チャンピオンに輝く実力派、アプリリア・トゥオーノ660ファクトリー試乗記

ミドルサイズのホットなネイキッドスポーツとして知られるTUONO 660。これをベースに追加投入された上位機種がこのFactoryである。果たして両車の違いは何処にあるのか!?

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ピアッジオグループジャパン株式会社/日本自動車輸入組合(JAIA)

ディテール解説

フロントマスクを引き締める3眼のヘッドランプ。光源はLED式。左右に描かれたシャープなライン照明が精悍。ここからの眺めはレーサーレプリカ系のRSに通じる雰囲気が漂う。

φ320mmのフローティングローターをダブルで装備。φ41mmKYB製倒立式フロントフォークのボトムエンドには、ブレンボ製モノブロックタイプの対向4ピストン油圧キャリパーがラジアルマウントされている。

右サイドカムチェーン方式の水冷DOHC8バルブエンジンにはAPRC(アプリリア・パワー・ライド・コントロール)電子制御システムが搭載されている。湿式多板式クラッチはスリッパーシステム付き。

右側は三角にエンドカットされた左右非対称デザインのショートマフラー。アンダーカウルも綺麗に一体デザインされている。

バックステップに対応して長いロッドを持つシフトリンケージ。ロッド前方にはクイックシフター用のセンサースイッチがセットされている。

フレームとスイングアームは共にアルミダイキャスト製。ゴールドの別体タンクを持つモノショックはザックス製。プリロードと伸び圧共にダンピング調節ができる。

φ220mmのディスクローターにはブレンボ製対向2ピストンの油圧キャリパーを採用。旋回中の減速操作でも適切制御されるマルチマップコーナリングABSが採用されている。

ブラックアウトされたテーパードタイプのパイプバーハンドルが採用されている。

ハンドル左側は通常のスイッチに加えてメーター表示切り替え等に使う4点のコンビスイッチ。右上にはクルーズコントロールスイッチがある。
ハンドル右側には赤と黒に色分けされた3つのスイッチが縦一列に並べられている。

センターセットされているのはカラーTFT(薄膜トランジスタ液晶)ディスプレイによる多機能メーター。文字が大きく見やすくデザインされている。

スペースの広いシートクッションのデザインはライディングポジションに自由度が大きい。

シートカウル下(裏面)の左寄りにあるキー操作でシートクッションのロックが解錠できる。ご覧の通り、ETC機器等を収納できるスペースがある。

主要諸元

エンジン:4ストローク水冷直(並)列2気筒 DOHC 4バルブ
総排気量(cc):659
ボア×ストローク(mm):81×63.93
圧縮比:13.5:1
最高出力(kW/rpm):73.5(100HP)/10,500
最大トルク(Nm/rpm):67(6.83kgm)/8,500
燃料供給方式:電子制御燃料噴射システム(Φ48mm ツインスロットルボディ、ライド・バイ・ワイヤ エンジンマネージメントシステム)
潤滑方式:ウェットサンプ
始動方式:セルフ式
トランスミッション:6速(アプリリアクイックシフト〈AQS〉、アップ&ダウンシステム)
クラッチ:湿式多板クラッチ(機械式スリッパ―システム付)

フレーム:ダブルビームアルミ製
サスペンション(前/後):テレスコピック式(KYB製φ41mm倒立式)/スイングアーム式(アルミ製、油圧モノショックアブソーバー)
ホイールトラベル(mm・前/後):110/130
ブレーキ(前/後):φ320mmデュアルディスク(Brembo製ラジアルマウント)/φ220mmシングルディスク(Brembo製)
ABS:マルチマップ コーナリングABS
ホイール(前/後):3.5J x17/5.5Jx17(軽量アルミホイール)
タイヤ(前/後):120/70 ZR-17/180/55 ZR-17

全長/全幅(mm):1,995 / 805
ホイールベース(mm): 1,370
シート高(mm):820
装備重量(kg):181(走行可能状態 燃料 90%搭載時)
乾燥重量(kg):169
燃料タンク容量(L):15.0

生産国:イタリア

試乗後の一言!

普段使いの実用性も大切だが、やはり高性能である事にこだわりたいユーザー向き。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…