最新モデルなのに懐かしさを感じる操縦性。空冷エンジンも心地よい。|ロイヤルエンフィールドハンター350新車試乗記

増強されるバリエーション展開、カスタム市場にも積極的な姿勢を示す。そんなロイヤルエンフィールドは1901年創業、世界最古のオートバイブランドとして知られている。去る3月7日、日比谷公園内松本楼にて新型HUNTER 350の報道発表会が開催された。アジア太平洋市場担当事業責任者であるAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)さんとのライブ通信を中心に開発のお話を伺い、一般道でのプチ試乗も行われた。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO● 山田俊輔(YAMADA Shunsuke) /ピーシーアイ株式会社
取材協力●ピーシーアイ株式会社

ディテール解説

オーソドックスなフロントマスクが、今や逆に新鮮に見える。H4ハロゲンバルブのヘッドランプは12V-60/55Wに5Wのポジションランプも装備。ウインカーは12V-10Wの電球式。

ゴムブーツでカバーされたフロントフォークはφ41mmサイズの正立式で130mmのストロークを持っている。5点支持されたφ300mmのディスクローターにはBYBRE製2ピストンのピンスライド式キャリパーを装備。

基本的にClassicやMeteorと共通する349cc空冷の単気筒エンジンを搭載。2バルブOHCのロングストロークが特徴的。振動を抑制する1軸バランサーも採用されている。

スポーティーなフィニッシュを魅せるブラックのショートマフラーを装備。マフラーはテーパー状デザインで、素直にレイアウトされた太いエキゾーストパイプも印象的。

オーソドックスなツインショックのスイングアーム式リアサスペンション。フルに露出した黒のコイルスプリングは等ピッチタイプ。プリロード調節は6段式。ストロークは90mmで102mmのホイールトラベルを稼ぎ出す。

スチール製のスイングアームはオーバル断面形状を採用。ブレーキディスクはφ270mmサイズ。BYBRE製シングルピストンのピンスライド式キャリパーを装備。前後それぞれにABSが装備されている。

ブラックのパイプバーハンドルを採用。至ってオーソドックスな雰囲気を漂わせている。写真では見えないが、バーの下部左側にはスマホ充電等に使えるUSB電源ポート(5V-2A)が標準装備されている。

独自デザインのハンドルスイッチ。下のボタンがホーン、中央がプッシュキャンセル式ウインカー。上面にディマー&パッシングスイッチ。向こう側にはデジタル表示のトリップやオド表示を切り替えるインフォメーションスイッチがある。
右側のハンドルスイッチはシンプルに二つのみ。上の赤いのがエンジンキルスイッチ兼、始動用のスタータースイッチ。通常は中央位置にあるノブを左側へ(時計方向に)回すとセルモーターが起動する。下の黒いスイッチはハザードランプ用。

左側にオフセットされた丸型シングルメーター。アナログ方式の速度計にはマイル表示も併記されている。インド本国では右側にナビゲーションディスプレイ(トリッパー)が装着できるようである。

前後一体式のダブルシート。後方には左右セパレートデザインのグラブバーが装着されている。
右サイドのキーロックを解除して先ずはサイドカバーを取り外し、中のリリースケーブルを引くとシートが外せる。

意外と短めなフェンダーでフィニッシュするリアビュー。一文字にレイアウトされたテールランプと左右ウインカーの3灯は、中央の赤ランプ(テール&ストップ)のみがLED式。ウインカーは10W電球式だ。

主要諸元

車名:HUNTER 350

全長(mm):2,100
全幅(mm):800
全高(mm):1,055
軸距(mm):1,370
最低地上高(mm):150
シート高(mm):790
車両重量(kg):181
乗車定員(人):2

エンジン型式: -
エンジン種類:空冷4ストローク単気筒
バルブ駆動形式:OHC 2バルブ
総排気量(㎤):349
内径×行程(mm):72.0×85.8
圧縮比:9.5:1
最高出力(kW[PS]/rpm):14.9[20]/6,100
最大トルク(N・m/rpm):27/4,000
燃料消費率(km/L):36.2

燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式
始動方式:セルフ式
点火装置形式:ECU制御式電子点火
バッテリー:VRLA (12V-8Ah)
潤滑方式: ウェットサンプ
潤滑油量(L):2.2 
燃料タンク容量(L):13(含む予備4)
クラッチ形式:湿式多板

変速機形式:常時噛合式5段リターン
変速比:
 1速…2.615
 2速…1.706
 3速…1.300
 4速…1.040
 5速…0.875
減速比(1次 / 2次):2.313 / 2.800

操舵角(度):43
キャスター(度):25
トレール(mm):94
タイヤ(前/後):110/70-17 M/C(54P) / 140/70-17 M/C(66P)
ブレーキ形式(前/後):油圧式シングルディスク / 油圧式ディスク  (@前φ300mm2ピストンピンスラ・後φ270mm)@
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式ツインショック
ホイールトラベル(mm 前/後):130 / 102(ショックダンパー:90)
フレーム形式:ツインダウンチューブ式

製造国:インド
広報写真

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…