ホンダ・ダックス125はガソリン満タンでどこまでイケるのか? 検証してみた。 東京・日本橋から京都をめざす東海道ガス欠チャレンジ第5弾![3日目]

人気の小型短足犬DAX125を駆るAFO RIDERタカハシが、東京・日本橋から京都をめざし、満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタックに挑む!
とろとろネバネバの駿河路ラストスパート!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)

決戦の地は静岡

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠
誰にも人気の愛玩犬バイクと、誰にも愛玩されない野良犬AFOライダー。太平洋のキラメキを背に、ガス欠旅のフィナーレに臨む!

宿を出ると清水港は目の前だ。ちょっと寄り道していこう。スカッと晴れる予報だったが、まだちょっと雲が多くて残念だ。

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右折した先が清水港。伊豆半島・土肥港へゆく駿河湾フェリーなどが発着する。
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清水港は日本三大美港のひとつ。エスパルスドリームプラザの観覧車が目印だ。海上保安庁第三管区海上保安本部清水海上保安部の巡視艇「みほかぜ」が係留されていた。
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味わい深い倉庫街をみつけてカメラマン魂がうずき、シャッターを切る。海のロマンと男の哀愁を感じさせる清水港の姿を切り取った。
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とかいっても現実はこんな感じ。クソつまらない写真でも、ガツンと彩度を下げ、コントラストを上げ、ワンポイントの色(バイクの赤とか)を強調するだけで、チョー簡単にカッチョよくなる。世俗の腐れカメラマン連中が使い狂ってる手法だ。試してみたい人はご自由に
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写真はともかく、建ち並ぶ倉庫の雰囲気は悪くない。訪ねてみる価値はある。

いちご海岸で犬猿のめぐり逢い

旧東海道は、清水港から静岡市街中心部を西へ貫いているが、タカハシは南まわりの国道150号経由を選ぶことに。海岸線に出たところで道端のバイクに目をとめ、オーナーらしき人物に声をかけた。

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なんと1969年式ホンダMONKEY Z50Aだ。空冷4ストローク単気筒49cc、最高出力はたった2.6PS、フロントをバラしてクルマに積めるのが特徴だ。現在まで続く独自のモンキースタイルを確立した伝説のマシンでもある。
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オーナーの深澤文博さんは静岡在住の65歳。ダンディを絵に描いたようなオシャレ紳士だ。ときどきふらりとこんなプチツーリングに出るという。小さいバイクに乗るビッグな男と、大きめバイクに乗るチンケな男のコントラストが目を射るばかりに鮮やかで、写真というものの残酷さすら感じさせる一枚だ。
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小型人類タカハシですらプロレスラーっぽい巨人に見えるマイクロ車格。なのにナゼか足つきがギリギリなのは見なかったことにしてほしい。

こんなところでこんなおあつらえ向きの出逢いがあるとは驚きだ。しかし、同じ出逢うならモンキー125のガス欠チャレンジの時に出てきてくれたら、さらに超ウルトラ最高に好都合だったんだが、それだけはちょっと残念だ。(←知らんがな)

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国道150号は、ムダにカワイイ名前の「いちご海岸通り」に合流する。

名車モンキーとオーナーに別れを告げ、タカハシはさらに西へ。静岡大橋で安倍川を渡り、市街西端にあたる丸子(まりこ)宿をめざす。
途中でうっかり道を間違え、反対側に数キロ走ってからミスコースに気づいた。本ルートに戻ろうと丸子川を渡る化粧橋にかかったところで、不意にスロットルレスポンスが鈍る。何度かスロットルをあおったがエンジンは無反応。うぉ~んと小さなうめきを残し、ストンときれいにガス欠停止した。

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠
DAX125のガス欠旅の終着地、静岡市駿河区青木の丸子川化粧橋。付近は鎌倉末期の戦場跡だといわれている。
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ガス欠地点は日本橋から221.7km。旅程3日目の走行距離はわずか33.1kmだった。

