ホンダ・ホーク11試乗|中身はアフリカツイン、見た目はネオレトロスポーツ。これは新鮮なアイデアだ。

2022年6月8日、山梨県は山中湖でホンダ・ニューモデルの報道試乗会が開催された。9月29日の発売に先駆けて登場したのは、ロケットカウル装備でネオクラシカルな雰囲気を醸すHAWK 11。1082ccの水冷OHCツインエンジンを搭載。全体的に大人のテイストを漂わす仕上がりが印象深い。果たしてその乗り味は如何に?

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

ディテール解説

サイドエッジ部でツートーンに塗り分けられたFRP製のカウルデザインは、シンプルかつ美しい仕上がりを魅せてくれる。7個のリベット止め処理されたクリアスクリーンや周辺景色の映り込みも綺麗。

フロントフォークはショーワ(日立Astemo)製SFF-BP倒立式を採用。120/70ZR-17サイズの装着タイヤはダンロップ製スポーツマックスGPR-300F。ラジアルマウントされた油圧キャリパーはNISSIN製対向4ポッド式。

搭載エンジンは右サイドカムチェーン方式、270度位相クランクを持つ水冷OHC直列ツイン。ユニカム機構が採用された気筒当り4バルブヘッドが採用されている。

2本のエキゾーストパイプはクランクケース前方で集合し、エンジン下部の右サイドを通り、右出しマフラーへと導かれる。ご覧の通り、マフラーエンドは2つの排気口が設けられている。・

プロリンク構造を備えたモノショックとアルミニウム製スイングアームを持つリアサスペンションを採用。ご覧の通り、ショックのアッパー部にはダイヤル式プリロードアジャスターが装備されている。

マフラー下部に覗くのはリアサスペンションのリンク機構。リアブレーキはφ256mmシングルディスクにNISSIN製シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。

クリップオンのセパレートハンドルを装備。低すぎることのない程よい高さにある。細いスチール製ステーを使用してフレームマウントされたロケットカウル。シングルメーターの採用等、懐かしさが感じられる。

下から順にウインカー、ホーン、ディマー&パッシング、右上から順にハザード、セレクト、モードスイッチ、
右側は赤いシーソースイッチがひとつ。上を押すとエンジンキルスイッチ、下側を押すと始動用セルスタータースイッチ。

回転計のみだった古き時代のレーシングマシンを彷彿とさせるシンプルなメーターデザイン。反転液晶ディスプレイが採用され、見やすく多彩な情報表示が成されている。

前後で表皮の仕上げを異にする、一体式のダブルシート。前席は長く、伏せ姿勢にもすんなりと対応する。
シートは車体左側のキーロックを解錠すると取り外しできる。バッテリー、ヒューズBOXの後方にETC2.0を標準装備。

ショートカットされたシートカウルもFRP製。リアエンドにLED式テール&ストップランプを装備。ウインカーはナンバープレートステー側に装着されている。

主要諸元

HAWK 11
車名・型式:ホンダ・8BL-SC85
全長(mm):2,190
全幅(mm):710
全高(mm):1,160
軸距(mm):1,510
最低地上高(mm):200
シート高(mm):820
車両重量(kg):214
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):33.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):21.2〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):3.4

エンジン型式:SC84E
エンジン種類:水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒
総排気量(㎤):1,082
内径×行程(mm):92.0×81.4
圧縮比:10.1:1
最高出力(kW[PS]/rpm):75[102]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):104[10.6]/6,250
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
バッテリー:YTZ14S [12V-11,2Ah(10HR)]
潤滑方式:圧送飛沫併用式
潤滑油量(L):5.2(交換時:4.0)
燃料タンク容量(L):14(無鉛レギュラーガソリン)
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速  2.866
 2速  1.888
 3速  1.480
 4速  1.230
 5速  1.064
 6速  0.972
減速比(1次/2次):1.717/2,470
キャスター角(度):25゜00′
トレール量(mm):98
タイヤ(前/後):120/70ZR-17M/C(58W) / 180/55ZR-17M/C(73W)
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 (倒立サス)/ スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式:セミダブルクレードル

試乗後の一言!

開発陣の思惑通り、飛ばさなくても“疾走感”が心地良い。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…