1973年に誕生したHKSは、長年自動車チューニングのパイオニアとして活躍する大手メーカーとして有名。HKSブースに展示された写真のバイクは、HKSが1988年(昭和63年)に開発した、「200E」を搭載したオートレースマシン。
HKSとオートレースの歴史は古く、始まりは1981年(昭和57年)にさかのぼる。同社は空冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「HT600」を開発。HT600搭載の車両は「フジ号」と命名され、オートレース界に旋風を巻き起こした。
1988年(昭和63年)には、「HT600」からのステップアップとして、空冷4ストローク2気筒DOHC 4バルブ600ccのオートレース用エンジン「200E」を開発。
2023年現在、レース規定によりオートレースは全車スズキ製に統一(※注)。しかし当時は様々なメーカーのエンジンが参入し、凌ぎを削っていた時代。そんな中で200Eのパワーはオートレースの全選手、また観客に強烈なインパクトを与え、その後、オートレース界に納入されるエンジンは、95%が200Eとなる独占状態に。同エンジンは確固たる地位を築いた。
これらオートレース用エンジンの開発は、HKSにとって無形の財産となり、後の高性能エンジンやチューニングパーツを生み出す原動力となった。
※注:1993年(平成5年)にレギュレーションが変更され、オートレースマシンは全車スズキ製に統一された。