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スズキVストローム800DE……1,320,000円（消費税込み）
「デュアル・エクスプローラー」の名を冠したこだわりスペック
人気のアドベンチャーモデルとして、スズキの主軸となっているのが「Vストローム」シリーズ。下は250ccから始まり、ミドルクラスの650cc、フラッグシップの1050ccと3クラスを用意していた。そこに追加されたのがVストローム800DEだが、クラス的には650ccモデルと競合しそうに見える。実はネーミングに違いを紐解くヒントがあり、同じスポークホイール仕様でも650は「XT」、新型の800は「DE」と異なっている。この「DE」を冠するのはVストローム1050DEに次ぐ2機種目となるが、どういう意味かというと『デュアル・エクスプローラー』の略。舗装路とグラベルの両方に適したモデルということで、よりオフロード走破性に優れているのだ。この「DE」を冠するモデルの特徴は、フロントに採用する21インチの大径ホイールで、本格的なオフロード車と同じく未舗装路の走行安定性に貢献する。Vストロームシリーズの多くがオンロード寄りな設計なのに対し、Vストローム800DEはオフロード性能も重視したキャラクターなのだ。
新開発の並列2気筒775ccエンジンこそオフロードでの操安性を高める重要要素
Vストローム800DEのエンジンとフレームは、同時にリリースされたネイキッドストリートファイターのGSX-8Sと同じものを採用する。もちろん、エンジンのセッティングや電子デバイスの味付け、サスペンション、シートレールや外装などはまったく異なる設計のオートバイだが、同じコンポーネントから別ジャンルに発展できるほど基本設計に優れているのだ。その大きなファクターとなるのが、完全新設計の並列2気筒775ccエンジン。Vツインのような鼓動感が味わえる270°クランクを採用しているのだが、振動を打ち消すために特許を取得した「スズキクロスバランサー」を採用。クランク軸に対して90°に一次バランサーを2軸配置する斬新な設計で、エンジンのコンパクト化にも貢献している。このコンパクトさがハンドリングに大きく影響しており、前後長のあるVツインエンジンよりも重心を前へ置くことができ、フロント荷重が得やすくなるのだ。これにより21インチの大径サイズでもフロントタイヤの接地感が高く、安定したダート走行を可能に。トラクションコントロールシステムには一定量のリヤタイヤスリップを許容する「G（グラベル）モード」を搭載するなど、フル装備の電子デバイスにも独自のセッティングを盛り込んでいる。すでに海外で実施したラフロードでの長距離試乗会では、多くの参加者から高評価を獲得したとのこと。市場に出回る今後は、世界的に人気が高まるのは間違いなさそうだ。
主要諸元
型式：8BL-EM1BA 全長/全幅/全高：2,345mm / 975mm / 1,310mm 軸間距離/最低地上高：1,570mm / 220mm シート高：855mm 装備重量：230kg 燃料消費率： 国土交通省届出値：定地燃費値 32.4km/L（60km/h） 2名乗車時 WMTCモード値：22.6km/L（クラス3、サブクラス3-2） 1名乗車時 最小回転半径：2.7m エンジン型式 / 弁方式：FRA1・水冷・4サイクル・2気筒 / DOHC・4バルブ 総排気量：775cm3 内径×行程 / 圧縮比：84.0mm × 70.0mm / 12.8：1 最高出力：60kW〈82PS〉 / 8,500rpm 最大トルク：76N・m〈7.7kgf・m〉 / 6,800rpm 燃料供給装置：フューエルインジェクションシステム 始動方式：セルフ式 点火方式：フルトランジスタ式 潤滑方式：圧送式ウェットサンプ 潤滑油容量：3.9L 燃料タンク容量：20L クラッチ形式：湿式多板コイルスプリング 変速機形式：常時噛合式6段リターン 変速比： 1速3.071 2速2.200 3速1.700 4速1.416 5速1.230 6速1.107 減速比（1次 / 2次）：1.675 / 2.941 フレーム形式：ダイヤモンド キャスター / トレール：28゜ / 114mm ブレーキ形式（前 / 後）：油圧式ダブルディスク（ABS）・油圧式シングルディスク（ABS） タイヤサイズ（前 / 後）：90/90-21 M/C 54H チューブタイプ / 150/70R17 M/C 69H チューブタイプ 舵取り角左右：40° 乗車定員：2名 排出ガス基準：平成32年（令和2年）国内排出ガス規制に対応
