シンプルな空冷エンジン、車重122kgの軽さもいいぞ。|ホンダ・CRF 150Lに乗った! 思わず欲しくなった!

ホンダは国内市場に、アドベンチャーカテゴリーとしてCRF250Lと同RALLY をリリースしているが、125や中間排気量の公道仕様は揃えられていない。しかしグローバルな目で見るとアセアン諸国では程良いモデルが存在している。今回試乗したのは、CRF150L。オフロード好きや、バイクの楽しさを知る入門機種としても注目度満点な1台である。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●サイクルロードイトー指扇店 http://www.critoh.com

ディティール解説

ホンダ・CRF150

かなり凝ったデザインの多角異形ヘッドランプで精悍なフロントマスクを披露している。ヘッドランプは12V35/35Wのハロゲン球、ポジションランプは12V5Wの電球が使用されている。

ホンダ・CRF150

ゴールドのフロントフォークはφ37mm、リーディングアクスルの倒立式。21インチサイズのスポークホイールには黒のアルミリムが採用されている。ピンスライドの油圧キャリパーは2ピストン式。ペタルディスクはφ240mm。装着タイヤはIRC製TRAILS GP-21F。

ホンダ・CRF150

スチールパイプ製セミダブルクレードルフレームに搭載されたエンジンは、左サイドにカムチェーンが通る、SOHC2バルブの空冷単気筒。至ってオーソドックスな仕組みが魅力的。

ホンダ・CRF150

お気づきだろうか。始動方法は一般的なセルフ式に加えてキックアームも装備される併用式。キック不要論も理解はできるが、長年愛用するとキックの存在が有難いと思える時は少なく無いと思う。

ホンダ・CRF150

エキゾーストパイプはシリンダーの右脇を回り、フレームの中を通って右サイドにアップマウントされている。

ホンダ・CRF150

赤いコイルスプリングを持つリアサスペンションは、モノショックのボトムにリンク機構を持つプロリンク式。サスペンションストロークはアクスルトラベルで207mmを誇っている。

ホンダ・CRF150

押し出し整形材を使用したアルミ角断面式スイングアームを採用。ブレーキはNISSIN製シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。ディスクローターサイズはφ220mm。IRC製タイヤはTRAILS GP-22R。

ホンダ・CRF150

レンタルバイクにも使用される試乗車には、ETC機器とスマホホルダーが装備されていた。ブラックのパイプバーハンドルは剛性を高めるブリッヂ付き。

ホンダ・CRF150
ハンドル左側スイッチは下から順にウインカー、ホーン、ディマースイッチが並ぶ。
ホンダ・CRF150
ハンドル右側もオーソドックスなレイアウト。赤いのがエンジンキルスイッチ。下の黒いのが始動用スターター。
ホンダ・CRF150

コンパクトデザインながら、メリハリのある文字表示が見やすい、モノクロ液晶デジタルメーター。右上はオドメーターとA/Bトリップの表示が切り替えられる。

ホンダ・CRF150

スポーツライディングにも適応するスマートなロング・ダブルシート。体重移動がしやすく、足つき性も良い。

ホンダ・CRF150

すっきりとスマートなフィニッシュを魅せるリヤエンド。テールランプは12V21/5W、クリアレンズのウインカーには12V10Wのオレンジバルブが使用されている。

主要諸元

全長(mm):2,119
全幅(mm):793
全高(mm):1,153
軸距(mm):1,375 
最低地上高(mm):285
シート高(mm):869
車両重量(kg):122

エンジン種類:空冷4ストローク単気筒
動弁型式:SOHC
総排気量(cm3):149
内径×行程(mm):57.3×57.84
圧縮比:9.5
最高出力(kW/rpm):9.51(12.91ps)/8,000
最大トルク(Nm/rpm):12.43(1.27kgf・m)/6,500
吸気方式:PGM-Fi(電子制御式燃料)
点火装置形式:電子点火式(フルトランジスタ)
始動方式:セルフ&キック併用式
バッテリー:12V 3.5Ah(GTZ5S・メンテナンスフリー)
潤滑方式:ウェットサンプ式
潤滑油容量(L):1.2
燃料タンク容量(L):7.2
最小回転半径(m):2.1

クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式5段リターン
ギヤ比:
 1速:3.076
 2速:1.944
 3速:1.409
 4速:1.120
 5速:0.937
1次減速比:3.350
2次減速比:3.267(15丁/49丁)

フレーム形式:セミダブルクレードル
キャスター(度):27
トレール(mm):105
懸架方式(前/後):テレスコピック式(φ37mm倒立式)/スイングアーム・リンク式モノショック(プロリンク
サスペンションストローク(前/後mm):225/207(ホイールトラベル)
ブレーキ形式(前/後):φ240mmシングル油圧ディスク/φ220mmシングル油圧ディスク
タイヤ(前/後):2.75-21 45P/4.10-18 59P
ホイール(前/後):スポーク+アルミリム

製造国:インドネシア

試乗後の一言!

ホンダ・CRF150
近田茂

空冷エンジン、キック始動付きは貴重な存在。思わず次期愛車候補に!

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…