新しいドゥカティ・スクランブラーシリーズ。写真左から、レッドとブラックを基調にした「フルスロットル」、イエローとシルバーを基調にした「アイコン」、ブラックを基調にした「ナイトシフト」。

新型は伝統のデスモドロミックエンジンを2.5kg軽量化!レスポンスも向上

2014年に2015年モデルが発売されたドゥカティのスクランブラーシリーズ。スクランブラーシリーズは、同社のスポーツモデルやストリートモデルとは異なる、独立したブランドとして位置付け。スタンダードモデルの「アイコン」を筆頭に、これまでいくつかのモデルがシリーズ化されてきた。

空冷4ストロークL型2気筒803ccのデスモドロミック2バルブエンジンを搭載したモデルは、2019年モデルより登場。今回発表された2023年モデルは、タンクやテールのデザインを一新。また、シャシーのベースとなるトレリスフレームとスイングアームも変更された。

ドゥカティ伝統のデスモドロミックエンジンは細部を刷新。前モデルよりも約2.5kgの軽量化に成功し、各部のフリクションを低減してレスポンスを向上。また、「X」ロゴをあしらった新しいクラッチカバーなど、エンジン各部のカバー類を一新した。

ミッションはスポーティな6速リターン式とし、「ナイトシフト」と「フルスロットル」にはクイックシフターも標準設定済み(スタンダード版のアイコンはオプション設定)。また、シフトドラム動作部にはベアリングを導入し、よりスムーズで正確なシフトを可能にした。

前モデルに比べ、2023年モデルはシリーズ3モデルとも、車体重量を約4kg軽量化して扱いやすさを向上。新設計のホイールは、フロント18インチ、リア17インチの異型サイズに設定。フロントフォークとリアショックは前モデルと同様、倒立型フォーク&モノショック型が採用されている。

2023年モデルは最新の電子制御システムも充実!

2023年モデルは、便利な「ドゥカティ・マルチメディア・システム」が利用できる、新開発の4.3インチTFTメーターパネルを装備。また、灯火類はフルLED化。

2023年モデルは、車体を傾けた状態でのブレーキング時にグリップコントロールが可能な「デュアルチャンネル・コーナリング ABS」を新採用。

4段階設定+解除も可能な「トラクションコントロール」。通常走行に適した“Road”と、濡れたアスファルト路面の走行に特化した“Wet”の2種類から設定することができる「ライディングモード」も新たに導入された。

2023年モデルはスタンダード版の「アイコン」に加え、スポークホイールやフラット型バーハンドル、バーエンドミラー等を装備したレトロなカフェレーサースタイルの「ナイトシフト」、ローハンドルやショート型フロントフェンダー、エンジン底部にオイルパンガード等を装備した、シリーズの中でもっともスポーティな「フルスロットル」をラインナップ。好み・予算・用途に合わせ、自由にセレクトできるのがポイントだ。

Ducati World Première 2023 Episode 7 | Next-Gen Freedom

スクランブラーの標準モデル ドゥカティ スクランブラー(アイコン)……127万8000円(税込)

燃料タンクカバーは標準カラーとカバーキットの全9色からセレクト可能。
新型のフラットシート(シート高795mm)により、ワンランク上の乗り心地を実現。2人乗り時の快適も追求。

前後スポークホイールを装備したカフェレーサースタイル ドゥカティ スクランブラー(ナイトシフト)……147万5000円 (税込)

レーシーでエレガントなテイストを持ったデザインが特徴。フラット型ハンドルバー、バーエンドミラーなどを装備。
前後ホイールはスポーク型を採用。フロントフェンダーはショートタイプを導入。

シリーズ中もっともスポーティ ドゥカティ スクランブラー(フルスロットル)……147万5000円 (税込)

「アイコン」よりも低いハンドルバー、レッドのホイールタグ、オイルパンガード、フロントショートフェンダー、テールフェンダーレスなど、レーシングムードを漂わせ、真のトラッカーらしいキャラクターを演出。
レッドGP19とダーク・ステルスの専用カラーリング、シャープなシートグラフィック、また象徴的な「62」番を冠した新しいサイドパネルを採用。
Termignoni製のサイレンサーが、スプリンターとしての存在感をアピール。

