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黄色ナンバーのバイクは50ccの上級版
まず、黄色のナンバープレートを付けたバイクだが、これは排気量が51〜125ccまでの原付二種(第二種原動機付自転車)に該当する。
原付二種といえば、ピンクナンバーを付けたバイクが現在は一般的だが、こちらは排気量が91〜125ccまで。一方、黄色ナンバーは、排気量51〜90ccの原付二種バイクとなっている。
つまり、黄色ナンバーのバイクは、白ナンバーを付ける50cc以下の原付(原動機付自転車)と、ピンクナンバーを付ける91〜125ccの原付二種バイクとの中間的ポジションに位置することになる。
51〜90ccのバイクは、1980年代や1990年代頃、多岐に渡るジャンルで、かなり多くのモデルが存在した。
例えば、ホンダ「スーパーカブ90」などのビジネスバイク系、ホンダ「リード90」やヤマハ「ジョグ90」、スズキ「ジェンマ90クエスト」などのスクーター系、スポーツモデルでもホンダ「NSR80」などがあった。また、レジャー系モデルでも、スズキ「バンバン90」などが販売された。
これらのほとんどには50ccモデルもあり、それをベースに排気量をアップした上級バージョンが多かった。
メリットは、50ccの原付バイクが
・2段階右折が必要
・制限速度30km/h
・2人乗り不可
なのに対し、
・2段階右折が不要
・制限速度60km/h
・2人乗りも可能
と、ピンクナンバーの原付二種と同じで、道路交通法上の規制がより緩かったこと。
しかも、排気量を大きくすれば、50ccバイクよりもパワーをアップでき、走りにも余裕が出る。こうした法規と出力などの利点により、黄色ナンバーのバイクは大きな人気を博したのだ。
なぜ黄色ナンバーのバイクはなくなったのか?
現在、黄色ナンバーを付けるバイクのラインアップがなくなった背景には、年々厳しくなる排気ガス規制が関連している。
まず、昔は、軽くてハイパワーな2ストロークエンジンを搭載したモデルも多かったが、排出ガスが多く出てしまうことで市場からほぼ消滅。一部の競技向けモデルを除けば、ほとんどのモデルが4ストロークエンジン搭載車となった。
しかも、4ストロークエンジンでは、80ccや90ccの排気量ではあまりパワーが出せないことや、排出ガス規制への対応も難しいなどの問題あった。そこで、原付二種のバイクは、110ccや125ccといったより排気量が大きいモデルが主流となっていったのだ。
そうした時代の流れもあり、排気量51〜90ccの黄色ナンバーを付けるバイクがなくなり、原付二種といえば125ccなどのピンクナンバーを付けたバイクが一般的となったといえる。
このようにして、黄色ナンバーのバイクは今ではほぼ見かけなくなった。黄色は「幸福のシンボル」とも言われている色だけに、もし、街中で黄色ナンバーのバイクを見かけたら、それだけで「何かいいことあるかも! 」と喜んでみてもいいかもしれない。