繋がっているのだろう。

旧型を武田さんがテストライド。
同じく旧型をケニー佐川がテストライド。

今回のサーキットテストでは武田さんとケニー佐川が新型と旧型を乗り比べるというスタイルで行っている。舞台はサーキット秋ヶ瀬でミニバイクレースはもちろん、モトチャンプ杯でも有名なコース。このコースではケニー佐川だと3速までしか使わないということだが、新型では4速まで使えるようになったことが印象的だそうで、乗りやすさがまるで異なるというのだ。これは気になるポイントだろう。

新型を武田さんがテストライド。
新型をケニー佐川がテストライド。

武田さんも基本的にケニー佐川と同じ意見で、タイムを狙うことを考えなくても新型の5速ミッションは好印象だという。自分好みのギアを選択できることでライディングの楽しさや「攻めている感」を得られやすいというのだ。武田さんは今回、あえてサーキットだけでなく一般道でもテストされている。その印象も語ってくれていて、渋滞路から街中までさまざまなシーンで乗りやすく素直に良いと思われたそうだ。サーキットでの限界走行だけでなく、一般道で楽しく感じられることは非常に大事なポイントだろう。

ラップタイムなどはモトチャンプ2021年6月号に掲載されている。

今回のサーキットテストの結果はモトチャンプ本誌2021年6月号に詳しく掲載している。動画ではタイムなどの具体的な情報は公開されていないので、どれくらい差があるのか確認するならモトチャンプ本誌を手にとっていただきたい。

新型にはシフトポジションインジケーターが装備された。

乗りやすさにつながるポイントとして両氏ともに挙げているのが、メーターが大きくなって視認性が改善されたこと。さらに新型ではメーター内にシフトポジションインジケーターが装備されるようになった。ここを大きく評価しているところが興味深い。排気量の小さな原付2種で5速ミッションだと、街中からツーリングと場面が変わってもシフトチェンジする回数が必然的に多くなる。だからこそ今のギアポジションを確認できるのはありがたいし乗りやすさに直結しているのだ。

新型は旧型より3万3000円高くなった。
エンジンが新型になり最高出力も上がっている。

これだけ大きく変わった新型グロムだが、気になるのは新車価格だろう。旧型より3万円以上高くなってしまったのだが、十分に差額以上の価値があると語っている。また、カスタムする楽しみも広がりそうだと武田さんが語っているように、ルックスや装備の変更だけでなくエンジンチューニングなどにも適している新型グロム。動画を見ているだけで楽しそうなバイクだということが伝わってくる。ぜひ試乗して楽しさを実感してみたいと思わせる内容だった。

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