ついに公開! 待望の4気筒400cc、カワサキNinja ZX-4R。その注目すべき点とは?|大阪・東京モーターサイクルショー2023

2月1日に海外向けに発表された、カワサキ製400cc4気筒スーパースポーツのNinja ZX-4R。国内への導入は今年の秋頃と告知され、すでに大きな反響を呼んでいる。第39回大阪モーターサイクルショー2023ではNinja ZX-4RRが日本初公開され、多くのファンが車体の隅々までをチェック! ここでは兄弟車であるNinja ZX-25Rとの違いを確認しながら、その魅力を解明しよう。

REPORT&PHOTO●川島秀俊
第39回大阪モーターサイクルショー2023にて日本初公開となったNinja ZX-4RR。外観はNinja ZX-25Rとほとんど変わらないが、フロントブレーキがダブルディスクにアップグレードされている。

400ccながらラムエア加圧時に80psを発揮!脅威のスペックはクラスで唯一無二の存在

ホンダのCB400スーパーフォアが生産を終了したことから、現実として国内400cc並列4気筒モデルは消滅。普通二輪免許で高性能な4気筒エンジンが楽しめるのは、250ccクラスのNinja ZX-25Rのみとなっていた。そこに、かねてから噂されていた400ccモデルのNinja ZX-4Rが登場! 国内での発売は今年の秋頃とのことなので、手に入るのはまだ先になってしまう。そこで悩ましいのが、Ninja ZX-25RとNinja ZX-4Rのどちらを選ぶべきか? 極論すると、車検が面倒に感じるならNinja ZX-25Rだし、車検を気にしないならスペックに勝るNinja ZX-4R。とはいえ、見た目がほとんど同じなだけに、悩んでしまうのだ。同じ状況は2気筒モデルのNinja250とNinja400で以前から発生しており、こちらはトルクフルな走りでエンジン性能に勝るNinja400の人気が高い。大型二輪免許があればNinja ZX-6Rとの価格差も気になるところで、悩みは尽きない状況だ。

とりあえず確認したいのは、Ninja ZX-25RとNinja ZX-4Rの違いだろう。細かい部分はさておき、単純にわかりやすく見ていきたい。まず、基本的に車体関係は共通で、フレームや外装、サスペンションは同じ。最大の違いはエンジン排気量で、Ninja ZX-25Rがラム圧時の最大で49psなのに対し、Ninja ZX-4Rは通常時最大77ps、ラム圧時の最大で80psを発揮する。80psといえば800cc2気筒モデルと同等の出力だけに、400ccモデルとしては脅威的だ。エンジンの出力アップに伴ってNinja ZX-4Rのフロントブレーキはダブルディスクに強化され、前後タイヤもワンサイズ太くなっている。ホイールベースが同じなのにシート高や全長の数値が異なるのは、タイヤサイズの影響と見ていいだろう。車重はNinja ZX-4Rの方が4kg(SEモデルは5kg)重くなる程度で、ほぼ気にならない数値。電子制御はどちらも同じく、2種類のパワーモード選択や3パターンのトラクションコントロール、クイックシフター装備とリッタークラス並みに充実している。4.3インチフルカラーTFT液晶メーターはスマホアプリと連携し、各種データの閲覧やライディングログの記録も可能だ。

大型二輪免許を取得する意欲が消失するかも?400ccの概念を上書きする優れた動力性能

すでにNinja250とNinja400でのユーザー動向から、世間では車検の有無よりもオートバイ本来の楽しさを優先している状況が見て取れる。コストを重視するなら、もっと低価格のオートバイを選択するはずで、スペックにこだわるからこそNinja ZX-25RやNinja ZX-4Rの購入を検討しているはずだ。正直なところ、性能的にはNinja ZX-25Rでも一般公道では十分に速く、250ccクラスでリッターSS並みのライディングプレジャーが味わえるのは貴重。扱いきれないパワーを持て余してエンジンの魅力を堪能できないくらいなら、250ccの性能を引き出して走る方がスカッと気持ちいいものだ。勝手な意見として述べるなら、腕の未熟な初心者やダウンサイジングを検討する年配の方には、自身の技量でコントロールしやすいNinja ZX-25Rをオススメする。それ以外の方には、パワフルなNinja ZX-4Rの方が後悔しない選択になるだろう。ともすれば、大型二輪免許を取得しなくてもNinja ZX-4Rで十分と思えるユーザーが増えるかもしれない。それほどまでにNinja ZX-4Rの性能は、既存の400ccクラスを超越していると感じさせるのだ。カワサキの広報担当者に「メッチャ速いらしいですね?」と尋ねると「メチャメチャ速いです!」とキッパリ断言された。今後の実車インプレッションで詳細はレポートされるだろうが、Ninja ZX-4Rの購入を迷っているなら秋まで待つだけの価値は十分にあると断言しよう。

Ninja ZX-4R(写真はNinja ZX-4RR)のタイヤサイズは、前後ともNinja ZX-25Rより10mmワイドな120/70-17、160/60-17を装着。ホイールベースは共通だが、タイヤサイズの影響からかシート高や全長が異なる。
エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒399ccで、最大出力は通常時77ps、ラムエア加圧時には80psを発揮する。
アッパーカウル中央の、もっともラムエア加圧に有効なポイントへ吸気ダクトを設置。Ninja ZX-4RとNinja ZX-25Rとで形状の違いはない。
パワーアップに伴い、Ninja ZX-4R(写真はNinja ZX-4RR)はフロントブレーキをダブルディスクへと強化。サイズはφ290mmへ少しダウンさせ、バネ下重量の増加を抑えている。
排気量アップに伴い、Ninja ZX-4R(写真はNinja ZX-4RR)のサイレンサーはNinja ZX-25Rより容量をアップ。全長が少しだけ長くなる。

Ninja ZX-25Rも展示!

2023年モデルのNinja ZX-25RはSEモデルのみのラインナップ。まだNinja ZX-4Rの国内カラーは発表されていないが、グラフィック以外で素早く判別できるポイントはフロントブレーキの違いとなる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部