紳士が乗るべきカフェレーサー、トライアンフ・スピードトリプル1200RR試乗レポート

トライアンフのバリエーション展開は5つのカテゴリーに分類されているが、その内の“ROADSTERS ”には、いずれもトリプル(直列3気筒)エンジン搭載の660~1200まで4機種が揃えられている。今回試乗したスピードトリプル1200 RRは、2021年に登場したネイキッドスポーツの同RSをベースに開発。同シリーズの頂点に君臨すべく、2022年に投入された最新鋭の最上級モデルである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン/日本自動車輸入組合(JAIA)

ディテール解説

フレームマウントされたアッパーカウルが新鮮。古きロケットカウルを彷彿とさせるが、そのモダンなデザインはなかなか美しい。

ドイツ産ピレリ製SUPERCORSA SPを履く。フェンダーはカーボン製。フロントフォークはφ43mm倒立式フルアジャスタブルのオーリンズ製。ラジアルマウントされたブレンボ製油圧キャリパーは対向4ピストンのモノブロック式。ローターサイズはφ320mm。

ツインスパーフレームはアルミニウム製。マスの軽いクランクがマッチされた水冷直(並)列3気筒エンジンを搭載。高圧縮比を稼いだシリンダーヘッドにはDOHC12バルブが収められている。

サイドアップマウントされたステンレス製マフラー。この前に3into1アンダーマフラーを経ている。

オーリンズ製ボトムリンク式モノショックサスペンションを装備。フロントと共に“スマートEC 2.0 OBT”システムと呼ばれる電子制御式が採用されている。

ご覧の通りスイングアームは片持ち式。アルミ製で左サイドから、大径中空アクスルを支持している。

アルミトップブリッジの下部でクリップオンされたセパレートハンドルが採用されている。

下から順に赤いのがホーン、その右側はジョイスティック、上はウインカー、MODEボタン。左はデイタイムランニングライトスイッチ。右はオートクルーズコントロール用。人差し指で扱う赤いのがハイビームスイッチ。
左側と同様、夜間でも見やすい透過光式のスイッチ。下から順にディスプレイのメインメニューを表示するホームボタン、赤いのがエンジン始動及び停止スイッチ。上はハザード。さらに奥のグレーボタンはステアリングロック用。

フルカラーの5インチTFTディスプレイを採用。メーターは反射が少なく、色鮮やかなデザインで見やすい。

ステッチがあしらわれた上質なシート。リヤシートカバーは脱着式。純正アクセサリーのテールバック(32,769円)が搭載できる。

伸び圧減衰が自動的に電子制御されるオーリンズ製セミアクティブサスペンションが装備されている。
ヘアライン仕上げの綺麗なステンレスプレートがあしらわれたスマートキー。

後方へ跳ね上げてフィニッシュされたテールビュー。ナンバープレートステーや後席用ステップステーはシートレール下部でボルトオンされている。

主要諸元

エンジン形式:水冷並列3気筒DOHC12バルブ
排気量(cc):1160
ボア・ストローク(mm):90.0×60.8
圧縮比:13.2:1
最高出力(kW/rpm):132.4(180PS)/10,750
最大トルク(Nm/rpm):125/9,000
吸気システム:マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射、電子制御式スロットル
エグゾーストシステム:ステンレス製3 into 1マフラー
潤滑方式:ウェットサンプ(加圧潤滑)
潤滑油量(L):3.35
始動方式:セルフ式
バッテリー容量:12V8Ah(HjTZ14S-FPZ)

駆動方式:Xリングチェーン(RK 525、118リンク
クラッチ:湿式多板式、スリップアシスト
トランスミッション:6速
一次減速比:1,854(76/41)
二次減速比:2,588(17/44)
ギヤ比:
 1速:2.412(17/41)
 2速:1.955(22/43)
 3速:1.636(22/36)
 4速:1.417(24/34)
 5速:1.280(25/32)
 6速:1.192(26/31)

フレーム:アルミニウムツインスパー
リアフレーム:ボルトオンアルミニウム製リヤサブ
スイングアーム:片持ち式アルミニウム
ホイール(前/後):鋳造アルミニウム17x3.5インチ /17x6インチ
タイヤ(前/後):120/70 ZR17(58W) /190/55 ZR17(75W)
サスペンション(前/後):オーリンズ製φ43mm倒立式/ オーリンズ製モノショック
サスペンションストローク(mm前/後):120/120
ブレーキ(前/後):φ320mmフローティングダブルディスク、Brembo製モノブロックキャリパー/φ220mmシングルディスク、Brembo製2ピストンキャリパー

全幅(mm):758
全高(mm):1,120 (除くミラー)
シート高(mm):830
ホイールベース(mm):1,439
キャスター:23.9º 
トレール:(mm):104.7
車両重量(kg):200
燃料タンク容量(L):15
燃料消費量(L/100km):6.3(15.9km/L)

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…