免許は普通二輪、サイズは原付二種クラス。最高速度は110km/hの電動スポーツスクーター「FELO FW-06」|大阪・東京モーターサイクルショー2023

最高速度は110km/h、走行可能距離は140km。公道走行には普通二輪免許(AT限定普通二輪免許)が必要。
FELO FW-06は2019年のEICMAで発表されて以来、熟成を重ね、入念に開発が進められてきた電動スポーツスクーター。満を持して発売されたFW-06は、日本では2022年9月より「モータリスト合同会社」が総代理店として予約・供給を開始。東京モーターサイクルショー2023において展示・披露された。世界が注目するFELO FW-06を、細部までじっくりと観察してみよう。
PHOTO&REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
FELO https://www.felo.jp/
モータリスト合同会社(輸入発売元) https://motorists.jp/

FELO・FW-06……99万円(税込)

ボディサイズは全長1,832mmx全幅711mmx全高1,087mm。シート高は784mm。軸距(ホイールベース)は1,236mm。車両重量(バッテリー込み)は121kg(バッテリーの取外し不可)。
ホイールサイズは前後とも14インチ。タイヤサイズはF110/80-14、R140/70-14。

バッテリーは5年・50万kmもの保証あり!これはメーカーの”品質に対する自信”の表れ

FELOを生み出したのは中国・上海に本社を置くHYT Moto社。同社は商品の開発を進めるにあたり、FELOをバイクブランドとして立ち上げ。3年間の熟成を経て、FW-06を市場投入するに至った。

FW-06専用に設計されたフレームは、スポーツモデル専用として設計されたもの。同車のフレームは、一般的なスクーターからは想像できないほどの剛性を確保。電動モーターのパワーをフルに活かした、アグレッシブなライディングを存分に楽しめるのがポイントだ。

FW-06のバッテリーは、96V58Ahの大容量かつ高効率なタイプ。独特の積層構造で無駄なく構成されたバッテリーは、ケースの隅々までを活用して容量を拡大。リチウムイオンバッテリーの弱点である熱などによる膨張にも強く、安定して性能を発揮する。

バッテリーは5年・50万kmもの保証を提供。他社モデルでは考えられないほどの長期間保証は、品質に対するFELOの自信の表れともいえる。冷却フィンを効率よく配しながら、高強度をもって設計された専用のバッテリーパックは、フレームの強度メンバーとして機能できるよう設計。フレーム重量を30%も減少させつつ、50%もの強度向上に成功した。

シングルチャンネルABSでアシストされたフロントΦ230mm、リアΦ190mmのディスクブレーキシステムは、より優れた安全性の高いブレーキ性能を実現。また、急激なパワー出力によるスリップを防いでくれるトラクションコントロールを装備するなど、最新の電子制御システムも充実。

新世代のスポーツモーターサイクルに相応しい走行性能を実現。攻撃的なイメージの斬新なデザインも特徴。
シャープで直線的な外観にデザインされたスポーティなフロントマスク。ヘッドライトやウインカーはLEDを採用。

コンパクトで軽量な車体+パワフルなモーターで動力性能も抜群!

ガソリンバイクは排気量によって運転免許の種類が変更。一方、電動バイクは定格出力で運転免許の種類が変わる。定格出力が5kWのパワフルなFELO FW-06の場合、一般公道を走行するには普通二輪免許(AT限定普通二輪免許)が必要となる。

種類定格出力ガソリン車の場合(排気量)
原動機付自転車免許(原付一種)0.6kW以下~50cc
小型限定普通二輪免許(原付二種)1.0kW以下~125cc
普通二輪免許(中型免許)20kW以下~400cc
大型二輪免許20kW超400cc超

FELO FW-06を実際に見てみると、14インチホイールを採用しているせいか、オフロード車のように少し背の高い大柄な印象。しかしスペックを比べてみると、コンパクトな部類に属する10インチホイール採用の125ccクラススクーター程度(ヤマハのジョグ125やアクシスZなど)であることが分かる。

人気の125ccスクーター「ホンダPCX」と比べてみても、車体は二回りコンパクト。ホイールは大径だが、ボディや足周りはコンパクトにまとめているのが特徴だ。

●FELO FW-06
全長:1,832mmx全幅711mmx全高1,087mm
軸距(ホイールベース):1,236mm
シート高:784mm
車両重量:121kg
Fタイヤ:110/80-14
Rタイヤ:140/70-14

●ホンダ PCX
全長:1,935mmx全幅740mmx全高1,105mm
軸距(ホイールベース):1,315mm
シート高:764mm
車両重量:133kg
Fタイヤ:110/70-14
Rタイヤ:130/70-13

●ヤマハ ジョグ125
全長:1,740mmx全幅675mmx全高1,090mm
軸距(ホイールベース):1,205mm
シート高:735mm
車両重量:95kg
Fタイヤ:90/90-10
Rタイヤ:90/90-10

●ヤマハ アクシスZ
全長:1,790mmx全幅685mmx全高1,145mm
軸距(ホイールベース):1,275mm
シート高:770mm
車両重量:100kg
Fタイヤ:100/90-10
Rタイヤ:100/90-10

写真左)ヤマハ ジョグ125 写真右)ヤマハ アクシスZ
写真左)Classic Sci-Fi Green 写真右)Graphite×Black ※2023年春以降の入荷予定
正立型フロントフォーク、14インチアルミキャストホイール、Φ230mmディスクローターを組み合わせたフロントの足周り。
地面からフットボード下部底までのクリアランスは、「オフロードスクーターか!?」と思わせるほど高めに設計されている。
スイングアームのピボット部近くに、定格出力5kW、最高出力10kWのパワフルな電動モーターを搭載。後輪への駆動はベルト式。
リアはΦ190mmディスクローター、14インチアルミキャストホイール、ワイドな140/70-14タイヤを組み合わせ。
モーター特有の出力を快適に変速する、世界で唯一の電動モーターサイクル向け自動ギア式変速機「オートマチック トルク システム (ATS)」も導入済み。
リアサスペンションは片持ち式のプロアームを採用。リアホイールにはホイールキャップ(ホイールカバーを装着)。

FELO FW-06 主要諸元

モデル名称:FW-06
全長×全幅×全高(筐体):1832(1700)×711(570)×1087(1040)mm
定格出力:5,000W(5kW)
最高出力:10,000W(10kW)
車両重量(バッテリー込み):121kg(バッテリーの取外し不可)
シート高:784mm
軸距(ホイールベース):1236mm
バッテリー容量:96V 58Ah Lithium Square battery
最高速度:110km/h
充電時間:5-6h
走行可能距離:140km(※NEDC)
タイヤサイズ:F110/80-14 R140/70-14
ブレーキ:F Φ230mmディスク R Φ190mmディスク ABS
バッテリー保証:5年 or 50,000km
車両保証:1年間、走行距離無制限

※NEDC:New European Driving Cycleの略。国際基準(WLTP)に基づく燃費・電費測定の義務化により、電動二輪車等の走行可能距離を提示するために策定された各車共通の指標

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