スポーティなスクーターの代名詞がヤマハ・シグナスX。発売から15年にも及ぶ長い歴史は、スポーティな性格が支持されてきたからこそ続いたといえる。さらにエンジンや足回りをカスタムするために豊富な社外パーツが流通していることも魅力で、カスタムシーンにも欠かせない存在だった。ところがエンジンが空冷から水冷に切り替わり車名もシグナスグリファスと変わった新型車が登場したことで、カスタム系ユーザーの動向が変わりつつある。また新型となったことで従来モデルが中古車として買いやすい状況になることも予想される。ある意味、これからシグナスXをカスタムしてみようと考えているなら、最終モデルである5型に注目すべきだろう。そこで今回はモトチャンプが無料配信しているユーチューブ動画の中から「スクーター研究所」としてシグナスX5型の魅力を再確認している動画を取り上げてみよう。
取り上げる動画「ブレずにスポコンなシグナスXの魅力再確認!」は、シグナスグリファスが発売される前に収録されたため若干内容に古さを感じる部分もあるのだが、シグナスXの最終モデルである5型を再確認するには最適な内容となっている。動画はダイジェストシーンから始まるのだが、嬉しいことに5型のスペックを改めて教えてくれる。わざわざ検索せずに教えてくれるから、動画1本で5型の知識が得られる構成となっているのだ。
すでに古いモデルではあるものの、改めてシグナスXの魅力を語るなら適任の二人が登場する。ジャーナリストのケニー佐川が試乗を含めて5型を語ってくれるうえに、モトチャンプ編集部でスクーターといえばこの人!とお馴染みのサンタサンも登場してシグナスXのカスタムポイントや特徴を紹介してくれている。もちろん司会進行は編集長のチャボだ。
シグナスXが4型から5型に進化したことで変更されたスタイルや性能的な部分をまずは紹介している。動画では5型のスタイルを前後左右から撮影しているので、どのようなデザインだったのか再確認することができる。このスタイルは今見ても古さを感じさせないしスポーツスクーターの基準のようなもので、編集長のチャボは15年前(動画収録は2021年)にシグナスXが発売された頃に「大きくて重い」と評価されたことを懐かしく回想している。
装備についてもタイヤサイズやデジタルメーターなどを筆頭に、改めて振り返っている。座ったまま給油口を開閉させることが可能な燃料タンクがフロント荷重に貢献していることなど、振り返ってみることでシグナスXのスポーティさの秘訣まで確認することができる。スポーティでいながらシート下のスペースが広く日常的な使い勝手を損なっていないこともシグナスXの魅力だった。こうして見ると5型に古さは微塵も感じないし、王道のモデルだったことも納得できる。まだまだ魅力たっぷりなスクーターだと気付かさせるのだ。
最後にケニー佐川が5型に乗ってインプレッションを語ってくれている。フロントタイヤを「ねちっこい」と評したうえで操作次第で非常に機敏なハンドリングであることを紹介。大柄ゆえにUターンなどでハンドルが膝と当たる場面もあるが、どうすれば解消できるかにも触れている。またスタートダッシュの鋭さはピカイチだから、ケニー佐川いわく「レーシングマインド」を備えていると評価。さらにタイヤを変えることで得られる楽しさやサスペンション変更による効果が歴然であることをサンタサンが紹介。純正のままでも乗ることが楽しいスクーターであるのだが、カスタムシーンを牽引してきた魅力についても語ってくれている。動画を見ているだけでシグナスXに乗りたくなってしまうこと必須。グリファスが発売された今だからこそ、改めて5型まで進化したシグナスXを振り返ってみたいものだ。