マフラー変えたら、お次は吸気を変えると良いんです。 新型グロムをパワーフィルター化!! 【動画・モトチャンプTV】

バイクのカスタムで王道なのがマフラー交換。刺激的なサウンドと高回転で抜けが良くなる人気のアイテム。けれど排気側を変更したら吸気側も変更しなければ意味がない。理想的な吸排気とするならパワーフィルターにしたいもの。今回は新型グロムにパワーフィルターを装着する工程を紹介しよう。

バイクのカスタムで最も人気のあるアイテムがマフラーだろう。排気音を勇ましくするだけでなく、高回転域で抜けの良い特性が得られるとあって、排気量を問わず社外品に交換されるケースが多い。新型グロムにも社外マフラーが出揃ってきたから、交換予定の人も多いことだろう。例えばSP武川製のマフラーに交換して吸気系がノーマルのままだと、低中速域でのトルクは太るが高回転域はそれほど変わらない。そこでSP武川からはパワーフィルターが発売されているのだ。このパワーフィルターはコンピューターセッティングなしで使用できる手軽さがうれしい。しかも交換作業を自分でできれば部品代だけでカスタムできちゃう。ということで、今回はモトチャンプTVで用意している「新型グロムをパワーフィルター化!! SP武川エアフィルターキット取付」という動画から、その手順を追っていこう。

外装部品を外す

今回もSP武川のメカニックによる解説だ。

交換作業は外装部品を取り外すことから始める。まず車体を安定した場所に固定して右サイドのカバー類を外す。左サイドは外さなくていいので、作業スペースを十分に確保しておこう。グロムの外装はタンクカバー、サイドカバーともにボルトが見えているのでラクそうに思える。それでは手順を紹介しよう。

サイドカバーは3カ所のボルトを抜けば外せる。
タンクカバーは黄色いカラーのあるボルトだけでなく手前に3カ所あるクリップも外す。

最初にシートを外してからサイドカバーを外す。サイドカバーは3カ所あるボルトを緩めて外すだけだが、気をつけたいのがボルトで共締めされているグリーンのカラー。ボルトと一緒に外れてくれれば良いが、サイドカバーに残ったままというケースもある。そのままサイドカバーを外すとカラーが飛んで傷ついたりするので、あらかじめ外して保管しておこう。

タンクカバーはサイドカバー同様に3カ所あるボルトとカラーを外すだけでなく、手前側に3カ所あるクリップも外さなければならない。クリップ中央を先の尖ったボールペンなどで押し込むとロックが外れ、手で引き抜くことができる。すべてのボルトとクリップを外したらタンクカバーの下側に2カ所あるカシメ部分を手前に外してカバー全体を上へ持ち上げる。カバーの上側にある突起がフレーム側の凹みに刺さっているためだ。くれぐれもカバーを傷つけないよう、慎重に作業しよう。

カバーの裏には燃料タンクを保護するカバーがある。

タンクカバーを外すと内部に燃料タンクを保護するフューエルタンクサイドカバーという黒い樹脂部品が見える。写真で手で押さえている部分で、残ったままだと吸気系にアクセスできないので取り外す。4カ所あるプラスネジを外して2カ所あるクリップを抜くとフューエルタンクサイドカバーを外すことができる。

エアクリーナーダクトホースを外す

純正エアクリボックスは外さず残しておくこと。

続いてパワーフィルターを装着するため、純正エアクリーナーボックスとスロットルボディを接続しているダクトホースを外す。この時、面倒だからとエアクリーナーボックスを外さないこと。エアクリボックスはABSユニットなどが取り付けられてマウント部品代わりになっているから、ボックスを外すと大変なことになる。くれぐれもボックスを外したり緩めたりしないように作業しよう。

バンドを緩めてスロットルボディからダクトを外す。
ボックス側は接着剤を剥がして抜く。奥が太いので要注意。

ダクトホースはスロットルボディ側から取り外す。まずハイテンションコードと負圧ホースをクランプから外して邪魔にならない位置に移動する。続いてスロットルボディ根本付近にバンドがあるので、ここをプラスドライバーで緩めてダクトを引き抜く。最後にエアクリボックスからダクトを引き抜くのだが、ボックスとダクトが接続している部分には接着剤が用いられている。そのため注意深く接着剤を剥がしながらダクトを引き抜くことになる。またダクトはエアクリボックスから抜けないよう、内部で広がる形状となっている。ボックスから抜くときは広がった部分を指で押さえながら慎重に引き抜こう。無理に引いて傷をつけてしまうと再利用が難しくなる。

ボックスの穴は必ず塞いでおくこと。

ダクトホースを外すとエアクリボックスに丸い穴が空いたままになる。そのままだとボックス内にゴミやチリが混入してしまうので、後々ボックスを再利用する場合に不具合が生じる。そこで穴の面積に合わせてカッティングシートをカットしてフタをするか、ビニールテープを何枚か重ねて穴を塞いでおく。

パワーフィルターの装着

エアクリボックスに刺さっているブローバイホースを外して手前に引き出す。

いよいよパワーフィルターを装着する。まずエアクリボックスの奥でクランクケースから伸びているブローバイホースを外す。ホースはクリップで固定されているので、クリップを広げながらホースを引き抜く。ホースはただ抜くだけでなくフレーム側にあるクランプで固定されているので、ここから外してセルモーターの下へホースを引き出す。

パワーフィルターを仮装着してホースがちょうどいい長さになるようマーキングする。

引き出したブローバイホースはSP武川製パワーフィルターに合わせて長さを調整する。まずパワーフィルターをスロットルボディへ仮留めしてホースの長さがちょうど良くなる位置にボールペンなどでマーキングする。続いてホースをカッターやハサミでカットしたら、スロットルボディからパワーフィルターを外しておく。

カットしたホースをタイラップで写真のように縛りエアクリボックスにフタをする。

カットしたブローバイホースの残りを使ってエアクリボックスのキャップを作る。切ったホースの片側先端を短めに折り曲げ、タイラップで縛ることでフタになる。一度仮留めしたパワーフィルターを面倒でも取り外してからホースの長い部分をエアクリボックスに差し込めば、ボックスにゴミやチリが混入することを防げるのだ。

クリアランスを確かめてからホースを接続する。

ボックスにフタをしたらパワーフィルターを再び装着する。まずスロットルボディにはめ込みスターターモーターやフレームとパワーフィルターが干渉しないかクリアランスを確認する。この状態でブローバイホースをパワーフィルターに接続してクリップで固定する。最後にパワーフィルターを本締めして交換作業は終了だ。あとは外した逆の手順で外装部品を装着すればOK。ポイントがいくつかあるものの、自分でできないことではないと理解していただけただろう。装着後はパワーフィルターならではの吸気音が楽しめ、かつマフラーとの相乗効果で高回転域の弾けるようなレスポンスが得られる。マフラー交換だけでなく、ぜひ吸気側も見直して楽しいカスタムライフを送ろう!

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…