モトチャンプTVで用意されている動画を続けて紹介してきたので、番組のことはすでにご存知の方も多いことだろう。雑誌モトチャンプが誌面では紹介しきれない内容を無料動画として配信しているユーチューブプログラムで、チャンネルでは誌面同様に「カブ」や「スクーター」などジャンル分けされた名物企画が並んでいる。今回紹介するのは「新型車研究所」で取り上げた話題の125ccVツインエンジンを搭載するヒョースンGV125Sボバーだ。
今回の動画進行役はすっかりお馴染みの二人、モトチャンプ編集長のチャボ(写真右)とジャーナリストのケニー佐川。動画の冒頭ではこれまたお馴染みになった二人の掛け合いシーンが盛り込まれているので、クスリと笑っていただきたい。
ヒョースンと聞いてピンとこない人も多いのではないだろうか。スズキのモデルをOEM生産していた韓国のブランドで、OEMを終えた後も独自のモデルを開発発売しているのだ。現在ではクルーザー路線のみのラインナップとなっていて、2018年に発売されたのが今回紹介するGV125Sボバーなのだ。
GV125Sボバーの魅力は何といってもスタイルとそのサイズ感。車名にもなっているボバースタイルとは無駄を削ぎ落としたアメリカンタイプのことで、125ccモデルながら250ccや400ccクラスといっても通用するサイズとなっている。またアメリカンといえばVツインというくらい、エンジンにもこだわっている。通常125ccだとシングルエンジンが主流だが2気筒、しかもV型を採用していることに驚く。カタチだけではなく中身にもこだわった設計なのだ。
こだわったVツインエンジンだが、気になるのは出力特性やエンジン音だろう。動画でもエンジンを始動して排気音をチェックしているので、ぜひ聞いてほしい。また出力特性はやはり125cc。排気量が限られているためVツインらしい低回転での鼓動を楽しむというより、高回転まで回してパワーを稼いでいるようだ。大柄なスタイルだが、足つき性は良好。シート高は710mmしかないため、長身のケニー佐川だと写真のように両膝が曲がり余裕の足つき。またハンドル切れ角にも言及しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
GV125Sボバーの特徴の一つとして前後のブレーキが連動するシステム、CBSを採用していること。前後どちらのブレーキを片方だけ操作しても両輪に制動力がかかるのだ。ただ、これについてはケニー佐川からも指摘が。動画では実際に試乗する前にコンビブレーキをテストしている映像が流れるので、気になっている人は必見だ。
いよいよケニー佐川によるテストライドが始まる。まず語っているのがライポジについて。125ccモデルとは思えないほどゆったりしたポジションとなっている。これには低めのフラットバータイプになるハンドルも貢献して、腕まわりに余裕を生み出している。気筒あたり3バルブとなるVツインエンジンはやはり高回転型で、最高出力も1万回転付近で発生する。乗り心地はスタイル同様にゆったりした印象で、クルーザーとしての資質を高めているようだ。
走っていて感じられるのがハンドリングの特徴。前後ともにファットなサイズのタイヤを履いているため、ローリングした時の印象は「粘っこい」とのこと。またコーナリングも独特な味わい。リヤに15インチという珍しいサイズのタイヤを採用しているためか、あまりほかにはないタイプの印象となっている。テストライドを終えると、気になる純正パーツの流通状況なども語られている。輸入メーカーの場合、補修部品が国内に在庫されていないと手元に届くまで時間がかかることが多い。その点を編集長のチャボが輸入元に問い合わせて、安心できる状況にあることを確認しているのだ。
特徴的な部分が数多くあり、125ccのモデルとして注目すべきGV125Sボバー。気になるお値段は53万9000円とのことで、チャボも「高いな」という指摘。確かに安い買い物ではないが、大柄で無駄のないボバースタイルやVツインエンジンに価値を見出せることだろう。チャボが語っているようにリターンライダーに最適なモデルであるかもしれない。動画の最後の最後には前後連動ブレーキの意外な使い方を紹介している。タンデムする場合の楽しみ方として参考にして欲しい!