CB1300SF試乗レポート|オーリンズ&ブレンボ、SP仕様の足周りの効果は想像以上に強烈だ。|ホンダ

ビッグワンから脈々と続くCBスーパーフォアの遺伝子を受け継いだ、フラッグシップのCB1300SF。これにオーリンズ製の前後サスペンションとブレンボ製のモノブロックラジアルフロントキャリパーを追加した『SP仕様』を試乗。ワンランク上のポテンシャルを備えた上級版の乗り味やいかに!?

REPORT●川越 憲(KAWAGOE Ken)
PHOTO/EDIT●佐藤恭央(SATO Yasuo)

※2019年09月04日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ホンダ・CB1300SF
フロントブレーキにはブレンボ製のラジアルマウント式の対抗4ポッドキャリパーを採用している。このモノブロックキャリパーはCBR1000RRのSP仕様と同じものだ。またホイールはCB1100RS用のフロントホイールとディスクハブを流用している。
ホンダ・CB1300SF
フロントサスペンションはスタンダードのSHOWA製から、オーリンズ製の正立式に変更。SP仕様のオーリンズ製は車種専用設計のフルアジャスタブルタイプ。インナーチューブ径はスタンダードと同じΦ43mmのサイズ設定。
ホンダ・CB1300SF
フロントサスペンションは、伸び側と圧側の減衰を左右独立させたワンウェイカートリッジ仕様。右フォークが伸び側、左フォークが圧側で、それぞれ20段階調整が可能。
ホンダ・CB1300SF
純正ではSHOWA製だが、SPはオーリンズ製のフルアジャスタブルタイプに変更。Φ49mmのリザーバータンクを装備。圧側の減衰調整は20段。
ホンダ・CB1300SF
リヤブレーキはスタンダードと同じシングルディスク&2ポッド対向キャリパーの組み合わせ。キャリパーはニッシン製。スイングアームはブラック塗装されている。
ホンダ・CB1300SF
マフラーは2017年モデルから直4の伸び感のある排気サウンドを強調する小型2室構造マフラーが装着された。アフターパーツメーカーの集合管に劣ることのない迫力のある排気音を奏でる。
ホンダ・CB1300SF
グラマラスな燃料タンク形状は、PROJECT BIG-1の初代CB1000SFから続く特徴。SP仕様のカラーリングは1982年に発売されたCB750F(FC)をモチーフとしている。
ホンダ・CB1300SF
ホンダ・CB1300SF

シート下スペースは容量11ℓ(最大積載量3kg)のスペースを確保。ETC2.0車載器スペースや外部電源ソケット(12V3A)も装備している。

ホンダ・CB1300SF
コクピットはバーハンドルのネイキッドモデルらしいオーソドックスなレイアウト。メーターの上部中央にはETCアンテナ装着用の台座が設けられている。
キャリパーの変更に合わせて、フロントマスター径も14mm→15.8mm(5/8インチ)に拡大。ブレーキホースの硬度も変更して専用セッティングが施されている。
ホンダ・CB1300SF
中央にデジタルパネルを配置し、砲弾型2連メーターと組み合わせたバランスの良いレイアウト。デジタルパネルには時計や温度、燃料残量計、ギアポジション表示のほか、ストップウォッチや瞬間/平均燃費、本日の走行距離なども表示できる。
ホンダ・CB1300SF
ブレーキレバーは6段階、クラッチレバーは5段階の調整が可能。
ホンダ・CB1300SF
左スイッチボックスにはグリップヒーターのリモコンスイッチが装備されている。
ホンダ・CB1300SF
左シートカウル下にプッシュタイプのヘルメットホルダーを標準装備する。シリンダーを汚れや水の浸入から守るキーシャッター付き。
ホンダ・CB1300SF
テールランプやウインカーはLEDを採用。ともにクリアレンズを採用して、カスタマイズ色を高めている。

主要諸元

※【 】内はCB1300 SUPER BOL D'OR SP仕様

車名・型式:ホンダ・2BL-SC54
全長(mm):2,200
全幅(mm):795【825】
全高(mm):1,135【1,215】
軸距(mm):1,520
最低地上高(mm):125
シート高(mm):790
車両重量(kg):268【274】
乗車定員(人):2
燃料消費率*1(km/L):
 国土交通省届出値定地燃費値 (km/h)…26.8(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値(クラス)…16.8(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.7
エンジン型式:SC54E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒
総排気量(㎤):1,284
内径×行程(mm): 78.0×67.2
圧縮比:9.6
最高出力(kW[PS]/rpm):81[110]/7,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):118[12.0]/5,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):21
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速…3.083
 2速…1.941
 3速…1.478
 4速…1.240
 5速…1.074
 6速…0.964
減速比(1次/2次):1.652/2.222
キャスター角(度):25゜00′
トレール量(mm):99
タイヤ:
 前…120/70ZR17M/C(58W)
 後…180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式:
 前…油圧式ダブルディスク
 後…油圧式ディスク
懸架方式:
 前…テレスコピック式
 後…スイングアーム式
フレーム形式:ダブルクレードル

■製造事業者/本田技研工業株式会社

ライダー・プロフィール

川越 憲(KAWAGOE Ken)

1967年生まれ。バイク誌を中心に活動するフリーのライター・編集。有限会社遊文社・代表取締役。愛車はBMW R1150GS・BUELL XB9SX・TZR250(1KT)など。最近NSR250R(MC18)を奥さんに内緒で購入し、言い訳を検討中……。
早稲田大学第二文学部文芸科卒。在学中からフリーライターとして週刊誌に執筆。一般週刊誌の他、経済誌・科学雑誌・就職情報誌・小動物専門誌等の編集を経て、学生時代からの趣味でバイク専門誌(内外出版社・BiGMACHINE)の編集に携わる。
なお、草野球とバレーボールとアニメ(主に80年代)と映画鑑賞(16mm映写技師免許所持)が好き。

ホンダ・CB1300SF
川越 憲

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著者プロフィール

川越 憲 近影

川越 憲

1967年生まれ。有限会社遊文社・代表取締役にしてバイク誌を中心に活動するフリーライター・編集者。現在…