ドゥカティ スクランブラー 主要諸元

ホイールベース:1449mm
キャスター角:24°
トレール:108 mm
シート高:795mm/ハイシート(アクセサリー)810 mm/ローシート(アクセサリー)780 mm
乗車定員数:2名
車両重量:アイコン185kg、ナイトシフト191kg、フルスロットル185kg
エンジン形式:空冷4ストL型2気筒デスモドロミック・バルブ駆動システム2バルブ(排ガス規制:ユーロ5対応)
総排気量:803cc
ボア×ストローク:88×66mm
圧縮比:11.1
最高出力:53.6kW(73PS)/8250rpm
最大トルク:65.2N・m(6.7kgf・m)/7000rpm
燃料供給装置:電子燃料噴射、50mm径スロットルボディ、ライド・バイ・ワイヤ・システム
エキゾーストシステム:ステンレス・スチール製サイレンサー、触媒コンバーター、O2センサーx2、アルミニウム製テールパイプ
燃料タンク容量:13.5L
変速機形式:6速リターン
クラッチ:油圧制御式、スリッパー/セルフサーボ機能付き湿式多板クラッチ
フレーム:スチール製トレリスフレーム
フロントサスペンション:KYB製41mm径 倒立フォーク
リアサスペンション:KYB製プリロード調整機構付モノショックフロントブレーキ形式:330mm径ディスク、4ピストン・ラジアルマウントキャリパー、 ボッシュ製コーナリングABS
リアブレーキ形式:245mm径ディスク、1ピストン・フローティングキャリパー、 ボッシュ製コーナリングABS
タイヤサイズ:前110/80 R18 後180/55 R17
メーターパネル:4.3インチTFTカラー・ディスプレイ
安全装備:ライディングモード、パワーモード、コーナリングABS、ドゥカティ・トラクション・コントロール、デイタイム・ランニング・ライト

ドゥカティ スクランブラー(アイコン) ディテール

ドゥカティ スクランブラー(ナイトシフト) ディテール

ドゥカティ スクランブラー(フルスロットル) ディテール

最新装備はついていないが、その潔さが良い。ドゥカティ・スクランブラーICON試乗

ドゥカティ・ブランドの中で最も多くのバリエーション展開を誇る人気モデルがスクランブラー。日本市場向けに400ccがリリースされている事でも知られているが、スタンダードな存在は、ICONを含む803ccエンジンを搭載したモデルである。※2019年10月初旬に取材したものです。試乗撮影後にマイナーチェンジが行われました。 REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke) ※2019年11月25日に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/38847/
【400ccのドゥカティ】ナナハンクラスと同等の立派な存在感です! スクランブラーSixty2試乗

アンダー400、つまり普通二輪免許で乗れる数少ない外国車のうちの1つが、ドゥカティ「スクランブラーSixty2」です。同社ラインナップでは唯一100万円を切る価格設定で、エントリーユーザーにも比較的手軽に乗れるモデルと言えるでしょう。2016年のデビューから4年が経ちますが、その魅力を再検証いたしましょう。 ※2020年01月28日に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/28729/
【DUCATI MONSTER 797/+ 試乗】新世代にはもはやネオクラ!? 90年代、ドゥカティに新風を吹き込んだモンスター、スタイルも走りも原点回帰!!

持ち前のスポーティさのなかに扱いやすさも兼ね備える「スクランブラー」や「ディアベル」は現行ラインナップでは欠かせない存在ですが、かつてのドゥカティはスパルタンなスーパーバイク系ロードスポーツばかりで、走りを重視するライダーから圧倒的な支持を集める少しマニアックなブランドでした。高性能なことはいまも変わりませんが、フレンドリーさを世に知らしめたキッカケとなったのが「モンスター」です。最新モデルでは、原点回帰を感じずにはいられません。 REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) ※2019年05月03日に掲載した記事を再編集したものです。 価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/46057/