東京オートサロン2023会場で見つけたバイクネタ。チューニングメーカー「HKS」が開発!オートレースを席巻した伝説のエンジン“200E”【東京オートサロン2023】

2023年1月13日(金)~1月15日(日)、千葉県・幕張メッセで開催中の東京オートサロン2023。自動車チューニングのパイオニア「HKS」のブースには、同社が1988年(昭和63年)に開発したオートレース用エンジン「200E」を搭載したオートレースマシンがお目見え。「200E」は“最強”の名の元に、オートレース界の一時代を築いた知る人ぞ知る伝説のエンジン。ブース内にはフレームから降ろした「200E」の単体も展示された。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
HKS https://www.hks-power.co.jp/
1992年~1993年、HKSは写真のR32GT-Rで当時の国内ツーリングカーレースの最高峰「JTCグループA」に参戦。並居るワークスチームのR32GT-Rに真っ向勝負を挑み、参戦2年目の第3戦で見事優勝を成し遂げた。
空冷4ストローク2気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「200E」を搭載したオートレースマシン。
オートレース車の特徴は前後のブレーキがないこと。これはレースが接近戦で行われるため、勝手なブレーキ操作は追突事故のもとになるから。減速は強烈に効くエンジンブレーキを使用。キャブレターにはアイドリング機能がなく、スロットルOFF時はスロットルバルブが完全に閉じるため、エンジンブレーキの効きは強力だ。
HKSが製作した空冷4ストローク2気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「200E」。
写真提供:川口オートレース https://www.kawaguchiauto.jp/ ※写真はイメージでありHKSとは関係ありません

1973年に誕生したHKSは、長年自動車チューニングのパイオニアとして活躍する大手メーカーとして有名。HKSブースに展示された写真のバイクは、HKSが1988年(昭和63年)に開発した、「200E」を搭載したオートレースマシン。

HKSとオートレースの歴史は古く、始まりは1981年(昭和57年)にさかのぼる。同社は空冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「HT600」を開発。HT600搭載の車両は「フジ号」と命名され、オートレース界に旋風を巻き起こした。

1988年(昭和63年)には、「HT600」からのステップアップとして、空冷4ストローク2気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「200E」を開発。

2023年現在、レース規定によりオートレースは全車スズキ製に統一(※注)。しかし当時は様々なメーカーのエンジンが参入し、凌ぎを削っていた時代。そんな中で200Eのパワーはオートレースの全選手、また観客に強烈なインパクトを与え、その後、オートレース界に納入されるエンジンは、95%が200Eとなる独占状態に。同エンジンは確固たる地位を築いた。

これらオートレース用エンジンの開発は、HKSにとって無形の財産となり、後の高性能エンジンやチューニングパーツを生み出す原動力となった。

※注:1993年(平成5年)にレギュレーションが変更され、オートレースマシンは全車スズキ製に統一された。

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