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腐っても鯛、曇っても湘南
平塚の宿を出たのは午前10時過ぎ。空の半分は晴れてピカピカしているが、残り半分にはどんより薄暗い雲がウネウネうごめいている。雲行きがあやしいとは、まさにこのことだ。
平塚を走り出し、西湘バイパスに並行して走る国道1号を西へ。海沿いではまだ晴れ間が覗いていたが、小田原付近から雲が厚くなりはじめ、箱根にかかる頃には、今にも泣き出しそうな空模様になっていた。
DAX125は走りがイイ!
DAX125のエンジンはパワフルで、箱根の山坂道などモノともしない。ほとんど傾斜を感じさせないほどガンガン進む。
DAX125のエンジンはフラットな出力特性とワイドなギアのおかげで、誰でも簡単に扱える。ローギアだけでもきっちり回せば40km/hまでカバーでき、かつトップギアでもギリ発進できるほどだから、シフトに気をつかう場面はほとんどないだろう。
ちなみに発進加速で60km/hに到達するまでのタイムは、タカハシの脳内タイマー測定で約6.5秒。50km/hまでがとくに力強く、出足の良さが際立つ。パワーもサウンドも全域で穏やかだが、パルス感はほどよくあり、トップエンド付近まで回したときにはギャンと金属音が混じるイキな演出もあって、ふだんの街乗りだけでもスポーツ気分が味わえる。
ブレーキは前後ディスクで、フロントのみにABSがついている。フロントは握りが硬めでコントロールの幅はそれほど広くないが、制動力は十分。ロックを感知すると瞬時にABSが作動し、コトコトとかすかなキックバックを返しつつ制御を始めてくれる。
リアにはABSが付いてないので、思い切り踏めば当然ロックする。慎重に操作すべきだが、それでもロックまでの効きがよく、ロック時の挙動も穏やかで、リアが暴れ出しそうな不安はない。
箱根は雨に濡れて
箱根を登りはじめると雨は本降りになった。しばらくガマンしてそのまま走っていたが、雨具なしで走り続けて濡れると後がつらい。目についたコンビニに飛び込んで許可をもらい、軒先で雨宿りした。
箱根はまだまだ雨に濡れて
冷たい雨と霧の中、芦ノ湖にたどり着いた。ふだんなら遊覧船でも眺めて一休みするとこだが、寒すぎるからそれは略して先を急ぐ。雨にけむる松並木を横目に芦ノ湖畔を通過、そのまま三島へのダウンヒルに入った。
真っ黒な駿河湾を左に見ながら富士由比バイパスを抜け、静岡・清水港近くの宿にバイクを止める。メインスイッチを切ろうとしたとき、ついにフューエルメーターが点滅を始めた。明日にはガス欠がやってくるだろう。バイクを停めて部屋に上がり、コンビニ飯を食ってすぐに寝た。