3日間にわたるガス欠チャレンジは、丸子川のほとりで無事終わった。日本橋からの距離は221.7km、満タン3.8ℓのガソリンを使い果たし、全行程の燃費は約58.3km/ℓとなった。カタログのWMTCモード燃費は65.7km/ℓだから、重い荷物を積んで坂道をガンガン加減速する東海道の旅ならば、驚異の好成績だといえる。

丸子宿=とろろ汁の丁子屋

丸子なら丁子屋、当然だ。ガス欠地点では、そこの名物を食っていいという連載ルールがあるのに丁子屋に行かないなどあり得ない。それほどの超有名店なのだ。

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 丸子 丁子屋
丁子屋の店構え。慶長元年(1596年)から続く老舗で、東海道の名所のひとつに数えられる。
AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 丸子 丁子屋
舌もお腹も大満足の定食「丸子」、1630円(税込)。地元産自然薯のとろろ汁に、たっぷりの麦めしと味噌汁、香物、薬味付き。定食以外にも、あれこれの一品が楽しめる。
AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 丸子 丁子屋
粘りに粘るトロットロのとろろ汁が日差しに透けて美しい。
AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 丸子 丁子屋
激ウマとろろ汁は、行儀を気にせずザアザア音を立てて食べるのがコツだとか。

静岡育ちのタカハシは、小学生の頃、親に連れられてたびたび丁子屋を訪れた。が、とろろ汁の味はわからなかった。初めてうまいと思ったのはやっと大人になったばかりの20代、やはりこの店で食べたときだった。大人のライダーを自負している人には、ぜひこの東海道名物を味わってみてほしい。

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 丸子 丁子屋
丁子屋内展示館にある歌川広重の『東海道五拾三次之内 丸子 名物茶店』。往時の姿がしのばれる。

丁子屋 【web】 静岡県静岡市駿河区丸子7-10-10/電話:054-258-1066/営業:月〜金11:00〜14:00      土日祝11:00〜15:00 16:30〜19:00/木曜定休(毎月末水曜、木曜のみ連休)

DAX125 vsモンキー125 買うならどっち?

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 高橋克也 イラスト
犬のライバルはサル、DAX125のライバルはモンキー125。その関係はこんな感じ。

さて最後に、ガス欠旅の間、会う人ごとに何度も訊かれたこの質問「DAX125とモンキー125、買うならどっち?」にタカハシ的見地から答えておこう。いずれ劣らぬ大人気のホンダ125リバイバルマシンだから、迷う気持ちもわからなくはない。

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 モンキー125
モンキー125は、9.4PSのエンジンに5速ミッションを備えた超すばしこいマシン。

まず最初に、両車は乗れる免許が違う。AT限定小型二輪免許しか持ってないならDAX125の一択。マニュアルOKの二輪免許ならモンキー125にも乗れる。
仮にクルマの免許しか持ってなくても、週末2日間でパッと免許を取り、ソッコーでバイクに乗るというワガママな計画も、ダックスなら実現できる(可能性がある)のだ。

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠
DAX125にはパールカデットグレーのカラーも用意されている。

「オレは若けぇ頃からバリバリの走り屋なんだよ! でも大型はもう腰とかキツくてよ……」みたいな、昔は硬派だったくせに今はすっかり弱体化した中高年ライダーなら、小さいくせに激烈に走る5速リターンミッションのモンキー125がおすすめだ。
いっぽう「ボクは彼女とタンデムで遊びにいくんだ。 走りも楽しめればいいけどね……」みたいな、軽くムカつくオシャレ系ライダーならDAX125が吉。
でもまあ結局そこらは好み次第でエエんやけどね♪

AFORIDER ホンダ DAX125 東海道 ガス欠 高橋克也 イラスト
■東海道ガス欠チャレンジMAP/ホンダ DAX125/日本橋~丸子

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AFO RIDER タカハシ 近影

AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…